『不思議なスライム』 作:クロ・アリアポー
──あるところに、古い銅山がありました。
銅山の地下には巨人達が暮らしていましたが、被せられた兜の力で、頭痛が絶えないのが悩みの種。
ある日、巨人の占い師に「スライムをたくさん食べれば頭痛が治る」と聞いた巨人のギュゲスは、自慢の豪腕で岩壁を砕きながら、仲間のためにスライムを探し始めました。
やがて、緑色の大きなスライムを発見! これで仲間の頭痛が治ると大喜びしたのも束の間、それからどれだけ探しても、スライムは一匹も見つかりませんでした。
巨人達はスライムを見つけたのはギュゲスだからと、ギュゲスにスライムを食べるよう何度も勧めましたが、ギュゲスは決して頷くことはありませんでした。
そんな中、冒険者達が銅山に現れました。悪い巨人を退治するようにと、銅山の持ち主から依頼を受けてやってきたのです。
冒険者達には岩壁を抱く腕力こそありませんでしたが、それを補う火薬がありました。今もまた、岩壁を壊そうと火薬を設置し、ドッカン! ドッカン! ……すると、その爆風がスライムに直撃! なんと、スライムは二匹に増えてしまいました!
それを見たギュゲスは、冒険者達にたどたどしく事情を説明。もっとスライムを爆破してくれるようにと頼みました。
冒険者達は快く応じ、持てる限りの火薬をドッカン! ドッカン! ……やがて、全ての巨人に行き渡るほど、スライムは増えていきました。
ところが、増えれば増えるほどスライムは小さくなってしまい、「これでは頭痛を治せない」と巨人の占い師は悲しげに告げました。
それでも、ギュゲスは仲間とスライムを分け合い、指先に乗せてぺろり……やっぱり、頭痛は治りませんでしたが、巨人達は満足そうに頷き合いました。
一方、町へと帰った冒険者達は、銅山の持ち主に「悪い巨人はいなかった」と報告したのでした。
めでたし、めでたし!
【チャ・ケビの感想】
頭痛が治らなかったのは残念だけれど、巨人さん達が幸せそうで良かったなと思いました!
でも、そんな酷い兜を巨人さん達に被せたのは、一体、誰だったんだろう……?
▼「クロの空想帳」の空想帳シリーズNo.1
『臆病な海賊』No.2
『絶対の王様』No.3
『不思議なスライム』No.4
『世界一の繭』No.5
『ハラタリの主』No.6
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埴輪@Marie_stringer