キャラクター

キャラクター

  • 2

百合を尋ねて三千ヤルム デト・モシュロカ

公開

以前から気になってはいたアダマンタスという魔物、なかなかに愛嬌がある。
甲羅の上に乗ってみたらどんな反応をするのだろうか。
力強く大地を踏みしめる歩みにそんなことを考えながら、私は吊り橋を渡っていく。
グリダニアとウルダハの交易路、その中継地点であるキャンプ・トランキルだ。

キャンプは根渡り沼という湿地帯の上に築かれており、いくつかの長い吊り橋で結ばれている。
一帯が深いぬかるみになっているため、交易品を満載した荷車にとってこの吊り橋は欠かせない。
また、根渡り沼には多くの魔物が生息しており、安易に近づくことは極めて危険だ。
そのため鬼哭隊六番槍所属の隊士たちが、付近の警備および吊り橋の整備を行っている。

巨大なエーテライトが設置されたキャンプの中心に到着し、辺りをぐるりと見渡して依頼主を探す。

「キャンプ・トランキル付近の安全は、我々に任せろ」

初めてこの地を訪れたのだと思われる冒険者に、堂々とした口調で語る女性ミコッテ。
私の依頼主、鬼哭隊六番槍所属のデト・モシュロカである。
その様子を遠巻きに眺めていると、彼女がこちらに気づいたようで目が合った。
即座にしっぽをピンと立て、ソワソワと落ち着かない様子になる彼女。
先程までの堂々とした雰囲気からの急変に、思わず笑いそうになる私である。


事の始まりは一時間前。
グリダニアからウルダハへと移動するため、私はこのキャンプに立ち寄っていた。

「お前、冒険者だろう。 ……ちょっとこっちへ来て欲しい!」

六番槍隊長のランドゥネルに見つかりたくなかったのだろうか。
きょろきょろと周囲を警戒しつつ、チョコボにギサールの野菜を与えている私に声をかけてきた。
かなりの挙動不審であったのはいうまでもない。
話を聞いてみると、冒険者である私に一つ依頼を頼みたいとのことだった。

キャンプ・トランキルの南方に、ウルダハ商人が品卸しに来ているのだという。
生まれてこのかた黒衣森を離れたことがないという彼女。
鬼哭隊として森を守ることに誇りをもちながらも、他都市への関心は以前からあったらしい。
そこで任務のため持ち場を離れることができない彼女に代わって、
私に何かウルダハ様式の物を貰ってきてほしいということだった。


依頼を済ませた私を見つけた彼女は、冒険者への対応を早々に切り上げた。
そして私の元へと駆け寄ってくるやいなや、期待を抑えれない様子で問いかけてきた。

「な、何か貰えたか……? ウウ、ウルダハを感じられるものだといいな……」

ついつい口元が緩んでしまう私である。
ここで何も貰えなかったと言ったら、一体彼女はどんな表情をするのだろうか。
そんな悪戯心を抑えつつ、私はウルダハ商人から貰った『砂都の香』を彼女に手渡した。

「おお、これは……ウルダハの香か!」

興奮した様子の彼女は、そういって一息にその香りを確かめる。

「うっ……な、なるほど……ックシュン! ウルダハの民は、強い匂いの物を好むのだな……」

あまりにも予定調和な結果に、私はまたしても笑いを堪えることができなかった。
少し涙目になった様子の彼女だが、その顔には喜びの感情が溢れていた。

「しかし、隊長の言っていたとおりだ…… エオルゼアは広く、まだ私の知らぬことばかり!」

弾むような楽しげな声に、思わず私まで嬉しくなってしまう。
冒険者である私とて、まだまだエオルゼアは広く果てしないと感じる。
この森で生まれ育ってきた彼女にとって、その衝撃は計り知れないものなのだろう。

「ありがとう、冒険者よ! ……ックシュン!」

快活とした声でそういうと、くしゃみと闘いながら任務へと戻っていった。
そんな彼女の背中を見送って、相棒のチョコボであるスオミに乗ってキャンプを出発する。
さて、次にキャンプ・トランキルを訪れるときは何を持ってくるとしようか。
しっぽをピンと立て、瞳を好奇心で輝かせる彼女を思いながら、私は黒衣森を後にした。



百合を尋ねて三千ヤルム デト・モシュロカ
南部森林 キャンプ・トランキル X:16 Y:28
(三枚目のSSはごちゃごちゃとしていますが、すごく可愛かったので外せませんでした!)
コメント(2)

Azelek Kozelek

Alexander [Gaia]

おおー、ちょっと前に自分もここを通ったよ。

そうか、あの仮面の下は普通のお年頃の女の子だったワケだ。
最後の写真だけだとクールな印象だけど、
確かに真ん中の写真があると素顔が垣間見れていいね。

Lilli Sininen

Unicorn [Meteor]

そうなんだ、普段は凛とした彼女だって仮面の下は普通の女の子。
エオルゼアに危機が迫ってさえいなければ、
彼女は今頃エオルゼアを見て回ることができていたのかもしれない。
私にできることは、またキャンプ・トランキルを訪れること。
さて、リムサ・ロミンサの海風を感じるようなものを探してみるとしようか。
コメント投稿

コミュニティウォール

最新アクティビティ

表示する内容を絞り込むことができます。
※ランキング更新通知は全ワールド共通です。
※PvPチーム結成通知は全言語共通です。
※フリーカンパニー結成通知は全言語共通です。

表示種別
データセンター / ホームワールド
使用言語
表示件数