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[RP]謎の先の真実へ(オーボンヌ主催イベント前日譚)

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 いつものようにエウレカ行きの船に乗ろうとクガネを訪れると、どうにもランディングへの人の出入りが多いように感じられた。
 第一波止場から見える塔のような建物を見上げる。そういえば、ベーコンエピの納品をしていない。
 ともあれどうにもきな臭い。ランディングに居る飛空士に何かあったのかを尋ねたけれど、明確ではないが次の調査地が決まりそうだ、という噂があるらしい。
 その日はそのまま劇場艇を遠くに見て、エウレカの調査も中止して家へと戻ることにした。


 家の地下の赤いドアをくぐり、槍を立てかける。それからブーツを脱いでスリッパに。ベッドに脱ぎっぱなしで置かれたガウンを、軽く丸めて退かして腰掛ける。
 今日のクガネは、リドルアナ大灯台の調査の前の騒がしさに似ていた。言葉にし難い空気のようなものが、普段のそれとは違ってきたように感じられたのだ。
 きっと間もなく次の調査地が決まり、全冒険者に向けて募集が発せられるだろう。
 それならば、やるべきことはひとつしかない。


 すっと目を閉じて、劇団がもたらした2つの依頼を思い出す。
 ラバナスタの奥、王都跡での、呼吸をも忘れる戦いを。
 そしてリドルアナ大灯台で味わった、一時撤退の惜敗も。
 24人の同業者たちが浮かべる、それぞれの表情、発する声、振るう武器の煌めきを。
 頼りない俺を支えてくれた身近な人たちの言葉を。
 調査地に踏み込んだときの、得も言われぬ感動を。


 目を開き、立ち上がりながらため息を吐く。
 防具の留め具を一つずつ外していきながら、己の欲深さはいっそ清々しいな、と笑みさえこぼれてくる。
 いつの間にこんなことになってしまったのだろうか……ここに来て思うことはひとつだけ。
 もう一度があるのであれば、また皆と戦いたい。
 己の意思で集まってくれた同業者と、まだ見ぬ調査地へ行き、イヴァリースへ導かれているという真実を、自分たちの手で明らかにしたい。
 日々の生活の中で、ふとラバナスタとリドルアナでの戦いを思い出すたびに、それが如何に輝かしい戦いであったのかを思い知っていたから。
 それぞれがそれぞれの事情を抱えて挑む戦いは、他の何にも代え難い。
 だからこれは好機だ。絶好と言っても良いくらいの、これ以上無い機会だ。


 故に俺は再度、調査隊の編成を提案する。
 誰かが行きたいと望んだのを聞いたわけじゃない。俺がこのままでは終われないと思ったんだ。
 俺は相変わらずどころか、ラバナスタやリドルアナの調査隊を編成した時よりも、もっともっとひとりになってしまったのかも知れない。
 思えば色々と変わってしまったけれど、やりたいことだけは変わっていない。
 やらなければ後悔する。絶対だ。
 間もなく明かされる、見知らぬ土地への挑戦は、俺は俺が望むから、皆の手を借りて調査に行きたい。


 そう決意して、丸めてあったガウンを広げて頭からかぶって裾を整える。
 ふと、ベッドサイドのテーブルの上、ほとんど買ったまま使っていない化粧道具の鏡の覆い布が落ちて、鏡に映る自分と目が合う。
 その口元はちょっとだけ嬉しそうで、目ははっきりと輝いていて、有り体に言えば、やる気に満ちていて……とても楽しそうな顔をしていた。
 そんな有様に呆れながら落ちた布を元に戻し、冒険者ギルドへ告知書類を提出するべく、衝立の向こうの文机に向かってペンを執る。
 見知った顔が居れば安心するし、新しく会う人達は楽しみだ。
 調査地は違えどやることはきっと変わらないだろうから、書き出しは前と同じく、『同業者諸君、お疲れ様。』でいいかな。



 
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