※この話は実際に有った話、設定を一部改変しております。
後、勝手に登場させた方(特にロイ爺)ゴメンナサイ。
「なんなのよ、コレ」
目の前に広がる光景に彼女はズキズキと痛む頭を抑えた。
昨日まで見慣れた風景、知り合いの老爺が顔なじみの戦士と肉体自慢をしたり、
同族の少女がそれを笑いながらはやし立ててたり、
良い意味でBACCANO(馬鹿騒ぎ)がうちのモットーだったはずが・・・
玄関先を子供(後で聞いたがララフェルだった)が駆けまわり、
それを妙齢のお姉さんが囃し立てる(それがあの戦士だと気づきたくなかった)
別な意味で「馬っ鹿~の」だった。
「何なんですか、アレは!」
蹴破る勢いでギルドハウスの扉を開ける。社長はいつもと変わらずに書類にペンを走らせていた。
あの騒ぎに乗らない辺り、意外と常識人なのかもしれない。
「昨日違法幻想薬の摘発があってね、報酬が渋かったから2,3本ちょろまかしてきた。」
「なんでその時アタシに・・・」
「君はドライボーンで修行中だったじゃないか。それにアレは違法品、アレで副作用がないのを確認してから市場に流すつもり。」
訂正、社長はどこまでも社長だった。
「君のことはモモディさんから聞いてる。だからこそ今は我慢して欲しい。」
「ちょっと良いかのぅ?」
酒場で声をかけてきたのは知り合いの老爺(だったもの)だった。
無言で席を引き、引っ張り上げる、ヒューラン用のサイズはララフェルには少し辛い。
「なんか最近申し訳ないように思えてくるんじゃよ。」
「チヤホヤされて、良い御身分じゃない」彼女の言葉は刺々しい。
「それが却ってのぅ」傍目にも判るほど弱ってるようだ。
「姿形が変わったら今まで築いてきた名声も一気にパァじゃよ。おまけに、幼女として扱われることが罪悪感でのぉ」
「じゃあもう1本飲んでリセットすればぁ。社長売る気だったみたいだし・・・」
「効かんかったよ。やはり違法はマズかったのぅ。」
幼女は隣の彼女の酒を煽る、このナリではおおっぴらには頼めまい。
「戻る気がないお前さんなら良かったかもしれんがのぅ」聞けば戻ろうとして全部使ってしまったらしい。
「人生を棒に振るのがこんなに辛いとは思わなんだわい。できれば嬢ちゃんも・・・」
「それでも、アタシは戻れないから・・・」
「なら正規品を待つんじゃな。まぁ、個人に合わせて調整するから時間はかかるかもしれんがの」
その次の日には全て元通りになっていた。どうやら効果時間が有ったらしい。
雑魚寝してたわけだから服がはじけ飛んでエライ事になっていただろう。
やっぱり慣れ親しんだ体が一番じゃのぅ、左頬に真っ赤な手形を付けた老爺はそう笑った。
社長は「嗜好品だったから戻るとは思ってたんだよね」とニヤリと笑った。流石あざとい。
「築き上げてきたもの・・・か。」
彼女名前はだんだん知れ渡ってきている。すべてを修めるものとして。
じっさい、苦手な術式でも中堅レベルに差し掛かろうかとしている。
「なら余計に急がないと」
ドライボーンでは死体砕きなどとも呼ばれ始めてきた。ここらで河岸を変えるのもいいだろう。
森の中ならグロイの居ないかな?彼女は全財産を鞄に詰めてドライボーンを後にした。