病室の手前で、軽く深呼吸をしてからゆっくりと愛菜の病室に入る…
由衣からは、あらかじめ状態は聞いていたが、それでも緊張感を消す事は、出来ない…
そして病室に居る愛菜は、ベッドの上半身が起こされた状態の姿で外を見つめていた。
病室内に入り愛菜の所に歩みよる
正「おはよう。起きてたんだね…」
愛「……」
言葉をかけても愛菜の表情は変わらず無表情のままだった…
まだ、愛菜の感情は戻っていない状態みたいだ…
部屋の端にある椅子を持ってベッドの側に置き正十郎はそこに座る。
愛菜は、こちらに眼を向けずに外を見つめたままである…
正十郎も愛菜と同じ様に外を見つめた。
正「今日もいい天気だね。」
愛「…」
無表情のままで、外を見つめる愛菜…
そして、正十郎は愛菜に問いかける様に言葉をかけた。
正「そうだ愛菜ちょっと散歩に出掛けようか?」
愛菜の返答がないが、それでも正十郎は、言葉を言い続ける。
正「車イス借りて来るから待っていてね。」
そう言って正十郎は、車イスを借りに病室を後にした…