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Veteran Mercenary

Sidh Malaguld

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妄想ジョブクエスト「魔界幻士編 EP2 岩と兄弟と怠け者」【8】

公開

 この日記は二次創作になります。
 独自設定並びに、独自解釈を含みます。
 また下記ネタバレを含みます。

 ・巴術/召喚士クエスト
 ・蛮族クエスト
 ・クリスタルタワー関連
 ・メインクエスト
 ・その他サブクエスト等



 また露骨なパロディーを含みます。

 ご注意ください。










---------------------------

前回までの3つの出来事 


 

 1つ、姿を現したセクレトとミノタウロスの化身!
 2つ、一心同体完全調和のコンビネーションに翻弄されるシドゥ! 
 3つ、敵の大技に力を使い果たすイフリート!!



---------------------------


  

 「グハァっ……!」

 ソウルクリスタルの輝きが失われていく。

 そして、召喚合体は解除され、変身が解けた。

 どうやら、イフリートの力を使い切ってしまったようだった――。


 

 
 「フッ、終わったな……二人で一人の魔界幻士、恐るるに足らず」
 「これが俺たちの完全連携、パーフェクトコンビネーションさ」

 ミノタウロスとセクレトと召喚合体したヤ族の兄弟がシドゥとク・ウガを嘲笑う。

 

 「クッ……地の利を得ているとはいえ、なんて力……!」
 

 「まずいぞ、ク・ウガ……」
 敵の攻撃を凌ぎ切ったものの、体力を使い切ったシドゥ。
 そして、彼に魔力を貸していたク・ウガも、その力を使い果たし、顔にも消耗がにじみ出ていた。
 
 

 「さて……とどめをさそうか……兄ちゃん」

 斧を抱えたセクレトの化身――ヤ・バズーが二人に近づく。
 が……。
 「待て、バズー、そいつらは生け捕りにする」
 兄のヤ・バダーがそれを制した。
 「そんな、甘いよ、兄ちゃん!」
 「……俺が間違った事言ったことがあるか? グ・ロンギは魔界幻士の知識について必要以上は明かさない……そいつらの知っている事を吐かせてからだ」
 「チッ……わかったよ」
 ヤ・バズーは斧を納めて、魔力で出来たチェーンを取り出した。
 「それなら……タップリいたぶるさ……」 
 ヤ・バズーは、再び、シドゥとク・ウガに近づく……。


 
 

 「ギ・ル! ギ・ル!」
 一方、ピックマン789ギ・グは、幼馴染のギ・ルの体を必死で揺すっていた。
 タイタンの拳に殴られたギ・ルは、ぐったりとしている。

 ――もう長くないかもしれない。
 ギ・グの目にもそう見えた。
 「なんーで……」
 「え……」
 ギ・ルが、何かつぶやいた。

 

 「俺……昔かーら、なんでーも、それなりーに出来た。 だけーど……特別じゃなかーった……何かひとーつ、自分だけーの、何か―が欲しかった」
 「ギ・ル……?」

 「おまえーは……なにもしなくてーも、仲間がいーた……ゾ・ガを失脚させたのーも、ビ・ビが好きになったのーも……」

 ギ・ルは、手を伸ばした。



 「おれーの……場所は……どこーに……」




 ギ・グは、それを握ったが、その手の力はほんの少しギ・グの手にこたえると、徐々に冷たくなっていく気がして、そして、握るの手の力は――完全に失せた。

 「ギ・ル!! ギ・ル!!」

 ギ・グが、叫んだ。

 と、ヤ・バズーがその様子に気が付いた。
 

 「……ハッ、無様だね」
 「おい、兄弟、止せよ」
 ヤ・バズーが、ギ・ルを嘲笑った。
 「他人を見下す事で自分を保って、自分の力も自覚しないで、身の丈以上の物を求めた報いさ……ざまあないね」
 「チッ……」
 弟の品性の欠けた行為に、ヤ・バダーが舌打ちした。


 すると
 「なんだーと……!」
 「あん?」


 

 「なんていったんだーよ……!」
 ギ・グが怒りを露にして、ヤ・バズーに言った。

 「ああん? 無様なコボルド族っていったのさ……それが?」
 「取り消せ―よ! ギ・ルは……悪い事をしたけーど、たーだ……みんーな欲しがってるものが欲しかっただけじゃないーか!」
 温厚なギ・グが珍しく声を荒げる。 
 「チッイラつくな……! コボルド族の底辺の癖に……!」
 「おい、兄弟!」

 「何が闇の住人だ! コボルド族をだましーて! こんなことすーるお前ーらこーそ、どこにーも居場所が無いんーだろう!」
 

 
 ギ・グが再び叫んだ。
 それを聞いた、ヤ・バズーが激昂する。
 

 「この……コボルド風情が、言わせておいたらさぁッ!」

 ヤ・バズーが、納めていた斧を構える。
 「よせ、兄弟!!」
 「このぉっ!!」
 ヤ・バズーは、ヤ・バダーの制止も聞かず、斧をギ・グに向けて、振り下ろす――。


 

 「ギ・グ!! 危ない!」
 「シドゥさん!?」
 ギ・グの危機に、シドゥが、重い筈の体を動かして、跳んだ。
 ギ・グを庇うように――。

 すると――。



 『子等の嘆きが……怒りが聞こえる……』

 何かの声を、ク・ウガが聞いた。
 

 「今のは!? ……祈り? タイタンの……!?」


 「この力は……!」
 ギ・グの前に立った、シドゥが、導かれるように手を翳すと、

 
 
 「なにぃッ!?」
 ヤ・バズーの斧がシドゥの掌から放たれた光に跳ね返された。 


 光の正体は、魔界幻士のソウルクリスタルが放ったエーテルだった。
 それは、ヤ族の兄弟が呼び出したミノタウロスとセクレトと同じ、地属性の力――。

 

 「シドゥさん! 信仰の力です……! 怒りが……地に生きるモノのとして誇りが、憤りが、ギ・グくんの、この地のコボルドの心にある、タイタンの力を呼び覚ましている! これなら行けます……! 新しい召喚合体が!」

 ク・ウガが、儀式の構えに入った。
 
 それを見たシドゥも、「アラガントランスベルトΦ」にソウルクリスタルを装着した。


 「行くぞ、ク・ウガ!」

 


 「召喚!」
 「合体!」


 

 「変……身!!」

 シドゥが叫んだ。
 すると、ベルトの光は、その輝きを増した。

 

 「ウオォアワアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 
 力の衝動に突き動かされて、シドゥは絶叫した。


 

 「ウェイクアップ! アラガントランスグリモアッ! フルジャンクション!」

 ク・ウガと、シドゥの力が共鳴する。

 
 

 「大地の怒りにて目覚めよ……今こそ!!」


 

 「ウオァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 
 ――すると、ベルトから、歌が鳴り響いた。

 『Bow down overdweller Bow down overdweller Bow down overdweller Titan!!』



 

 「邪悪なるものあらば、あらがねの鎧を身に付け、地割れの如く邪悪を切り裂く戦士あり、荷重圧殺! タイタンフォームッ!!」

 光と、祝福がシドゥを包み、シドゥはタイタンを模した姿へと変身した。 

 

 「なに!? タイタンの姿に?」
 「チッ……なにさ!」
 一瞬、その姿にたじろいだヤ・バズーだったが、斧を構えなおすと、タイタン・フォームと化したシドゥに斬りかかった。
 
 

 「フン!」 
 しかし、シドゥは微動だにせず、その斧を体で受けた。

 ガキンッ!

 「なに!?」

 タイタンフォームの肉体は、それ自体が頑強な鎧だった。
 如何なるものを寄せ付けず、そして大地のエーテルをも使い弾き返す。
 無敵の防御形態であった。

 
 「落ち着け、兄弟! 合わせるぞ!」
 見かねたヤ・バダーがレビテトの力で滑空し、シドゥに斬りかかる。
 「う、うん、兄ちゃん!」
 ヤ・バズーもまた、距離を取り直してから、シドゥに斧を振り下ろした。


 

 「そらそらそらッ!!」
 ヤ・バダーとヤ・バズーの攻撃が、タイタンフォームに降り注ぐ。
 

 「グッ……!」
 決定打に至らないものの、連撃が、徐々にタイタンフォームを押す。

 「グウォオッ!」
 と、シドゥが反撃に打って出た。

 ブゥン!!
 タイタンさながらの剛腕から繰り出されるパンチが、ヤ・バズーとヤ・バダーを襲う。
 しかし、大ぶりの一撃故か、一歩届かずに回避される。


 

 「……フン! いくら防御に優れていようと、それではな」

 
 「チッ、イフリートよりパンチ力は上がっているが、動きが遅くなっている
 シドゥが言った。

 (確かに奴らの攻撃を凌ぐことは出来るが、このままじゃ力を削られるだけだぜ)
 シドゥが、魔力を通じて、相棒であるク・ウガに語り掛ける。

 召喚合体している最中は、ベルトと魔導書を通じて、意思疎通が出来るのだ。

 と、
 (何か武器があれば……!)
 ク・ウガが返してきた。
 「武器!?」
 シドゥが声をあげた。
 (タイタンの剛力を活かせる、リーチの長い武器があれば!)

 「武器……! だが、こんなところに……!!」

 シドゥは周囲を見渡した。
 当然、コボルドの鉱山の地下に、武器らしいものがある筈がない。

 だが

 

 「冒険者さーん! これーを!!」

 ギ・グが、何かを投げてきた。
 ――採掘用のピッケルの様だ。
 

 「こいつぁ!!」
 「それでよけーれば使って! 半年前支給されたきり、一度も使ってない新品だーよ!
 「ハッ! 全くお前って奴は……! 借りるぜ!」

 

 「フン、そうな貧相なモノで何が変わるか!」
 ヤ・バダーが嗤った。
 だが、
 「それはどうですかね……!」

 ク・ウガが不敵に微笑む。
 

 「来たれ! 大地を支える巨人の刃よ!」


 

 
 「うおおおおおおお!!」
 
 ク・ウガが魔導書に力を込めると、ピッケルが、タイタンの魔力と反応し始めた。

 

 魔力を込められたピッケルは――タイタンの加護を受けて、その姿を変えた。

 


 「「完成!」」

 

 「「タイタンアクス!」」
 ギ・グのピッケルは、タイタンの加護を受けた斧へと変化した。

 

 「チッ、そんなものぉッ!!」
 

 「ウオオオオッ!」

 ヤ族の兄弟が、再びシドゥに迫る。
 しかし
 

 「フンッ!!」

 ――シドゥの斧が、兄弟の斧を薙ぎ払い、そして、彼らの身体を斬りつけた。

 「ぐあああッ!? くそっ速い!?」
 「……なるほどな、腕力をそのまま初速に変える射程の長い武器なら、足の遅さを補える、か!」


 切り付けられたヤ・バダーとヤ・バズーは間合いを取る。
 同じく蛮神の加護を受けた肉体は、鎧をまとっているに等しいため、致命傷に至っていない。



 ……だが、そこで、ヤ・バダーが思いもよらぬことを呟いた。




 「……兄弟、引くぞ」

 思わず耳を疑うヤ・バズー。

 「えっ!?」

 「兄ちゃん、何言ってんだよ!! まだ戦える、おめおめ尻尾を撒いて逃げるって言うのか!?」
 

 しかし、ヤ・バダーは続ける。

 「俺達の本懐は果たした。 セクレトとミノタウロス、ヘル・ブラザーズの力をベルトに定着させることができた、もう十分だ! ここは引くぞ」
 地属性のエーテルを吸収する自分たちと同属性の蛮神が相手――それは即ち、地の利が無くなる事と同義である。
 ヤ・バダーは戦況を冷静に見抜いていた。

 だが、

 「あんたは……」
 「……兄弟?」


 「あんたはいつもいつもそうやってェ!!」 


 



 ズガッ!!

 
 「…きょ…兄弟!?」
 


 ――ヤ・バズーの斧が、ヤ・バダーの肩を割っていた



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