穏やかな日々
でもその時は少しずつ近づいてきていた。確実に。それから、保護されて以来ずっと体を動かしてなかったせいか、
痩せっぽちの俺に、体力をつけるように言われてな。
このままじゃ冒険者としての仕事ができないと。
まぁ、やるわね。
そこから鬼のような訓練が始まった。(これは拷問というのか?)
断崖絶壁をよじ登らされたり、腰に重りを括り付けられて走らされたり、
時にはポポルさんの矢を避けることもやったな・・・
(しかも普通に矢だったぜ・・いつもほらほら避けないと死んじゃうよって笑顔でいわれてた・・)
その頃だな。山育ちの俺が泳げるようになったのは。
まぁ・・・軍隊式というか・・それはそれはとてつもない訓練だったよ。
普通に症状が悪化すると思うだろ?
ところが不思議と精神は安定してたんだ。
もう体は泥のように疲れ果てていたんだがね。
体力がついた俺はポポルさんと一緒にリーヴに行く機会があり、度々彼女の手伝いをするようになった。
順調に依頼をこなして、旨いもん食べて・・・。
そりゃぁ順調だったよ。恐ろしいくらいにね。
ただ、たまに・・その頃から頭痛というか耳鳴りというか・・・
たまに変な映像を見るようになった。
本当にたまにだったから、あまり気にせずに
ちょっと依頼をこなしすぎか、訓練のしすぎとしか思わなかったんだが・・・
あれが、超える力なんて思ってもなかったよ。
その力は俺の平穏を少しずつ変えようとしていた。