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エオルゼアお茶紀行(今更コラボティー考察) 2/2

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 めんどくさいお茶好きヒカセンのつらつらコラボティー考察。前編からどうぞ。



5. ドマ

 東方オサード小大陸の国ドマ。武士道や陰陽道を重んじ、雄大な霊峰と悠々たる大河を持ってひんがしの国にも距離が近い、豊かな文化と自然に恵まれた国である。しかしイルサバード大陸に近隣であることが災いし、ガレマール帝国の侵略を受け、第七星歴開始後しばしに解放されるまで13年間ほど属州となっている。
 文化は日本の要素を含みつつも中国的で、お茶はチャノキ由来の狭義の茶も、ハーブティーに類するものも、同様によく飲まれているようだ。気候は安定してさほど寒冷でなく、高い山が多く水源も豊富なので茶の大きな生産地があるようで、周辺で団茶が生産されている。
 団茶とは発酵させたプーアール茶に近い茶葉を板状に固め、輸送や取引に簡便なようにしたものである。丸く固めたものは餅茶といいこちらも同様に取り扱いがしやすい。これらはもともと行商人や遊牧民の間などで、輸送しやすい・輸送の間にしけらないなどの利点があるために普及・発展したものだ。ドマ近隣地域にはアジムステップがあり、ケナガウシの乳と塩や栗を入れたステップティーとして茶が飲用されているため、団茶は移動の多いアジムステップのアウラ・ゼラ系遊牧民のために生産されていたのだと思われるが、現在のエオルゼアでは広くクラフタースクリップ交換品になっているため、輸出のしやすさもあり生産量が多いのだとも思われる。
 ステップティーのほか、粉状につぶした抹茶(とはいえ原料が団茶で発酵させているので、日本の抹茶のように緑茶ベースのものとは味が違うと思われる)、シナモンとショウガを煮出したものにに干し柿を入れたドマ茶(韓国のデザート飲料スジョンガがもとと思われる)、蕎麦の実をザナラーン茶葉とともにに出した蕎麦茶など、お茶と呼ばれるものは広く飲まれている。何かと酒が飲まれがちなエオルゼア諸国に比べ、東方はお茶文化が非常に豊かだ。

 現実の中国では南北朝時代にはすでに茶が飲まれていたという記述があり、この茶は団茶だった。現在のように葉をそのまま残すような製茶方法がメジャーになったのは後の時代のことである。古くからの製茶方法がドマ周辺には残っていると思うと興味深い。中国は広く気候も地域によって異なるが、長江周辺やそれより南の地域は温暖多雨な温帯~亜熱帯気候で、米や茶の生産量が昔から多い。お茶に関連する文化が育ち、また茶葉が重要な輸出商材だった。ドマもおそらく同様であると思われる。
 推測ではあるが、帝国がドマを早めに征服した理由の一つはお茶を中心とした農業・自然資源が豊かであるからではあるまいか。ガレマール帝国のモデルの一部はロシアだと思われるが、このロシアはヨーロッパ諸国でお茶が流行るより以前から茶葉を中国から輸入し、喫茶習慣が強い。「ロシア人の行くところ、妻とサモワール(ロシア式のお茶を淹れる器具)がついてくる」と言われるほどである。特に語られてはいないものの、寒いガレマールではロシア同様に、長い冬の雪夜を温かい室内でお茶を飲んで耐えるということが行われていたであろうし、ドマからの団茶輸入量が多いためドマを抑えて貿易赤字を減らすなどということも考えついたかもしれない。
 現実にもイギリスと中国の貿易摩擦の要因となり、アヘン戦争やインド併合の遠因となるなど、お茶は実に歴史を狂わす飲みものである。

 以下コラボティーの説明文。

『東方の地 「ドマ」をイメージしてセレクトした紅茶は、世界三大銘茶のひとつに数えられる中国安徽省祁門県で作られる紅茶です。渋みの少ない穏やかな口当たり。かすかにスモーキーな香りと落ち着きのある味わい。ストレートでも美味しい銘柄ですが、しっかりと抽出してミルクティーにしてもおすすめです。』

 祁門(キームン)県で作られる世界三大銘茶といえばキームン紅茶。ダージリンが紅茶のシャンパンと言われるのに比して、「紅茶のブルゴーニュ」などと呼ばれることもあり、蘭や果物、蜜などを思わせる芳醇な香りを持つ。祁門県はもともと茶の栽培・生産が盛んであったが、中国国内の他地域の紅茶が海外で人気なのに影響され1870年代に生産を始めたところ、瞬く間に先行地域を抜いて有名になった。
 中国国内で生産される紅茶ということで、やはりドマは中国がイメージの中心の国という証左にもなるだろう。ダージリンなどと比べて中国茶らしく、またかなり丁寧な作り方のされるお茶で茶葉が大きいので、味はやさしめで茶葉が開いて成分が出るのに時間がかかり、抽出時間もよくある3分と限らず5分程度を要するものもある(TEAPONDのものは3分)。
 書いてある通りどんな飲み方もできるが、味わいがおだやかなので、甘すぎないドライフルーツなどを茶請けに無糖ストレートで中国茶的に飲むのが個人的には良いと思う。良いキームンは2煎目、3煎目も美味しく頂けるので、日がな一日中お茶を飲んで過ごすということもできる。ドマの雄大な自然を思い浮かべながらぜひ。



6. クリスタリウム

 第一世界最後の希望、クリスタリウム。光の氾濫によって罪食いが跋扈する中、突如として現れた水晶の塔の元に各地から逃れた人々が集い、塔の主「水晶公」を中心として生まれた比較的新しい都市だ。
 その状況ゆえに、住人は都市内部では安定して生活しているものの、周辺区域全体の環境としては非常に厳しい。まず、光の氾濫によって生物が住める土地自体がかなり狭まっている。数多くの生物種が同時に失われ、遠方の環境でしか生産できなかったような資源は軒並み入手できなくなっているはずだ。
 また、跋扈する罪食いにより、都市の外を大規模開拓して農地を作るなどといったことがとても難しい。ある事情により罪食いが少なかったと思われるコルシア島には農業を続ける地域も多いが、クリスタリウム近辺に関してはホルミンスター村で牧羊をしているくらいで他は見かけない。レイクランドの土地自体も痩せているのかもしれない。
 クリスタリウムはクリスタルタワーの技術とエネルギーにより防衛と発展を果たし、人々の努力も相俟って食糧生産や品種改良、商業開拓を行って、一度壊滅し希望を失った人類文明を元の姿に戻そうとしている。都市内での研究や農業は行われているが、やはり広い土地がないため、彼らのメインの産業は商業である。チャの生産が行われているかどうかは定かではないが、行われていてもあまり大規模ではないだろう。

 嗜好品が生産・消費されていないのかというとそういうわけでもなく、エールやクッキーなどの存在は確認されている。エールはミード(蜂蜜酒)とともに人類最初期からある酒と言われており、麦と酵母さえあれば醸造が非常に簡単で、場所もあまりとらずに作ることができる。クッキーも必要な材料は小麦粉とイーストで、これら麦と酵母は主食ともなるパンを焼くために普段から入用になることから、食料確保の段階ですでにつくられているため嗜好品への転用も容易なのだ。
 コーヒーも飲まれている。コルシア島でコーヒーが採れるためである。あの見るからに乾燥したコルシア島の崖の上がコーヒーの生育環境に適しているかは非常に疑問だが、実際に採集できるから採れるのだ。エーテルバランスの成せるわざなのだろう…。
 ではコルシア島のユールモアではどうかというと、アフタヌーンティーを楽しむ市民階級がいることから、チャノキ由来のものかはともかく茶の生産・消費はありそうだ。やはり環境的にコルシア島のほうが農業に向いているのだろう。茶の生産もユールモア自由市民の贅沢のために続けられていたに違いない。
 
 そんなクリスタリウムのイメージという茶であるから、一体どんなものが選ばれたのか、水晶の塔のようにクリアな感じのフレーバーティーなのか、どうなのか…と思っていたらなんとダージリンセカンドフラッシュだった。
 紹介文は以下。

『水晶の塔の下に広がる都市「クリスタリウム」をイメージしてセレクトした紅茶は、「聖人の場所」を意味する名前の茶園で、選りすぐりの茶樹から作られた銘柄です。黒く小さな茶葉はお湯の中で広がり、やがてセピア色の水色に。飲み込んだあとに余韻を残すウッディーで、落ち着きある焙煎香と芳醇な甘い香りが溶け合って、豊かな味わいと飲みごたえが楽しめる一杯となります。夏摘みダージリンならではの魅力あふれる飲み心地の銘柄です。』

 ネパール語で「聖人の場所」を意味する名前の茶園は、ダージリンのリシーハット農園のこと。夏摘みなのでセカンドフラッシュとなる。リシーハットはオーガニック製法に力を入れている茶園として有名で、日本人にも人気が高い。
 その年初の茶葉で春の雰囲気が強く、青さや爽やかさが出やすいファーストフラッシュに対し、少し時間のたった次の時期である夏に摘まれるセカンドフラッシュは、より成熟した紅茶らしい紅茶の味が出てくる。次の秋摘み・オータムナルはより穏やかになり甘みが出てくるので、香りと味のバランスや風味の力強さを求めるならばこの時期のものがおすすめだ。
 しかし、「聖人の場所」! まさに茶園ネーミングと都市イメージが結びついたセレクトだろう。そしてティーポンドの同紹介文がつけられている茶は2021年のDJ-118 ティッピームスク。ロットナンバーだけでなく特殊な名前のついた茶園の特別栽培品(スペシャルティ)なので相当質のいいものだ。
 水晶のクリアさを表現というならばファーストフラッシュのほうが良い気がするが、すでにグリダニアのイメージティーで使っているし、スペシャルティでとても良いものであるので、ここに持ってきたのだろうなあ…とお茶屋のメタなことを想像してしまう。実際美味しそうなのでぜひ飲みたい。茶園のスペシャルティは世界中の販売者で争奪戦になり、1ロットは基本100kgしかないので買い付けた販売者がほぼ独占ということになる。しかも農作物であるので、今後傾向が同じものは出来上がってきても、完全に同じものは二度とできない。買い逃したら終わりなのだ…。TEAPONDでまだ売ってるし普通に買おうかな…()



7. オールド・シャーレアン

 北洋の学術都市、オールド・シャーレアン。暁月のメイン都市であり、ここから新しい物語が始まっていく。
 またしてもになる感はあるが、このオールド・シャーレアンではおそらく、あまりお茶が飲まれていない。コーヒースタンド「ラストスタンド」があるように、飲まれているのは大多数がコーヒーのようだ。ラストスタンドの客席には紅茶と思われるお茶を用意してお茶会討論をしている者もいるのだが、あくまで富裕層の飲み物のようで、劇中描写ではやはりコーヒーが目立つ。
 茶よりもコーヒーのほうが、一般的に含有カフェインは多い。抹茶にして茶葉を粉砕した場合をのぞき、コーヒーのほうが抽出時に液にカフェインが出やすいのだ。シャーレアンは学術都市で、住民には賢人・研究者・教師・学生などの研究関係者が多い。コーヒーは眠気覚ましに使われていると思われる。
 調理師の製作レシピにも、シャーレアンがらみのものにお茶はなさそうである。代わりにスキールや賢人パン(ライ麦パン?)など北欧を思わせる料理が並ぶ。

 チャノキが生育するには一定の温暖さが必要だ。チャノキの種類にもよるが、あまりに寒すぎると育たない。現実では「北限はジョージア、南限はニュージーランド」(Wikipediaより)と言われ、おおよそ南北緯40度くらいの範囲となる。
 紅茶の消費が多かったイギリスで茶が自国生産できず、中国からの輸入やインド支配に頼った理由がここで、北緯55度くらいのイギリスやそれ以北の北欧諸国では茶は輸入に頼るしかない。
 ときに雪のちらつくオールド・シャーレアンは、暖流の関係で立地よりは温かいらしいが、それでもチャノキの栽培には適さないだろう。ラヴィリンソスでは研究のために気候が温暖湿潤に保たれていそうだが、あくまで研究用だから茶葉が販売できるほど生産されているとは思えないし…。
 とはいえコーヒーノキはチャノキよりもさらに温暖な気候が必要なのでこちらも輸入品だろうし、茶よりもコーヒーが好まれているのは単純にカフェイン含有量からなのではあるまいか。なにせ賢人パンが好まれる国である。嗜好品でさえも味わいよりも薬効を気にする者が多いのであろう。

 さてコラボティーの詳細。公式ページの説明文は以下の通り。

『学術都市 「オールド・シャーレアン」をイメージしてセレクトしたフレーバーティーは、天然のベルガモットの香りに、オリエンタルな果実の香りと華やかな矢車菊をブレンドした軽やかな味わいのアールグレイです。高原産の紅茶をメインベースしたすっきりとした口当たりと、甘くフルーティーな香りが心地よく余韻を残します。透明感あふれる飲み口は、アイスティーでお召し上がりいただくの にもおすすめです。』

 というわけで、やはりあくまで都市のイメージ中心でセレクトされているようだ。
 ベルガモットに果実と矢車菊ということで、トワイニング社発祥で有名になったアールグレイティーのバリエーション・レディグレイだと思われる(TEAPONDでのブレンド名称は「アールグレイ ブルーバード」)。レディグレイは1994年にノルウェーで販売が開始された比較的新しいフレーバーティーで、このノルウェーがスタートというところが北欧を感じさせて選ばれた可能性もあるかもしれない。
 茶葉は矢車菊の青い花弁が見た目にも楽しく、ベルガモットの華やかな香りながら飲み口はどこかさわやかで、アイスティーに向いているし砂糖やレモンを入れても風味が負けない。
 レディグレイという響きと、青い矢車菊から、どことなくアメリアンス・ルヴェユールを思わせもするかもしれない。ルヴェユール亭のお茶会に招かれたような、上品な気分で頂こう。

 以上、都市のイメージをどうお茶で表現しているのか、という部分に考察と思うことをつらつらまとめてみた。お茶が飲まれているかどうかもまた都市国家によって異なる中、何をもってその都市を表現するか?という工夫がわかって面白かった。
 まあめんどくさいお茶好きのつらつらなので、正確な知識でない部分も多々あるであろうし、そのへんは多めに見てください。
 結局何が言いたかったのかというと、

 再々販してくださいマジお願いします

 もう今年のダージリンファーストフラッシュ出ちゃってるしそんなことしてる場合じゃないのはわかってるんですがお願いします…買えなかったんです…たのむよクリスタリウム茶だけでも売ってほしいです…。
コメント(2)

Efi Tempest

Tonberry [Elemental]

大作執筆お疲れ様でした、エオルゼアで珍しく園芸士になったりしてたものねw
エオルゼア側の考察にしても、現実の茶葉の話にしても、どちらもガチ勢だなと思いました。
もしコラボティーが買えていたら、この文章は生まれてなかったのかもしれない……と思いつつも、買えなかったのは残念だったね。(私も何も買えませんでしたw)
再販来ますように!

At'ra Bhirman

Atomos [Elemental]

エフィさんありがとうです!ルサンチマン全開でかきましたよ…()ほんと瞬殺だったもの><
さいはんきますよーにー!
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