パンツ。それは、人類すべての至宝。
パンツ。それは、人類有史においていつ如何なる時でも人々の心を潤し止まない永遠のフロンティア。
我々はなぜパンツに惹かれるのか。答えは単純でだがしかし言葉にし難く、ただ、求めるのみ。
さて、この時点で私の清廉潔白なイメージを悉く粉砕し得るであろう前置きを読んで嫌悪感を催したならばそれはしごく正常な感覚であろうが私はそれでも挫けず信念を曲げない。なぜならパンツはそれほどに素敵だからだ。
世の中には、パンツに並々ならぬ情熱を抱く者がある。ただの眩しき白から素材とデザインにこだわった艶めかしいものまで。
男から女まで、世界の何十億という人間が、日々パンツをはいている。
ただの下着として着用する人あらば、己の価値にひと匙加える彩りとして身に着ける者まで存在する。
それは現実のみならずゲームでも。その昔、装備ごとに下着のデザインが変わるという間違った方向に情熱を傾けたMMOもあったものである。筆者もその情熱に心揺さぶられそのゲームを続けたものだが、世の情勢は隆盛から衰退へ。栄枯盛衰とはまさにこのこと。しばらく前に十数年という歴史に幕を閉じた。
パンツとは、それほどに重要なファクターなのである。
だというのにこのゲームはどうだ。デフォルトでは味気ないただの白き布。ものによっては黒だったりするが、それも墨汁を半紙にぶちまけたようなただの黒だ。
だがそれも無理はないと私もわかってはいる。なぜならば、このゲームはより多くの人、より幅広い世代に楽しんでいただくために、譲れない、踏み入れない領域というものを死守せねばならない。
より分かりやすく言うならば、色とりどり色気満載の下着に溢れSNSで画像を検索すれば目に映るはひたすら女性の尻ばかりでは、成人向けとみなされパッケージにはR18のお子様お断りマークを印刷する事態になるのは目に見えているのである。
世界に名を轟かす天下のスクウェアエニックスが巨額の費用を投じ、世界一金のかかるエロゲーを世界展開するなど私は見てみたいがそもこのゲームの責任者の方針はそうではない。
あくまでも、そう、あくまでもこのゲームは万人向けの健全なMMORPGなのだ。
そんなFF14において、なぜかミコッテ族女性のスカートはパンツ見ろよと言わんばかりに丈が短い。
これは単に煩悩まみれの我々を喜ばせるためにギリギリ許された範囲でのせめてもの情けかとも思えるが、
世界設定を記した書物によれば、ミコッテ族はその種族性ゆえに動きやすい服装を好むとある。
なるほどそれなら納得。むしろその設定をこれ幸いと安易にパンツをのぞき込める口実とした可能性も考えられよう。
だがしかし、それならばわざわざヒラヒラしたスカートではなく太ももをふんだんに露出したホットパンツでよいのではないか。
そんな疑問に対する、おそらく至極真っ当で生物学的見地からも満場の一致で拍手喝采を浴びること間違いなしの私の結論は、つまりこうである。
ミコッテ族とは狩猟民族である。その恵まれたしなやかな体でもって、そろそろと獲物に近づき電光石火のごとき俊敏さで一撃のもとに対象を屠る。
先にも述べた動きやすい服装を好むのはまさにこのため。
着目すべきはそこではなく、その前の段階にある。
つまり、獲物を見つけるまでの、そう、潜伏行動である。
狩猟において肝心なのは、忍耐、待つこと、潜むこと。
時には炎天下で何時間も身を潜めていなければならない。それはミコッテ族ならば当然備えているべき技能であろう。だが、いかに鍛錬を積んだとて抗えないものがある。
生理現象だ。
生物であれば欠かすことのできぬ行い。食べることあれば当然出るものもある。
長時間の狩りともなれば、数時間前に摂取したものが出るべきところから出るのは避けられぬ営み。
だがしかし広大な野の原。厠などという上品な設備はあるはずもなく。
地蔵のようにひとところに留まる必要がある以上、集落に戻ることができないならば、その場で用を足すほかない。
その際ひとは誰しも無防備になるのは現実世界の我々とてよく知っていることだろう。
男性ならば下半身の棒切れをぶっきらぼうに取り出せばよいだけであるが、女性は身体構造的にそうもいかぬ。
ここで身に着けているものがいくつかの手順を経ねば脱げないものだったならその瞬間さえ生死を分けることもあるのだ。
ゆえに、彼女たちはより素早くより手軽に問題を解決する服装を選んだ。
そう、そのための丈の短いスカートなのである。
ささっと下着を脱ぐだけで用を足すことができるし、最悪ちょっとずらせばなんとかなる。
日々の糧のため、己の身を最大限安定させるために彼女たちが選んだ理由も納得がいくだろう。
そう、ミコッテ♀のスカートが短いのは、用を足すのにもっとも適した服装だから、である。
下着が見えようと彼女たちは気にも留めない。むしろそれで悪鬼暴漢の目を逸らせて裏を取れればもうけもの。
このように、はた見邪なデザイナーによって邪な動機ではなく、そこにはしっかりと、綿密に練られた設定というものがあるのだ。
この答に至ったとき、私はえも言われぬ感動を覚えた。
さすがはスクウェアエニックス。さすがはFF14だ。ここまで考えてデザインされているとは。
私は感動に噎び泣き、今日も若葉マークのついたミコッテ♀のスカートを手を合わせながら拝むのである。
ここまで律儀に文章を読み進めた変態性癖のあなたと、そして日曜の夜に長々と教養にもならぬ駄文をしたためた私自身にひとこと贈り、締めくくろうと思う。
ばかだろ