Izanami Mikoto
Gungnir [Elemental]
表示する内容を絞り込むことができます。
※ランキング更新通知は全ワールド共通です。
※PvPチーム結成通知は全言語共通です。
※フリーカンパニー結成通知は全言語共通です。
1
Sharlayan Huntress
Carbuncle [Elemental]
2
Take Rebung
Kujata [Elemental]
3
Miya Albert
Chocobo [Mana]
「すぐ気づいたわよ?」
白髪に赤いリボン。アリゼーは事も無げに答えると、ティーカップに口をつけた。
別れの地。原初世界。ギムリトダーク。
再会の地。第一世界。アム・アレーン。
別れと再会の間に、私の姿は変わっていた。まるで、別人のように。それでも、彼女は私が私であることを、あっさりと受け入れた。その理由を、私は知りたかったのだ。とても。
そんな思いが顔に出てしまったのか、彼女はティーカップをソーサーに戻すと、つんととがった顎先に指を当て、「そうね……」と言葉を探す。
「改めて考えてみると、不思議よね。あなたの耳……というか、角? そんなにふわふわで、長くなかったもの。それでも、あなたを感じたというか……ヤ・シュトラなら、エーテルを視たとでもいうところでしょうけど……」
考え込むアリゼー。当たり前のこと……呼吸を意識することで、妙に息苦しくなってしまうかのような……それだけ、今の私を受け入れてくれているのだろう。嬉しかった。アリゼーは私の表情を窺うと、慌てたように付け加えた。
「それに、初めてのことじゃなかったしね」
……そうだった。彼女と初めて出会った時、私はヒューランだった。それから、アウラの姿に戻った後に再会して……驚かれはしたけれど、すぐに受け入れてもらったっけ。
「あの時も、すぐにあなただって分かったのよね。見た目って、そんなに大事なことじゃないのかもしれない。私はその奥にある、あなたの魂を視ているんだから……なんてね」
私が頷くと、アリゼーは「こほん」と咳払いして、居室の扉へ顔を向けた。
「そ、それにしても、遅いわね。二人とも、何してるのかしら?」
二人とはヤ・シュトラとリーンのことだ。今夜は私の居室でお茶会をするという約束をしていたのだが、アリゼーには集合時間を早く伝えていたのである。理由は、こうして二人の時間を作りたかったから。私はどうしても、アリゼーに伝えておきたいことがあったのだ。
ギムリトダークでの別れ。彼女の手を掴めなかったあの日。あれから、彼女は強くなった。見違えるほど。でも、危うさはあった。優しさ故の、危うさが。それでも、彼女は世界の剣として戦い続けるだろう。自らの身が、心が、傷つくことを厭わず。だから、私は──
「……どうしたの? 闇の戦士様に、そんな顔は似合わないわよ? ……私の剣にもね」
そう。私はあなたの剣。でも、それだけじゃ──
「まぁ、せっかくの機会だから、ちょっと言わせてもらうわね」
……え? アリゼーは腕組みすると、私をキッと睨みつけた。私は目をぱちくり。
「私はね。こっちに来てから必死に修行をしたのよ? あなたを追い越すことはできなくても、せめて横にはいられるようにってね。それなのに……再会したら、あなたはもっと強くなってるって、どうなってるのよ! 別れた時、あなた、ガンブレイカーなんてやってなかったじゃないの! サンクレッドもぼやいてたわよ? 俺の立場がなくなるって。それに、何だってそんなに大きくなっちゃうのよ! こう見えて、私だって……もう、信じらんない!」
アリゼーは一息でそこまで言うと、「ああ、すっきりした!」と言って笑った。……ああ、私は、その笑顔を守りたいと思ったんだ。心の底から。だから……。
「私、二人を呼んで来るわね」
立ち上がり、扉に向かおうとするアリゼー。私が立ち上がると、アリゼーは足を止めて振り返り、私を見上げた。……そう、あの頃は目線の高さも同じぐらいだった。あの距離の近さも好きだったけれど、あのままだと、これはできないから。
私はアリゼーに歩み寄ると、右腕を背中に回し……「ちょ、ちょっと!?」という声を無視して、左腕を太股に回し、抱きかかえた。ルナルが、ヤ・シュトラをそうしたように。
「……もしかして、このために?」
私が頷くと、アリゼーはそっぽを向いて「馬鹿」と呟いた。
※※※
「……かの水晶公が、覗き見とはね」
魔女の一声に、クリスタリウムの長はビクッと身を震わせた。
「あ! い、いや! その、差し入れを……ただ、扉が少し開いていたものだから……」
「それを覗き見と言うのよ。……リーン、見てらっしゃい」
「わ、私がですか?」
魔女の後ろに控えていた少女が、自分の顔を指さす。
「見たくないの?」
「……いきます!」
少女は素早く、かつ慎重に扉へ張り付くと、隙間から部屋の様子を窺う。
「……うわぁ、アリゼーさん、抱っこされて幸せそうです! ルナルさんに抱っこされてた、ヤ・シュトラさんみたいに!」
「それは忘れなさい!」
「いいなぁ……」
「あなたもお願いしたら? それとも、サンクレッドかウリエンジェの方がいいかしら?」
「そ、そんな、恥ずかしいですよ!」
「……そういえば、彼女に抱きかかえてもらいたそうな人なら、そこにいたわね」
「なっ! わ、私は、そんな……そんなこと……恐れ多い……」
──それから数秒後。扉が大きく開け放たれ、真っ赤になったアリゼーが、スプリントで走り去っていったのは、言うまでもない。