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決闘裁判のこと

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初めて見たときに私自身も「えー」って思ったし、
ストーリーで見たフレさんも「えー」って言ってたし、
最近は青魔のジョブクエでもちょと出てきたし、
最近読んだ本でも出てきたから。
知った範囲でのことを忘備とかも兼ねて書いておこうと思ったんですよね。
だいぶ長いんですが。

決闘裁判……ッッ!







決闘裁判の概要(?)は物語中でも描かれてましたけど…
イシュガルドで冒険者一行が異端審問かけられたときの解決方法がコレで、
訴えに不服のあった場合、決闘をして勝ったほうの主張が正しい!っていう、
今の価値観で見ると「えー」って感じですよね…。
青魔のジョブクエでも闘技場での勝敗でどっちが正しいか決める場面もでてきて、
人や共同体の一生を左右するようなことなのに、
なじょしてそげなテキトーなこつすっとね…て風味がします…。


どうしてそんな!?て感じですがっ!
決闘裁判は、リアルゼア?での中世欧州に実際にあった制度で、
明確な起源は不明であるものの、
決闘による立証は500~800年代にゲルマン系民族の間でみられた習慣ではあったらしく、
昔は公的な権力も薄い時代だったりして法律や裁判制度が未成熟だったこともあり、
共同体の中で何かあったときの解決方法が当事者間での暴力を含めた解決(自力救済)が
フツーに行われていたそうです。
(この当事者間での争い、ドイツでは後々まで「フェーデ」て形で合法とみなされました)

それに宗教的な概念がでてきてからの、いわゆる神明裁判(または神判)…
赤熱した金属を当てつけたり水に沈めたりするけど
アナタが正しい人間なら神様のご加護あるよね!…てアレですね。
そういうのが合わさっていったようで、
どうも本来の決闘裁判による正しさの証明は、
△ 勝った人間の言うことが正しいよ
ていうのではなく、
○ 正しい人には神様が味方するから勝てるんだよ
っていう順序みたいです。
(雇われの戦う人がいた例からそうとも言い切れないんじゃ?て論文もあるそうです)
このあたりのイシュガルドでの認識はどうだったんでしょうね??
少なくとも表向きには後者だと思いますけれども…。



さて、イシュガルドではタタルさんが戦う能力のない女性であることから、
代理闘士(冒険者)を立てることを求めて、それを認められています。

実際も未成年や女性、高齢者に関しては代理人を立てることが可能だったようで、
聖職者にいたっては年代によっては決闘を免除されていたりもしたようです。
(とはいえ聖職者も必ずしも決闘を回避できたわけでもないようですが)


…で、代理人立ててもいいのー?てなったとき、
皆思いますよね。代理人にゴリラ連れてきたらラクショーじゃん!って。

でもそれは当時の人も思ったようで、だれでも良くはしなかったようです。一応。
基本は「証人であること(証明を依頼された者)」とされたそうで、
狙ってそうだったかはさておいて、イシュガルドの時にはまさに冒険者がそうでしたよね!
そして少なくともイングランドでは雇われの代理人も”一応”禁止されてたようで、
(一方、ノルマンディーでは認められていたともあります)
雇われだと判明したときに処罰をもらうケースもあったそうですが…
先ほど”一応”と書いたのは、雇われかどうかの証明が難しかったらしく、
雇われ代理人の禁止は有名無実状態だったとゆー記述があってですねぇ…。
結局、ゴリラつれてきた方にハルオーネ様はニッコリしてたのかなって…。
や、この書き方だと冒険者がゴリラみたいですけど…。
(でもだいたい選択肢は脳筋ですよね)

ちなみに、イシュガルドだと、タタルさんが冒険者を代理闘士に指名してすぐ戦いになりましたが、
どうも宣言してから改めて日取りを決めて行うともあり、
その代理闘士が万一死んじゃった場合、
自然死だった場合は別の代理人をさらに選出できたそうですが、
自身の過失だった場合は代理人を立てた本人は敗訴とか、
なんかその辺の取り決めも色々あったようなことも資料には書かれてましたが……
見聞きしなれてない単語とか、
開催や決闘の見物にあたってもこまごまとした取り決めあったりして、
ちょとずれてるトコもあるかもですが…
もうアタマいっぱいいっぱいですうぇへへへ!



!!! 以下はほとんど余談です !!!


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イングランドにおける決闘裁判の導入と衰退に関して。
ウィリアム征服王の侵攻に伴って制度が導入された後、
中世前期後半~中期(特に11~12世紀頃?)にかけて訴訟の一般的な解決方法となったそうです。
多かったのは土地の境界に関する訴訟だったそうですが、
いきなり「訴えます!」「決闘します!」ではなかったようで、
他に証明のためとりえる手段がなく、
潔白が確かめられない場合に被告側が神判か決闘かを選べたそうですが、
土地が一定の価値以上の場合でないと決闘の許可がでなかった、ともあります。
ただ、神判に関してはちょいちょい教会内では批判はあったらしく、
1215年の第四回ラテラン公会議で聖職者が神判に関わることが廃止されてから、
神判は下火になったそうです。
…といっても、民間では支持されてた方法でもあったらしく、
教会の影響力の薄い地方では禁止が浸透しにくかったそうな。

一方で、決闘裁判に関しては神判の側面がありつつも、
教会としての関与が神判に比べて薄いところから、制度的にはもう少し残りまして、
14世紀のフランスの騎士、ベルトラン・デュ・ゲクランが停戦中に捕虜になった弟を解放するため、
イングランド側の騎士の求めに応じて決闘神判を行ったということも。
(「中世ヨーロッパの騎士」掲載のこのベルトランの話はとても面白いですよ~っ)
イングランドでは決闘や神判に代わる陪審制もできていたことから切り替えも早く、
決闘裁判も制度のみ残ってほどなくすたれていくのですが…
1819年に廃止されるまでは制度が残っていたンですよビックリ!
残ってた理由も「なんか伝統みたいなもんだし、やる人もなくて実害ないしなんとなく…」
だったようです…。(なお、廃止のきっかけが1817年の裁判で「決闘裁判やるまん!!!」「マッ?!このご時世で?!!」てなったから)

このへんから思うに、恐らく「蒼天のイシュガルド」が終わった後のイシュガルドでは、
決闘裁判自体も禁止の方向になるんじゃないかなーって気がしますよね。




さらに余談ですが「フェーデ」の話。
「自力救済」とも訳されてますが、相手から財産や名誉等の被害を被った場合に、
裁判等によらずに相手に対して報復行為をすることが合法とされていたんですが…
これが騎士に拡大解釈された結果ですね…
目があった相手に「ガンつけられた」くらいの勢いで難クセつけて襲って、
ふんじばって、身代金を要求する、
ていうのが横行しまして。
ホントはフェーデの実行前に、
「嘗められました、いついつポカっとします」て事前通知しないといけないのも、
次第に事後連絡になったりとか自由気ままになってきて、
特に金銭的に困ってなくてもフワっとやっちゃうという騎士もも少なからずいたらしく、
そういうフェーデを悪用する騎士は「盗賊騎士」とか呼ばれていきます。
実際困った人たちだから討伐もされたり(城でたむろしてたりした)、
何度か法令で取り締まりもされつつ、1495年の永久ラント平和令で完全に禁止されるまで、
といってもその禁止後もちょいちょい盗賊行為がみられたようですが、
ドイツでは10~16世紀くらいの長い間フェーデが続いていたそうです、ハイ。
ただ、丸っきり取り締まりの対象だったかというとそうでもなかったようで、
15~16世紀の盗賊騎士、”鉄腕”ゲッツなどは諸侯に上手く筋を通しながら、
自由にやってたのが自伝を読むとよくわかります(笑)
レイクランドのFATE、紫葉団のからみがちょっとこんな感じなのかな??
(ゲッツの様子見てると、大航海時代やリムサ・ミロンサにみる
「私掠」にも近いものがあるなーて気もするんですケド)




「軍人階級を管理監督する力を失った社会にあって、
粗野で暴力的な騎士たちは事実上野放しの状態であった。
しかし、この野獣を馴らし、引き具をつけようとする教会の努力によって、
ひとつの集団に帰属するという意識が彼らの間に芽生えてきた。
教会によって義務と規律が定められた組織に、
特別な忠誠心を抱くようになったのである。」(「中世ヨーロッパの騎士」P.13)

なんか騎士って昔は野生の生き物してたんだなぁって思う一文です(笑)






【参考】
「中世イングランドにおける決闘裁判」光安徹(1993)
「中世イングランドのおける雪冤宣誓(一)」加藤哲実(1984)
「中世ヨーロッパの騎士」(著)フランシス・ギース(訳)椎野淳(2017)
「中世への旅 騎士と城」(著)ハインリヒ・プレティヒャ(訳)平尾浩三(2010)
「鉄腕ゲッツ行状記」(著)ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲン(訳) 藤川芳朗(2008)
コメント(5)

Luna Rumis

Belias [Meteor]

神聖ローマ帝国では皇帝権力がよわかった?せいもあってわりと
ながくのこった慣習みたいですよねー
近代国家において自力救済が禁止されているのもこのあたりの歴史の
反省なのかなーなんておもっていたりします

Elia Mazurka

Gungnir [Elemental]

>Lunaさん
コメントありごとうございますーっ!
神聖ローマ帝国よく知らないので軽く調べたら、中世の間中、国内は策謀渦巻く群雄割拠な上にローマ教会とも仲悪くて、コレはだれもアテにならないなぁ、て…。
自力救済の禁止はまぁ仕方がないかなぁ…と思いますよねー…(ホロリ)

Pikori Nana

Gungnir [Elemental]

ウェカピポの妹の婚約者の決闘を思い起こさせたよぉ
祖先から受け継ぐ「鉄球」!

決闘裁判こわこわのこわ
そしてちょと物知りになったぴこりであった(とっても読みやすく解りやすくてすごぃ・・えりあさん)

Mary Kululu

Gungnir [Elemental]

え そんなことがw やばぃね
なんか アニメでもたまに出てきますけど実際あったんだwww
えりあさん深い(#^^#)

Elia Mazurka

Gungnir [Elemental]

>ぴこりさん
それが流儀ィィッッ!!
&読みやす&解りやすとのこと、ありがとうごじますっ!
裁判の決着方法としては衰退しても、個人の名誉を守る方法としては近代まで残ってますもんね
1967年のフランスでの決闘、今ではyoutubeで見られたりですよっ(’v’

>めありさん
えっそれでいいんだ?!ってちょいちょいありました 笑
私が初めて知ったのが、中世イングランドが舞台のミステリーの最終的な解決方法がコレで、
それでいいの???負けたらどうするの???wwwってむしろ笑った想い出…w
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