※サポート制度等、メイン関連軽度のネタバレ含みます
私の名前はリテ。
本当の名はリテルタリアと言うが、ある方の「じゃぁリテね!呼びやすいし」という一言でリテが定着してしまった。
そのある方に私は遣えている。
彼女はこの国で光の戦士と呼ばれている。
各国要人から国家や世界が危機に陥る度に召集、懇願され、自身幾たびも死線を彷徨い、だが最後には生きて解決する。
私はリテイナーとして、伝説の戦士を支える者として、誇りを持って彼女に遣えている。
いるのだが。
「リテー、小1時間で掘り出し物探してきてよー」
そんな都合の良い掘り出し物があるわけないだろう!…いやあった。見つけてしまった。
「やるじゃん!ありがとう!じゃぁ次はこの鉱石を1日取れるだけとってきて欲しいんだけど〜」
この人は私を何だと思っているのか。
そんなある日、私は彼女にトップマストの自宅へ来るように言われた。
ロビーに着くとニコニコ顔で待ち構えながら、「呼び出してごめんねー」
「どうしたんですか?自宅に呼び出すなんて珍しい」
白を基調とした明るめの内装を、私は密かに気に入っている。
「実はさー、ここで喫茶店やろうと思って」
…「は?」聞き間違いだろう。
「喫茶店だよ、カフェだよカフェ!いやー最近色んなお店見てたらどこも素敵でね、自分でもやってみようかなーって!だからリテも...」
彼女は何かを話し続けていたが、私の耳には届かず、ただ今までため込んでいた思いが自分の意思とは無関係に溢れ出た。
「私はっ!あなたのメイドになる為に遣えているのではないっ!」
背負っていた槍を手に取り床に叩きつけ、その場を後にした。
恐らく呆気に取られていたのだろう、ロビーのドアを開け出ようとする時背中から声が聞こえた。
「ちょっと待って、リテ話を聞いて!」
あの光の戦士が、こうも慌てるのか。
私は薄暗い小さな喜びを感じた。
それから一ヶ月、私は旅に出た。
偶にはエーテライトを使わない、自らの脚で旅をすることもまた楽しい。
ただあの方に貰った槍は取りに戻っていないので、以前のハイスチール製のものを使っている。
最も長く使っている愛用品の筈なのに、何故かしっくりこない。
旅を充分に満喫し、私はグリダニアに帰国した。
青狢門のベルテナンから、
「久しぶりだな、リテ。冒険者が探していたぞ。トップマストの自宅まで来て欲しいそうだ」
今更何だと言うのか。
私は少し戸惑いながらも、トップマストに向かった。エーテライトを使えばミストヴィレッジには直ぐに行けるが、気持ちを整理したかったのでランディングを使い向かうことにした。
彼女の自宅に着き、来訪を告げる。
「リテ、おかえり!」
いつもと全く同じ笑顔の光の戦士がいた。
ただ衣服はメイド服だが。
「その、この前はごめんなさい」
伝説の戦士が私に頭を下げて言う。
「このカフェはね、リテもリラックスできる場所にしたいんだ。だから、ここでリテが働く必要はないんだよ」
はにかむ彼女に、
「その… 私の方こそ感情的になり申し訳ありません」
気づけば2人で頭を下げあっていた。
その後は以前と同じ、いやそれ以上にお互い気を使わずに話しあえた。
私が投げ捨てた槍も、より強化され私の手元に戻ってきた。
やはりこの槍がしっくりくる。
彼女に言われ、ソファに座り客として過ごすことになった。
接客中の伝説の戦士はいつも以上に笑っていた。
戦闘中も笑いながら戦っているが、やはりこの人は少しおかしいと思う。
正直に言うと、私も楽しかった。
初めて会う人との他愛も無い話も、とても新鮮に感じる。
ただここに来る客はベツノセカイセンノ光の戦士らしい。
私にはよく分からなかったが。
営業が終わり、片付けを少し手伝った。
報酬は彼女の入れたコーヒー。
お世辞にもとびきり美味しいとは言えないが、何故かほっとする味だ。
「どうだった?楽しかった?」
「不本意ながら、はい」
彼女は笑いながらそっかそっかと頷いていた。そして、こう言った。
「じゃぁ1ヶ月分の掘り出し物、行ってこよーか!」
私は立ち上がり、怒りに震える声でウルブズジェイルでの決闘を申し入れた。
当然負けたけどな!
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※喫茶カフェモナ、不定期で皆様のご来店お待ちしておりますw