「こんちわー」
「ちわー」
「こんちゃ!!」
FC設立から数週間、
マスターの呼びかけにより急速にメンバーが増えていった。
「ゆきさ~ん!!」
「ん?どうした?」
「今ね、グランドカンパニーから連絡があって、FCランクが最高値になったって!!」
「おぉ、たしか家を買うにはFCランクが関係してたね」
「うん。これで今区画整備している土地に家を買うことができるね」
エオルゼアでは、FC専用住居を供給するべく各地の区画予定地が急速に開拓されている。
この区画は全て未開拓地であり、今まで冒険者が立ち寄ることもできなかった場所である。
そうなれば、どんな場所なのか?どんな家を建てられるのか?私たちの夢は広がるばかりだった。
これで一つ目の目標は達成できる!!
俺は小さくとも着実に進んでいる今に満足していた。
今まさに生まれようとしている自分の影に気が付くことも無く・・・。
~数週間後~
「FCを分解しよう・・・・」
様々な相談をメンバーから受け、オフィサーと苦渋の決断を下した。
「俺が分解先のFCをつくる。そっちは現FCを継続してくれ」
「分かりました。でも、それだとゆきさんがマスターになって、印象悪くなりますよ」
「現状で進むより、俺一人で負えるものなら最小限の被害となる選択肢だよ」
「じゃあ、こちら側は僕に任せてください」
「おぉ。よろしく頼む!!」
・・
・・・・
・・・・・・
ドクン・・
俺の中で何かが生まれる・・。
(自分が責任を負うなんて本当に思っているのか?)
(本当はお前がマスターになりたかっただけではないのか?)
(しばらく俺が見届けてやろう・・・)
「!?」
そして俺は【Aile do Reve】のマスターになった。
1からのFC立ち上げだったが、既存メンバーが居たお陰で
メンバー勧誘や攻略等に困ることはなかった。
一ヶ月もしない内に8人PTをFCメンバーで組み、バハ攻略まで行けるように
なっていった。
しかしFCが安定するのと比例するように、俺の闇は深くなっていく・・・
(これで満足か?)
(同じ過ちを繰り返さないと何故断言できる?)
(さあ、始めようか・・・くっくっくっく)
それから数カ月後・・・
突然?いや・・前兆はあったのだろう・・・。
一つ一つ積み上げていったブロックは、音もなく一瞬で崩れていった。
土台が崩れると崩壊は一瞬である・・。
数ヶ月という短い期間でFCを解散する事となった・・・。
土台は崩れたのか?それとも崩したのは俺か?
最終決断をしたのが俺であれば、崩したのは俺ではないのか?
・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・・・
これまで当たり前の様に差し込んでいた光細くなる・・。
ゆっくりと扉を閉めるように、そして扉の淵をなぞる様な光を最後に全てが闇に包まれた。
(お前は罪のないメンバーからFCを取り上げた。)
真っ暗な闇のどこからか声が聞こえてくる・・・。
(その槍は暗黒槍とも言うべき代物だな・・)
(振るうほどに味方を傷つける・・・次は自分の番だ!!)
身体が地面に叩きつけられる!!
暗闇の中で天地左右が分からない筈なのに、確かに俺は背中から地面に押し付けられるように
感じる・・・。
重い・・・
重力が何倍にも感じる・・・。身動きが取れない・・・。
必死になって起き上がろうとしたが、すぐに諦めた。
「なにを今更・・これ以上あがいてどうする・・。」
「これが俺の受ける報いと受け止めよう」
諦めた身体から力が抜ける
のしかかる重力は増していき・・・呼吸も苦しくなっていった・・・。
「俺は光の差す場所には戻らない・・・。ここで終わりにしよう・・・」
額が熱くなる・・・何かが焼き切れるような感覚に襲われる・・・。
熱い・・・額が熱い・・・
「ゆ~きさん!!あそぼ~!!」
「早く起きろよ寝坊助!!」
「あはははははっ!!!」
目を開けると3人のララが俺にまたがっていた・・重い・・・。
「ほ~れ。起きないとグリグリしちゃうぞぉ~」
一列に並んでまたがっている先頭のララが杖を俺の額に当てている。
そして火起こしの様にグリグリと擦る・・・熱い。
「あははははっ!!おでこから煙出てきたぁwwww」
真ん中のララが腹を抱えながら大爆笑。
最後列のララはご丁寧に足をガッチリ抑えてくれている・・・逃がさない気か!?
しかもあいつは怪しげな魔導師が販売していた幻想薬を飲んだな・・・
明らかにサイズが縮んでやがる・・・。
「ゆきさ~ん。なんか言わないと頭に穴あくぞぉ!!」
・・・いや、何も言わないのではなくて重たすぎて声にならないんだが・・・。
「よし、みんな~!離脱!!」
先頭のララの掛け声と共に俺とベッドの反動を利用して後方へジャンプ!!
見事なまでに3人は着地を決めてご満足気・・・。
「さてとご報告に参りましたぁ~!!」
→つづく