これは数年前のできごと…
あの頃の僕は彼女に仕えていた。
ある日、彼女に素材の調達を頼まれ
色々な場所を練り歩きながら
ずっと考えていた…それはその素材が
エターナルリングを作るための物だったからだ
そして頼まれた数は2つ作ることのできる量。
誰に渡すのだろうか…
でも、それで彼女が幸せになるのなら…
そんなことを想いながら
素材を調達し、重い足取りで帰路につく
不思議と疲労感は無かった。
が、ものすごく気持ちが重かったのは
鮮明に覚えていた・・・
グリダニアに着き
マーケット前に急ぐと
彼女の姿がそこにはあった
「おかえり!おつかれさま」
まんべんの笑みで
そう微笑みかけてくる彼女に
「ただいまもどりました」
なんて返事を返す
きっと僕の顔は笑っていなかっただろうに
それでも彼女はいつも通り笑顔で居てくれた
そして素材を渡してすぐ
また、探索へと足を運んだ
頼まれたわけでもなかったが
そこに居るのが辛かった
18時間という長い時間が
まるで一瞬に思えるくらい
探索にのめり込んだ
だが、どれだけ戦っても
僕の体力が尽きることはなく
むしろその多くの経験が
僕をさらに成長させた
いつの間にか考える事をやめて
彼女の元に戻る事を決めた
彼女に仕えるのも
おそらくこれで最後だろう
祝いの物は何が良いだろうか
そんな事を思いながら採取した
花束を抱えてグリダニアに戻った
その日の夕方に彼女に呼ばれ
ラベンダーベットへと足を運んだ
そこにはいつもと変わらない姿で
頰が少し赤くなってる彼女がいた
その姿を見て
「上手くいったの?」
なんて、引きつった笑顔で微笑む僕がいた
でも、そんな言葉を聞いていないかのように
「これをずっと預かってほしいの」
真っ赤になりながらそう言って
小さな箱を突き出してくる彼女がいた
そう、それはエターナルリング
突然のことに何も言えない僕をみて
少し笑いながら
「これからもずっと…」
「私だけのリテイナーでいてね」
そう言って小走りで逃げるように
走り去る彼女の姿を
今もまだ鮮明に覚えている
fin