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死を招く美酒 1

公開
それは、コスタ・デル・ソルの何気ない会話から始まった。

「ふう〜、今日は雨とは、やれやれじゃのう〜。こう言う時こそ、かわい子ちゃんをはべらせて、美味いワインを…といきたいところじゃのう〜」
『はぁ……』

気の抜けた生返事をしながら、俺は今回の依頼主のゲゲルジュ翁の話し相手になっていた。
話し相手…つまり冒険者がなかなか来なくなって久しい為、その寂しさを埋める為に、話し相手になって欲しいと言うやつだ。

子供か……

と、思ったがそこは堪えた。
頼まれたら断るわけにもいくまい。

「ところでヴェイン殿はお酒は飲める口かの?」
『いえ…俺はあまり酒は…。嗜む程度には飲むくらいで』
「ほほ、これはまた意外じゃのう〜。てっきりよく飲むタイプかと思っておったわい」

これはよく言われるが、あまり酒は得意じゃない。
味の良し悪しは理解は出来るし、ウィスキーとミード(蜂蜜酒)は少しずつ飲んでいる。

「しかしあのダルマスカワイン…もっと飲みたいのう〜。なんとかならんものかのう〜」

ー無茶を言うなよジジイ。ー

流石に言葉を飲んだ。後が怖いから。
しかし、ダルマスカワインは、一度飲んでみたい気もする。
一体普段料理酒として用いているワインとはどう違うのだろうか?調理師の端くれとして、そこは興味が有る。

「そう言えば、この前ウルダハから行商に来た者から面白い話を聞いたのじゃ」
『面白い話?』
「そうじゃのう…お主、酒にまつわる様々な話を聞いた事は無いかの?」

勿論聞いた事は有る。
酒は勿論、様々な食材の流通の歴史は数多だ。
それは交易だったり、戦乱だったりと様々だ。
そこ辺りの歴史はあまり詳しい方ではない。
だが、調べると新たな観点が垣間見えるのも楽しかったりするものだ。

「そうじゃなあ。例えば、もしこの世に製造の方法または素材が無くなってしまったワインが見つかったら、お主ならばどうするのじゃ?」
『…それは何かの頓智(とんち)ですか?』

あまりの唐突かつ妙な質問に、俺は首を傾げた。
が、すぐに答えた。
そんなのが出て来たら、間違いなく競売に出すかもしれない、と。

「それが曰く付きのワインだとしてもかの?」
『曰く付きのワイン?』

美酒と言うのは、年月が経てば経つほどその味は深くなる。
そしてそれは素材は勿論、気候環境やエーテル環境も関わってくる。ラノシアのワインポートが良い例だろう。
だが、中には『絶滅』(消滅とも言う)してしまった美酒もある。
あるいは醸造所、あるいは樽の木材、あるいは素材等様々な要因が有る。
今苗から育てているバッカスの酒の原料素材のバッカスグレープが一例だ。
もし仮定としてそんな『絶滅』した美酒が発見されたとしたら、間違いなく大騒ぎになる。
競売に出したら巨額のギルは動くだろうし、下手をしたら戦禍が起こる可能性もバカには出来ない。

「グリダニアにそんなワインの存在が有るとか無いとか…
有ったら飲みたいのう〜」
『グリダニアに…?』

向こうはむしろミードとムントゥイ豆で造られたエールが主流だ。ワイン造りはされていなかった筈…どうなっているのか?

「まあ、あの霊災で全て破壊されてしまったから、眉唾だと思うがのう〜」

霊災。
その言葉に、俺は眉を動かした。
なるほど第七霊災…確かにそれなら頷ける。
しかし、かつてのムントゥイ醸造庫は影も形も無い。
一体どこからそんな噂が芽を出したのか…
とは言え、こう言う話は必ず何かしら有る物だ。
今日のところは宿を取り、グリダニアに戻って調べてみる価値は有ると思った。
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