ついに降り出して来た雨が胸をざわつかせる
青い刺青の男「ゼウリンは逃がしたが、代わりにお前たちに生贄になってもらおうか」
シュテールヴィルンの部下「ひぃー!」
3人の刺青男に囲まれ悲鳴を上げているだけのシュテールヴィルンの部下
頭を抱えて震えるばかりか、祈るようなポーズを見せる
青い刺青の男「おっと、他にも生贄になりたいやつが来たようだな」
「だれが生贄になるもんですか!」
カー君とともに駆けつける
青い刺青の男「威勢のいい事で、どこまで虚勢が張れるかな?」
そういいつつチラッと横を見る
その先には黒いマントの男が立っていた
フードをかぶり顔は見えない
いったい何者?
黒フードマントの男は頷くと
刺青の男たちが襲い掛かってくる
「ふん、威勢がいいのはあんた達でしょ
こっちはあんたらじゃ及ばないようなのを相手にしてきたんだからね!」
その言葉を合図に駆け出すカー君
刺青男達を引き付けてくれている
カー君を支援しつつ、あたしもルインで応戦する
1人また1人と順調に倒していく
最後の1人が黒フードマントに助けを求めるようにそちらへ近づく
黒フードマントの男「лизГШЮёж」
なにを言ってるかよく聞き取れなかったけれど
呪文でもなければ言葉とも思えないような声を発した
それに呼応するようにあたりの岩が集まりだす
それを見て刺青男はニヤリとして
走り去っていく
「ちょっと!なに!?こいつ!?」
岩は寄り集まってみるみる人型に変容していく
うわさで聞いた事がある
こいつがゴーレムっていうやつ!?
「カー君!」
こんなのを操るなんて、あの黒フードマント何者!?
そんな事を思っている間にも、さっきの一声で
カー君はあたしにゴーレムが行かないように引き付けてくれている
カー君の攻撃もあたしのルインも
効いているのかいないのか
ゴーレムにはまったくダメージを与えた手ごたえがない
操り人形だから!?
ダメージそのものは感じてなさそうだし
まったく、なんでこんな事になってるのよ
とんでもない相手だというのに雨はどんどん激しさを増していく
容赦ないゴーレムの攻撃
「こんのー!」
必死でルインを唱えていく
カー君もあきらめずに攻撃の手を緩めない
ゴーレム「ごぁああああああああああああああああ」
ゴーレムの雄叫びが響き渡る
「カー君!」
とっさの呼びかけに反応して飛びのく
「くっ!フィジク!」
カー君を回復するも
ゴーレムのトゥールグリットが襲い掛かる
「回復が間に合わない!」
今の攻撃がかすっただけなのにカー君は大きなダメージを食らってしまう
息も上ってきている
「もー!なんなのよこいつー!」
そんなやばい真っ最中に
また頭にあのときの声が響いてくる
???「・・て、・・て、・・て・・・」
???「・いて、・じて、・えて・・・」
???「聞いて!、感じて!、考えて!」
だれ?なんなの?この声!
あの時とは違う、はっきりと聞こえる
でもあのときのようなめまいはしない
「フィジク!」
聞いて?感じて?考えて?
聞く・・・
カー君の息遣い、思い
伝わってくるこれが聞くと言う事?
感じて・・・
ゴーレムの攻撃、動き、振動
冷静になれば感じられる相手の動き
これが感じると言う事?
考えて・・・
考える、ここで負けないために
カー君を死なせないためにどうするか!
考えろ!あたし!
こんな所でやられてたまるもんか!
がこっ!ガラガラっ!
そのとき不意に聞こえた音
ゴーレムの腕がもげ落ちる音だった
「いける!手ごたえじゃない
操られてるということは、その糸を断ち切ればいいんだ!」
見えない糸でつながっているものを切って行けば
きっと倒せる!
息が上っているのにこちらをチラッとみてカー君が頷く
「追い込みかけるよ!フィジクっ!」
たたみかけるようにコンビネーションで攻撃を続ける
もう片方の腕も崩れ落ちる!
「あと少し!」
その時ゴーレムの胸元にある何かに気づく
きらりと光る何かが見える
「カー君!あれがきっとコアだわ!一点集中!!!」
2人で集中攻撃を仕掛ける
ゴーレムはやっと動きを止める
「これで最後よ!ルイン!!!」
ルインの光がゴーレムの胸を貫く
雷がひときわ大きく鳴り響く
それに合わせた様に、叫び声のようなものをあげて崩れ去るゴーレム
「はぁ・・・はぁ・・・」
やっとの思いで倒せた
カー君とその場でへたり込む
「やったねー、もう疲れちゃったよ」
仰向けになって転がってしまったカー君も
そのまま頷いてくれる
激しい雨の中つかれきったあたし達は
黒フードマントの男の事なんてすっかり忘れていた・・・