当記事は、RPイベントのセッションを元に、
ストーリー風に物語を書き起こしたリプレイ兼、RPストーリーです。
苦手な方はご注意ください!
https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/character/12662472/blog/4686470/参加者
■参加者様:
Girouettaut Laurent(ヒュルベルト)
T'latte Tia(三つ凪の子),
Taniha Molkoh(カノ)
また、ver5.xシリーズのストーリー内容を含みますので、5.xパッチの上のストーリーが未プレイの場合はネタバレの可能性がございます、ご注意願います。
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山道を行こうとする我々に向かって、罪喰いたちが襲い掛かってくる。
だが。
『我が手に宿りし天の火よ────』
『祈りと呪いの下、一点で爆ぜよ!』まず、カノの魔法が罪喰いたちを蹴散らした。
そして、散り散りになった敵を各個撃破。
それでも残ったものは、私が注意をひきつけ、その間にヒュルベルトと、ミツナギが止めを刺す。
先ほどからこの戦法で幾つもの罪喰いの群れを退けた。
数は多かったが、一つ一つの罪喰いの力はそれ程ではなく、私達は思った以上に順調に足を進めていた。
「まだまだ、こんなに居たとはね」
が、私は罪喰いを狩りながら、何か違和感を感じていた。
――違和感の正体に気が付いたのは、ヒュルベルトが言った一言だった。
「ホルミンスターで見た村人みたいだ。罪喰いが」
ホルミンスターの惨劇は私も知っている。
あそこでは多くの人が犠牲になり、罪喰いと化したという。
私かに、先ほど私達に襲い掛かってきたのは、人が変化したタイプの罪喰いだ。
夜が戻った今、人間が罪喰いになる事例は減少の一途を辿っていた。
その人が変化したタイプが此処では群れて襲ってきている。
つまり――以前罪喰いにされて、今まで彷徨っていた、哀れな人たち、ということだ。
(まさか、ホルミンスターの住人の成れの果てまで此処に?)
しかし、罪喰いは人型の物だけではなかった。
「……さっき襲い掛かってきたのは、あれは獣の形をしてた」
「うん」
(きっと、あれはラケティカの森やイル=メグに居た獣が罪喰いに変わった奴だ……)
となれば”傲慢”は、ノルヴラント中に残った、はぐれ罪喰いを此処に集めてきたのかもしれなかった。
まさに、大罪喰い如く振る舞う”傲慢”の面目躍如といったところだろう。
(もしや)
と私はふと思った。
(”傲慢”のやつ、力を失いつつある仲間を集めて、一致団結でもしようとしたのかな?)
また、愚かな考えが浮かんできた。
罪喰いがそんな事をする筈はなかった。
もしそうだとすれば、罪喰いの分際で、とんだ傲慢な所業だ。
(でも残念、君たちは、もう、私達に狩られるだけの存在なのさ――)
夜が戻った、今となっては。
「てぇーいッ!!」
私は咎人の剣を掲げ、罪喰いの群れに斬り込んでいく。
襲い来る罪喰いの群れを蹴散らしていくと、やがてその勢いは徐々に引いていき、道中が俄かに静かになった。
――もう、終わりか? と思った矢先。
「……なんだあれ」
ミツナギが眼前に何かを見つけた。
白い、固まり、という他なかった。
それは建物にも見えた、レンガ作りや、石造りの様な。
それでいて、それは仄かに光を放っていた。
「……まるで結晶…ですね」
ミツナギは恐る恐るそこに近づく。
「やっぱり周囲の環境を変えてるのか……?」
私もミツナギと並んで、それに近づく。
これは果たして、ドン・ヴァウスリーが残したものか。
それとも七罪の影響によるものなのか――将又両方か。
「ん……?」
ふと、その”白い結晶”が、光を増したように見えた。
「……忌々しい」
その光の正体に、カノが気が付いたようだった。
「ひえ」
「うわ」
ヒュルベルトとミツナギがとっさに距離を取る。
私は逆に近づいて抜刀した。
白い結晶は、形を成した。
私の背丈の二倍はあろうか、壁に埋め込まれた、腕と頭だけの巨大な姿――。
「うん、うん。罪喰いかな」
ヒュルベルトも抜刀した。
どういう仕組みかは分かりたくもないが、この四角い塊は、”罪喰いのカケラ”のような物らしかった。
「倒さないと……か!」
私は剣に力を込めて、”影の邪法”を解き放つ。
「――アンブラスマッシュッ!!」
無念と憎しみが込められた”咎人の剣”が罪喰いの身体を切り裂く。
だが、大きいだけあって一撃では仕留めきれなかった。
少し、厄介かな?
しかし、今、私は独りではない。
「まっすぐ」
ヒュルベルトが言った。
彼は剣を正眼に構えると、罪喰いの剛腕を交わし、その顔面を切りつけた。
「うん、うん!」
まっすぐ――とは、自身の剣のことか。
それとも、その後ろに控えた、ミツナギの呪文の事か。
――ミツナギの魔法は一直線に、ヒュルベルトの切り裂いた傷口に飛び込んでいった。
見事な、連携だった。
「ミツナギも、動けるようだね」
先ほどの手傷を負ったのがウソのように、ミツナギは、その術を駆使していた。
罪喰いの傷口の中で、爆ぜる魔法。
体の内側から焼かれる罪喰い、流石にこれは効いただろう。
罪喰いは動きを止めたかに見えた――だが。
(なんだ!? 傷口が埋まっていく!?)
なんと罪喰いは周りの”結晶”から、自分の身体の部品を作り始めていた。
――しぶとい奴だ。
なら、今一度、渾身の力を込めた”影の邪法”で仕留めるしかない。
すると……。
「もう少し動けるようにしてやろう」カノが私の方を見て、微笑んだように見えた。
「仕留めてこい!」カノの、焔のような加護が私を再度包む。
「さすがだね」
私はカノに破顔して見せた。
今度は、チャンスを逃したりしない。
「影の邪法に手を染めようとも……アンブラスマッシュッ!!」
私は、ミツナギとヒュルベルトのあけた傷口を抉るようにして、影を帯びた邪剣を突き刺して、”こじ開けて切り裂い”た。
カノが不敵な表情をした気がした。
邪剣は罪喰いの肉体を切り裂いた――そして、カノの熱を帯びた剣で切り裂かれた為か、その傷口は布に火が移ったように燃え広がり、傷口が塞がることを決して許しはしなかった。
やがて、傷口は塞がるどころか大きくなり、ついに罪喰いはその動きを止めた。
――ああ、いいね。
燃えてしまえばいい、罪喰いは全て。
やがて、罪喰いは自分の肉体を維持できなくなったのか――どんどん罪喰いの形は崩れていき、後には結晶で出来た奇妙な建物のような物だけが残った。
「良い、良い。良く馴染む。炎と名乗るだけのものが加護を与えるものだな」私と、咎人の剣を見たカノが笑って言った。
私はカノに笑い返した。
同感だよ、私達も、もしかしたら、いいオトモダチになれるかもね。
残った白い結晶で出来た建物は先ほどよりは、光を失っているように見えたが、まだ僅かばかりの明かりを残していた。
「白いキャラメルみたいだ」
ヒュルベルトがぼんやりとそんな感想を言った。
キャラメル、ああ、キャラメルか……。
私も彼に倣い、白い立方体を眺めた。
思わず、くぎ付けになる。
(嗚呼、姉さん……優しかった姉さん。 姉さんの作ったキャラメルが食べたい……)
戦いで血が滾っていた事もある。
私は姉や、罪喰いの事を考えると、心が焦がれて焦がれて、落ち着かなくなる。
そんな時は、甘いお菓子をお腹一杯食べると落ち着くのだ。
乳白色、よく見れば、クリームのような色だ。
私は、白い結晶体に顔を思い切り寄せた。
「ああ……甘くない」
舌は石を舐めたような感触がするだけだった。
やはり、罪喰いはダメだね。
「……え、あ、食べちゃだめですって!」
”罪喰いのカケラ”を舐めた私を、ミツナギが必死で止めた。
ヒュルベルトは私を見て笑っていた。
「なんだ。甘くないの」
そして、少しだけ残念そうに彼は言った。
「今度クーケ連れて来ようと思ったのに」
もし、甘かったら、クーケと一緒にティーパティ―でもやるつもりだったんだろうか。
「ふふ、やっぱり、食べたら毒かな、罪喰いの肉なんて」
私は、ユールモアの”メオル”の事を思い出していた。
あれはそれなりに美味しかったそうだけど。
「影響を受けてしまったらどうするんですか…!」
ミツナギが焦った様子で、私とヒュルベルトを叱った。
「冗談さ、行こう」
私はミツナギを
『冗談かぁ?』
ユル=ケンが呆れたように言った。
「実際舐めてましたし…!」
ミツナギはまだ怪訝そうに私の方を見ていた。
「やれやれ……」
カノは私達に肩をすくめて見せた。
クーケとお腹いっぱいお菓子を食べれるかもと期待したヒュルベルトだけは、少しだけさみしそうだった。
奇妙な罪喰いを後は、山道をひたすら往った。
カノの”加護”のおかげで、体の疲れは最小限で険しい坂を登ることが出来た。
やがて、山頂をとうとう挑めるか、というところまで来たところ。
「う……!」
私は、目を覆った。
突き刺すような痛みが、私の見える右目、見えない左目、両方を襲った。
「眩しい……」
ミツナギもフードを抑えている。
グルグ火山全体を包んでいる光が、此処からはひと際強くなるようだった。
眩んだ目を慣らすようにして、少しずつ周囲を見渡す。
と、カノが不機嫌そうに何かを眺めていた。
「城……」
「……城、ですね……ユールモアの元頭首の居城…でしょうか」
眼前には、先ほどの白い結晶によく似たものがいくつも組み合わさり、白光を放つ白亜の宮殿が聳え立っていた。
「罪喰いの巣……」
ここが、かつての罪喰いたちの最後の楽園だったのだろうか。
「はあ。大層な趣味だな」
呆れたようにカノが言った。
ヒュルベルトは、その荘厳な居城を眺める傍ら、周囲を見渡していた。
「城ができてる?」
と、彼は言う。
何のことか、とつられて私も眺めると、先ほどの白い結晶と同じような物が、消えたり付いたりして、現在進行形で城を建設していた。
(いや……作り変えているのか?)
その動きは――元々ある形を書き換えているように見えた。
ヴァウスリーの城を、”傲慢”が作り変えているのだろうか。
いやはや、罪喰いの神の城を乗っ取るとは、さすが傲慢だ。
「八枚羽も、お城に住みたかったかな?」
「くく。王様気取りでか?」
ふふ、これはいよいよ以て強敵かもしれないな。
不敵に笑うカノと私。
対して、ヒュルベルトは何やら考えごとをしている顔で、ミツナギは現実離れした光景に呆気にとられているのか、ポカンと口を開けたままだ。
だが、このままのんびりと罪喰いのお城を見ているわけにはいかなかった。
城とは……王が住むだけの場所ではない。
敵の拠点であり、多くの兵が待ち構える要塞であるのが常だった。
「罪喰いに、お城は似合わないさ」
私は言った。
そう、お城が似合うのは姉さんのような人だ。
緑に萌えるグリュネスリヒトのお城に、大きな湖の手鏡を寄せて。
美しき乙女に、ドランの騎士が、命を捧げる。
でも、姉さんはもういない。
だから、罪喰いも、こんなところに居ては、いけないのだ。
「恐らく、連戦になる」
私は咎人の剣を握りなおした。
「いくよ!」
「……はい」
「良いだろう!」
「うん、うん!」
我々は、罪喰いの城を攻め落とさんと斬り込んでいった。
――そこには、予想通りの大軍勢。
獣型、人型。
ノルヴラントに現れた、多種多様の様々なはぐれ罪喰いの姿が一堂に会する異様な光景だった。
だが、私達はその数と異様に屈することなく、術を駆使し、剣を駆使し、罪喰いの群れを撃退していった。
(行ける)
私は進軍の最中、グルグ火山の割れ目から、崖下遥か下方を見やった。
光の輪が及ばないところは、まだ暗闇に閉ざされている。
夜の帳はまだ開けていないのだろう。
未練がましく、光の中に引き籠っている君たちのような罪喰いは気付いていまい。
君達の世界はもう終ろうとしている、その証拠に、夜が戻った今、君達にはかつてのような力は無いのだ――。
罪喰いの居城を駆け抜けていく私達。
やがて、私達は広いホールのような場所に出た。
そこで待ち構えていたものは。
「……これは…、…壁?」
「門……?」
そこには、悲しげな表情をレリーフのように掲げた、奇妙な罪喰いの姿があった。(続)