先月、ヨドバシカメラに行ったところ『オーダーメイド枕はじめました!』とでかでかと宣伝していたので、お店のおねいさんに「19世紀ヴィクトリア朝風のメイドでお願いします。髪は黒髪の三つ編み。身長は172センチ。肩幅は少し広め。あと細身の黒縁眼鏡もお願いします」と事細かに注文したところ、ヨドバシカメラのおねいさんは、一瞬怪訝な顔をしたものの「少しお待ちください」と言って奥に引っ込むと、氷の入ったキンキンに冷えた水とおしぼりを持ってきてくれて、「最近、本当に暑いですよね」としばし天気の話からのちょっとした世間話しをしたのちに、「こちらでは枕のオーダーメイドを承っておりまして……」とやさしく丁寧に説明してくれるヨドバシカメラのおねいさんがマジ天使に見えた今日この頃、皆さん如何お過ごしでしょうか。本当に毎日続く猛暑でどうやら脳が熱暴走をしたようです。
どうもお久しぶり大根。まさかこんなにログインできなくなるとは思わなかったのですが、予想外のことが続き現在に至ります。そのひとつが液晶ペンタブレットなんです。どういう事かと云いますと、わたし、今まで絵を描くのはアナログ派、つまり鉛筆やGペンで描いていたんです。それを今回デジタルに切り替えることにしました。
その理由は最近、文庫本が読みづらくなってきまして、つまり近くのものがぼやけるようになってきてたんです。老眼じゃないですよ。ちゃんと眼科に行って徹底的に調べてもらいまして、眼底をものすごい機械で写真撮影した結果、異常なし。先生曰く、「自然現象です」とのこと。わたしが「それって老眼ってことですか?」と確認したことろ、「うーん、老眼っていうか誰でも年齢を重ねるとそうなりますから、自然現象です」と断言したので、老眼じゃありません!
ちなみにその時に先生が、会話の流れで「わたしも○○歳を過ぎてから近くのものが見づらくなってきました」と言ったんですが、心底驚きました。この先生、女性なんですが、絶対わたしより年下だと思ってたからなんです。「えっ?!マジで……」 本当にびっくりしました。眼科の診察なので間近で先生に見られるわけで、それはわたしからも先生のことがよく見えることになります。
以前、テレビで美魔女とかやってましたよね。あれってテレビ越しだし照明の威力ってすごいじゃないですか。照明って本当に魔法なんで色々と消し去りますけど病院のしかも眼科の診察室ってそんなに明るくありません。かといって薄暗くもなくはっきり見えるわけです。あとコロナ前から診てもらってたのでマスクを外したところもちゃんとじっくり確認してます。だから余計驚いたわけです。ずっと年下だと思い込んでました。この先生がわたしの中ではテレビに出てた美魔女、及び芸能人を含めても一番年齢が分かりませんでした。
それからこの話、うちの姉にしたんです。すると「ふーん」で会話終了。それまで「佐藤健って本当に国民的彼氏だよね」とか「この前、旦那と旦那のお母さんとわたしと三人で旅行に行ったんだけどさあ、本当大変だったわ」とか「あそこのお店で食べた抹茶アイスが滅茶苦茶美味しかった」とか言って盛り上がってたんですよ。おかしいでしょ、流れ的に。「へえ、そうなんだ。どんな見た目の人?芸能人だと誰に似てるの?」とか会話が弾みそうじゃないですか。それなのに一段トーンを下げての「ふーん」というまさに塩対応。塩化ナトリウム100%のミネラル成分一切なし。自分以外の女性が褒められるのが嫌か。そこなのか。
ちなみに以前、姉が会社の後輩の女性に「□□さん、○○歳だったんですか。うそぉー全然見えない」と言われたらしく、「一回り以上も若く見られたみたい。何でかなあ」とわたしに聞いてくるので、「姉ちゃんやっぱり若いもん。気持ちも若いしね!」「ええー、そうかなあ」「そうだよ。その後輩のひと、お世辞で言ったんじゃないと思うよ」「それって本当?」「うん、ホント、ホント」としっかり返したじゃないですか。ちゃんとロープに振られたら戻ってきて技を受けたでしょ。それなのにこの仕打ち。あ、すいません。随分と話が脱線しましたね。要するにカワイイ眼科の先生だったということですね。おしまい、じゃなくて液晶ペンタブレットですよ!こっから話を戻します。ついて来てくださいね!
ということで近くでものが見づらくなるということは、Gペンで線を引くのがしんどい。今はギリギリまだ引けるんですが、今後のことを考えるとアナログで続けるのはつらいと思ったわけです。そこでアナログからデジタルに移行して、液晶ペンタブレットを使うことにしました。でも、これが想定外に難しい。
手元でタブレットにペンを走らせてモニタのカーソルを動かして線を引く、いわゆる『板タブレット』が難しいのは分かっていました。実際に買ったものの使いこなすことができず。でも液晶ペンタブレットならモニタに直接ペンを当てるので直感的で簡単だと思っていました。ヨドバシカメラの店舗で液晶ペンタブレットを試し描きした時も、やっぱり分かりやすかったからです。
しかし、お店でちょっと試すのと自分の家の自分の机に置いて本気で絵を描くのとでは勝手が全く違ってました。まず言えるのはとにかくペン先が滑ります。ツルッツル。というかトゥルットゥルー♪という感じでペン先が踊るように滑りまくりで全く安定しません。これは失敗したかもしれないと思ったものの、やるしかないと気を取り直して、縦の直線をひたすら引く日々が続きます。
それからしばらく経つと慣れてきたせいか線のぶれる幅が小さくなってきました。でもそこで新たな問題が発生します。それは自分が引いた線を見て「何か微妙な気がする」わけです。これはアナログからデジタルに移行した時に多くの人が感じることだそうです。わたしも下手なりに線にはこだわりがありまして、自分なりのGペンのタッチがあります。それが液晶ペンタブレットだと出ないんです。
わたしはCLIP STUDIOというソフトを使っているのですが、ブラシつまりペン先をいろいろ変えて試したのですが、どれもしっくりこない。YouTubeで絵師の方が動画でブラシについて解説をしているので、それを参考にしてみたものの、やっぱりしっくりこない。そこからデジタルでマンガを描いているマンガ家の話を探して読んだりしたんですが、プロでもブラシに関しては悩むそうです。なかなかこれだというブラシが見つからず試行錯誤しながらマンガを描いているそうです。デジタルなんだから曖昧な部分はなくてブラシ(ペン先)に関しては、これだっていうのが決まっているものだと思い込んでました。デジタルの世界も奥が深いんだなと考えを改めました。
そして、ここからが沼でした。CLIP STUDIOのブラシの設定をよくよく見てみるとものすごい細かいんです。それをひとつひとつ検証していったんですが、やればやるほど自分の引いた線が微妙になっていきます。違和感しかない。設定をいじっては試し描きをする。これを繰り返す毎日。でも引いた線は微妙。これがずっと続き、正直、何てデジタルって難しいんだって思いました。デジタルなんだからもっと簡単にササッと線が引けるのかと思ってた自分を殴りたい。あとそれからアナログ画材の良さを再認識しました。Gペンや丸ペンは難しいペンですが、ペン先にインクを付けて紙に描くだけで、ちゃんと線が引ける分かりやすさ。下手な線でも納得できるというか自分らしさが出るんです。そこがアナログの良さだと思いました。
さて、いよいよ煮詰まってきたわたしはブラシの設定のひとつの項目に注目します。それが『補正』です。液晶ペンタブレットが滑りやすいのはソフト会社の方も認識していて、CLIP STUDIOには線のぶれを補正する機能があるんです。デジタルカメラの手ぶれ補正機能と同じような感じです。もしかしてこれが微妙な違和感の原因なのではないか。そこで様々な補正の機能を全て外して線を引けばアナログっぽい自分らしい線が引けるのではないかと考えました。
そこで実際に外せる補正を全て外して線を引いてみたところ、線がぶれるぶれる。「えっ?何でこんなにぶれるの?」と愕然としました。補正を外す前は真っ直ぐに線が引けるようになっていたので、「ちょっとぶれるくらいで余裕だろ」と思っていた自分に蹴りを入れたい。ペン先が全く言うことを聞かない暴れ馬。おさげを引っ張られた後のアン・シャーリーくらいじゃじゃ馬です。あ、山田栄子さんって最高ですよね。この人になら叱られたい三大声優のひとりです。ちなみにあとの二人は榊原良子さんと早水リサさん。この三人に囲まれてお説教されたらしょげるけど元気出そうですよね。本当に。
そして、「これからが本当の地獄だ」という日々が新たに始まります。最初に液晶ペンタブレットを触って感じた滑るっていうのはラディッツレベルだったんだなと実感。線を引くたびに絶望の深淵を覗き込み、ダークソウル3のグンダと戦っている事を思い出しました。これどうすんだって考えながらずっと線を引き続けます。そんな最中、ふと思ったことがあります。それは以前Gペンで苦労した時の事です。Gペンは、紙に引っかかるものを筆圧をコントロールして如何に安定させるのか。液晶ペンタブレットは、画面が滑るものを筆圧をコントロールして如何に安定させるのか。引っかかるのと滑る違いはあれ、この二つは同じ事なのではないかと。
そこでGペンで極細の線を引いていた時の事を思い出し、あの要領で液晶ペンタブレットも引けばいいのではないか。丸ペンのペン先って値段が高いので何とかGペンで代用できないかと考えて筆圧ゼロでほっそい線を引く練習をよくしてたんです。わたしはアメンボタッチって呼んでたんですが、水面に浮かぶアメンボの手足をイメージして線を引いてました。するとじゃじゃ馬だったアン・シャーリーがギルバート・ブライスに平身低頭で謝罪された後くらいのツンツン加減になっており、「このルートはアリだな」とわたしも思いました。
ここからはグンダだってクリアできたわたしに不可能はないと自分に言い聞かせては線を引き、エルデンリングのレビュー動画をYouTubeで見つつ、「これはきっと神ゲーに違いない。でも今はその時ではない」と自分に言い聞かせてはまた一本線を引く日々が続きます。それから二ヶ月くらい経ち夏休みも終わった頃に液晶ペンタブレットとの激闘も終わりを迎えます。補正がなくてもぶれずに線が引けるようになりました。何というか終わってしまえば案外簡単でした、とはならないですね。三ヶ月間、絶望を抱きしめながらの生活でした。死にゲーってクリアした時はこんな感じなんですかね。もう二度とやりたくねーし二周目クリアできると思えねーって感じです。
それからひとつ残念なお知らせがあります。これだけ必死に練習して補正なしで引いた線なんですが、補正ありで引いた線と比べて見てもパッと見、似たようなものなんですよね。CLIP STUDIOで拡大するのではなく、ルーペで画面を覗いたら微妙に違いが分かるぐらいの差しかありません。これは結構ショック。補正なしだと三倍疲れるのに費用対効果悪すぎるだろうと。しかもYouTubeでとあるマンガ家の作画を見たんです。そのマンガ家もCLIP STUDIOを使っていてブラシ設定が映っていたんです。すると普通に補正をかけてました。このマンガ家の先生、世間では画力高くて天才って呼ばれてるんですけど、そんなプロでも普通に補正かけるんだって分かったので、わたしも補正ありで描きますよ!便利な機能は使わなくっちゃねっ♪
ということですごい遠回りした気がするんですが気のせいですよね。ただ良いこともありました。液晶ペンタブレットの線がアナログのGペンで引いた線に似てきたんです。「あ、これGペンのタッチが出てる」という線が多くなって来ました。理由ははっきりしないんですが、アメンボタッチで線を引くための微妙な筆圧のコントロールを液晶ペンタブレットとCLIP STUDIOが感知し反映してくれたのかなと思っています。改めてデジタルすごいなと感心しました。
そして、長年お世話になったGペンを始めとするアナログ画材を押し入れにしまいました。これからはデジタルなナイトとして生きて参りたいと思います。デジタルってすごい便利なんで絵を描くことがより楽しくなったし楽にもなりました。よくよく考えるとわたし、ベタ塗るの下手だし集中線引くのも下手でスクリーントーン削るのも下手で、今思うとどうしてアナログにこだわっていたのかが逆に不思議。正直、もっと早く液晶ペンタブレットを買えばよかったと後悔しました。何故か分からないんですが自分でアナログ向きだと思い込んでいたんです。やっぱり長年、上手くいかないことがあったら、冷静になって一回疑問に持つ方がいいと今回のことで思い知りました。
四月頃にはまさか自分がデジタルで描くようになるとは夢にも思わなかったんですが、人生って本当に思い掛けない「まさか」がありますね。子供の頃におじさんが「人生には上り坂と下り坂、それからまさかがある。まさかには気を付けるんだよ」と話してくれて、「何言ってるの、ちょっと分かんない。駄洒落?」と思っていた自分が恥ずかしい。おじさん、その節はいい話をしてくれて本当にありがとうございました。
最後に、何とかいつも通りの自分の線が引けるようになったので、これからは真面目にFF14にもログインしようと思います。中途半端になりそうで課金はずっとしてたんですけどログインしなかったんです。FF14はずっと続けたいしわたしの生きる支えなので、これからも皆さんよろしくお願いします。生きていると色々なことがありますけどわたしはFF14があるから、否、光の戦士の皆様方いるから存在できるのだと日々感謝と祈りを捧げております。それではまたたび!