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FF14 勝手に外伝 亡国の冒険者達 第五部 2

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 第一章 新たな日常から

 アラミゴ旧王宮内、エンベルト・ジェーニオの復興担当省・執務室
ジェーニオは、ここ数日机の上に山の様に積まれた書類と格闘している、秘書である妻達がそれぞれ一度目を通してジャンル毎に分別して、さらに優先順位別に並べてあるのだがそれでも大量なので、朝から晩まで処理に追われている。
 それも当然だ、普段の復興業務に加えて、旧王宮の1/3を改装して使用する、カジノホテルのオープンセレモニーが来週行われるからだ。
 「しまったなぁ、グ・エンベルトに誘われて、ついトラル大陸へ遊びに行ったのがまずかった、女房達を留守番にしたので、みんな不機嫌なままだし……」
 と悔やんでも後の祭りである、妻達にはトラル大陸の名産品をお土産に持ってきたのだが、効果は焼石に水程度だった。
 それでもトラルでは、トライヨラ連王国の「王位継承の儀」を手伝ったり、鏡像世界からの侵攻を食い止めたりとそれなりの仕事はしてきたのだが、妻達は置いて行かれた事への怒りの方が大きかった様だ
 そんな訳で、昼間は執務室で、夜は自宅で必死に妻達の機嫌を取りながら働いている毎日だった。

 「よう、頑張っているな」
と執務室にゾロゾロと入って来たのは義弟で親友のグ・エンベルト一行だ
二人で共同経営している「エンベルト・ブラザース」の事務仕事を彼が全て引き受けてくれているので
ジェーニオは安心してアラミゴ復興事業に取り組んでいられるし、経営が順調なおかげで、カジノホテルの改装資金はジェーニオ個人の余剰資金を5%ほどを流用しただけで賄う事ができているのだった。

 カジノは1Fと2Fが『マンダヴィル・ゴールドソーサー』に運営を一任した庶民向けのカジノ、3Fと4Fが高級志向で会員と招待客のみが入場できるハイ・ローラー用のカジノになっている。
 ここにマンダヴィル氏を参加させたのは、いつものジェーニオの既得権者へ配慮だ、ウルダハの大富豪で実力者のゴッドベルト・マンダヴィル氏と争っても何一つ利益にならないからだ。
 ハイ・ローラー向けの方は当然ながら今はエンベルト・ブラザース傘下の『プラチナミラージュ』が運営に当たる。そして隣接する建物には先行オープンしたホテルとレストランが入っている。
 どちらの建物からも、今は商人や観光客で混雑する旧王宮の『王座の間バザール』に直接アクセスできる様になっている、バザールの北側は『アラミゴ博物館』で、旧王家や帝国属領時代に集められた宝物や武器等が展示されグ・エンベルトが再現した王家秘蔵の武器や装飾品のレプリカが購入できる様になっていて、共和国政府の貴重な財源になっている。
 更に、博物館を抜けるとアラミゴの至宝と言われる「空中庭園」に出る事ができる。

 「あんたが書類に埋もれている姿を見られるなんてなぁ、あ招待ありがとう、ユールモアの『キャバレー・ビーハイヴ』を参考にした施設もあるんだって、楽しみだ」
と楽しそうにしているのは、友人でもあるグ・ラハ・ティアだ。
 ハイ・ローラー向けのカジノには豪華なキャバレー『アラミガン』があり、第一夫人クロエが責任者になっていて、セクシーなダンスやショー、高級酒や料理も提供される。
 そして、ダンサーやカクテル・ウェイトレスは駐屯帝国軍がいなくなり商売に困っていたアラギリの酒場兼娼館の若女将『ジャ・ゴナッコ』が他店の従業員も連れて参加してくれた事で粒寄りが揃っている。

 元水晶公でもあるグ・ラハ・ティアは名前の通りグ・エンベルトと同族だが、第五霊災でグ・エンベルトの祖先がエオルゼアに移住したのに対してグ・ラハの祖先はイルサバード大陸の南部コルヴォ地方に残りそこで代々暮らしていたとの事で血縁関係は殆ど無いに等しかった。彼は水晶公時代に『キャバレー・ビーハイヴ』に何度か行った事があるとの事だった。

「なんだよ、三人して仕事の邪魔しに来たのか?」
「どうした、だいぶ煮詰まっている様だな、アラックでも飲んで少し休憩したらどうだ」
とグ・エンベルト、彼が執務室の秘書席にいるクロエに声をかけると、クロエはここ数日ジェーニオに見せた事も無い笑顔で、アラックのグラスを四つ用意した。
「なんだ、奥様達まだ怒っているのか?」
「ああ、不公平だ、なんでお前の所は大丈夫なんだ」
「そりゃ俺は浮気をしていないからな、あれバレたんだって?」
「う……それは」
 ジェーニオはシャーローニ荒野のフーサタイ宿場町を訪れた時に知り合いになったヘイザ・アロ族(ミコッテ族)の踊り子の『ターメディ 』と本人曰く
「つい勢いで関係を持ってしまった」
 様で、それをたまたま街にいたエスティニアンに目撃されて、エスティニアン→アルフィノ→アリゼー→クロエと言う順で話に尾鰭が付いてバレたという最悪の状況なのだ。
 ただクロエ達はいつもの事だからと、実際の所はそれほど怒っているわけでな無く、あくまでジェーニオに少し反省をさせる為に怒った振りをしているだけなのだが。

 応接セットのソファーに座って、グ・エンベルトが会話を始めた 
「招待客の出席者リストだ、イシュガルドはアイメリク卿は無理だったが、大貴族の皆様はほぼ出席、
特にフォルタン家とデュランデル家は御当主がお見えになる、お前も世話になったステファニヴィアン殿
も御父上のアインハルト家当主の代理で参加だ、他の三国は予想通りだなギルドマスター達はほぼ全員参加、海賊の皆様も参加、ロロリト殿初め砂蠍衆の方々はマンダヴィル御夫妻以外は多忙で代理の方が……
お前の弟分になったツィルンベルク殿が参加されるそうだ、後は…………だな、そうそうコスタ・デル・ソルのゲゲルジュ殿は、昨晩からホテルのスイートルームに御滞在で、既に『アラミガン』でかなりの散財をされている様だ、あの人はブレないな……と言うわけでVIPのもてなしはよろしくな」
とグ・エンベルトは笑った
 これだけの顔ぶれが出席してくれれば、オープニングセレモニーは大成功になると予想できた。

「で、今日はもう一つ良い話だ、ネロがシャーレアンで進めていた、『エアスピナーA9』と『機械兵』の解析が終わったんだ、ネロ頼む」
「おう、例の『エレクトロープ』なラノシアの『雷性岩』を使って「エーテル属性変換装置」と青燐機関の魔導技術を合わせれば再現出来る事がわかった」
「そうか、それは凄いな、そういえば接収したガレマール帝国の魔導兵器の民間転用も進んでいるみたいだな、とにかく今のアラミゴは人手不足だからな、魔導コロッサスなんかは重宝しているぞ、色々と助かる」
「まぁ良いって、俺は研究ができればそれで良い、でだな……頼みがある」
「なんだ改まって?」
「アラミゴに俺の研究所を作りたい」
「何んで? お前今シャーレアン魔法大学の魔導技術科の教授様だろう」
「ああ、だがなシャーレアンではできない研究が色々あるんだ、正直に言うと兵器に関する物は一切研究ができない決まりでな」
「ああ、そうかあそこは非武装中立で武力を持たない国だったな、困った事だ」
とジェーニオはグ・エンベルトの方を向いた
「そうだな、おいジェーニオ、アラミガンクオーターにあった『超越研究所』って今はどうなっているんだっけ?」
「ああ、あそこは今はただの廃墟だ、そうかあれを払い下げて貰えないか、リセに聞いてみよう」
「それは助かる、あの施設は俺は二回ほどしか入った事無いけど、妙な研究をしていた所だよな。使える設備が残っていれば良いが……うまく行けば機械兵が持っていた変な武器の解析ができるはずだ」
「そうだな、何とかしよう、そう言えばザ・バーンでの実験は成功したんだろ、その後の進展は?」
「想定より効果が高かったから、今は複数の場所で同時に装置を起動する実験をしている、お前たちまだ見てないだろ、ザ・バーンの今の様子を見ると驚くぞ」
「そうか、そっちも楽しみだな、本当、お前が仲間になって良かったよ」
「そうそう、お前のデザインした『スカエウァ装備』は冒険者に良く売れているからな、何しろお前の親友の「ガーロンド装備」より性能が高いからな」
「ふん、あれはシドの名前を使っただけで、作ったのは確かジェシーだったか、そうかあれにはお前達は関わっていないんだったな」
と、ネロは気にもしていない
「まぁ、とにかくせっかく来たんだホテルの部屋を用意するからお前もオープニングセレモニーに参加してくれ、それとラハ、お礼は後でするからこれを手伝ってくれ」
とジェーニオは自分の執務机の上の書類の山を指さした、第一世界で水晶公として城塞都市クリスタリウムを統治していたラハの実務能力をジェーニオは高く買っているのだ
「人手が足りない、家が足りない、食い物も足りない、エオルゼア各地からアラミゴ難民が帰還しつつあるし、ガレマールで徴兵されていた兵達も続々と帰って来ている、だが彼らの為に仮設住宅を建てようにも技術者や職人が居ない、元アラミゴ解放軍の兵達も故郷に戻りたがっているが、家も仕事も耕す畑も無い、正直カジノを作った所で焼石に水なんだ……」

 「失礼します、ガーロンド・アイアンワークス社のウエッジ様から緊急の要件との連絡が届いています」
そこへ、旧王宮の警備兵が入ってきた。
 ウエッジは今は、「北東ギラバニア地帯」を解放した際に接収された帝国の軍港と付属の工廠の責任者になっている、この工廠はガーロンド・アイアンワークスとエンベルト・ブラザース、リムサ・ロミンサのナルディク&ヴィメリー社が共同で出資した『ギラバニアインダストリー』が共和国から借り受けて運用している。
 ジェーニオとグ・エンベルトが所有している超大型の飛空艇『Burrasca II号」と『Piume rosse II号』は、この工廠でフレームとエンジンのみの姿で放置されていた帝国の超巨大飛空戦艦『アグリウス級」の五番艦、六番艦をガーロンド・アイアンワークスが船体を、艤装をナルディク&ヴィメリー社が担当して仕上げた物だった。その結果、禍々しいフォルムの飛空戦艦は優雅で豪華な巨大飛空艇に生まれ変わったのだった。
 今は、大量に残されていた資材と『アウローラ級飛空戦艦』の設計図を元にして大型の「飛空貨客船」の生産が開始されているはずだ。
 元々はこの軍港と工廠には合わせて数千人の兵や技術者、工員が居たのだが、帝都ガレマルドの魔導城がアシエン・フェダニエルによって『バブイルの塔』に作り替えられる際にほぼ全員がテンパードにされて行方不明になっていた、結果的に無傷で無人の軍港と工廠を設備が残った状態で接収できたのだった。

ウエッジからの要請は
「新規に増員した技術者と工員の宿舎に充てる為に旧兵舎を片付けていたら、やばそうな物が見つかったので、大至急確認をしに来て欲しい」
との事だった。

「よし、ちょっと見に……」
とジェーニオが言い立ち上がり掛けた所で、
「殿下、ダメです!!」
とクロエに怒られる。
「そうだぞ、お前仕事を放り出したらまずいだろ、代わりに俺が行って来てやるよ」
とグ・エンベルトは笑っている。
「う……仕方ない頼んだぞ」
とジェーニオは渋々腰をおろした。
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