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【RP】決戦の前に休息を その5

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 話すうちに喉が渇いていた事に気が付き、また一口、グラスを傾ける。口直しにマロングラッセに手を伸ばしながら、ここで食べられる嬉しさについ笑みを浮かべる。
 
「ふふ……」
何だろう?とオルシュファンを見ると、笑いながらお菓子の皿を私の前に置いてくれる。
「いや、気に入ったようで良かった。まだ沢山あるからな、遠慮なく食べるとイイ!」
「う……ありがとうございます。美味しいですね、これ……」
恥ずかしさに頬が熱くなるのを感じながら、言葉に甘えてもう一つ手に取る。

「そういえば、マロングラッセを食べるのが初めてと言っていたが、他国では珍しいのか?」
問われて思い出してみるものの、店先で見掛けた事は無い気がする。
「そう、ですね。もしかしたらお菓子を色々扱っているお店等であれば手に入るのかもしれませんが。栗自体もグリダニアの方で山栗のシチューを見た位で、それ以外では私が普段行くお店では見かけませんね。こちらではよく食べられているのでしょうか?」
「そうだな、こういった酒席や休憩時につまむ事もあるし、普通に食べるな。手軽に食べられて日持ちもするから、糧食に組み込んだりな。」
そう答えるオルシュファンの横から、フランセルさんが補足をしてくれる。
「後はソーム・アル・オ・マロンという栗を使ったケーキも験担ぎを兼ねてよく食べるよ。さっき栗のお菓子が好きだといっていたけれど、どんなものを食べていたんだい?」

「あ、えぇっと。こちらの……エオルゼアのものではなく、東方の私の郷里の菓子なのですが。裏ごしした栗に砂糖を混ぜて形作った栗きんとんというものや、渋皮ごと糖蜜で煮含めた渋皮煮などですね。もう長らく口にしておりませんが、お茶と共に頂くととても美味しいんですよ。」
「なるほど。同じ栗でもやはり場所によって異なる菓子が作られるんだね。そちらのものも美味しそうだ。」
「うむ、一度食べてみたいものだな。」
「私ももう一度食べたいとは思うのですけれど、こちらでは全く見かけないのですよね。ああ、でもそういえば……」

 頷きながら言う二人に、軽く頷いて言葉を返しながら、ふと先日の事を思い出す。
「そういえば?似た物を見かけたのか?」
「あ……いえ。先程のものではないのですが、郷里で食べたのと同じお菓子をこの前見かけたのを思い出しました。プリンセスデーの一環としてお花見の席が設けられていたのですよね。そちらで里で口にしたのと同じお茶とお菓子が振舞われておりました。」
「プリンセスデー?こちらではなじみの無い行事だが、どんなものなのだ?」

 二人にプリンセスデーの由来や、依頼で三国を走り回った事、報酬に可愛らしすぎる衣装を頂いて困った事、お花見が出来て嬉しかった事等を話していると、扉をノックする音が聞こえた。夜が更けてきた為、フランセルさんが砦に戻る時間である事をお知らせするものだったようだ。

「あぁ、君達と話していると楽しくて時間が経つのを忘れていたよ。今夜はもう遅いから失礼させて貰うけれど、また機会があれば君の話を聞かせてもらえると嬉しいよ。では、良い夜を。」
「あ……それでは、私もそろそろ部屋に……」
帰り支度を整え始めるフランセルさんに続き、残念に思いながら私もソファーから腰を浮かせる。

「む、もう部屋に戻るのか?今夜はこちらに泊まっていくのだし、まだ良いだろう?お前がここでゆっくりするのはあまり無い機会なのだし、もう少し話を聞かせてくれ。」
「ああ。僕は戻らなくてはならないけれど、君はゆっくりするといいよ。」
「え、えぇっと……はい。では、お言葉に甘えさせて頂いて、もう少しだけ居させて頂きますね。」

 まだ側に居られるのを嬉しく思い、ほっとしながらソファーに座り直す。お酒のせいで少し恥ずかしさも和らいでいるし、これなら多分二人でも平気だろう。
 座ったままフランセルさんを見送り、空いた手が心許無く感じてグラスを取り上げる。オルシュファンの方を見てしまうと必要以上に意識してしまいそうで、暖炉の火が穏やかに燃えているのになんとなしに目をやりながらグラスを傾ける。

「……花見と言ったか。それもそのプリンセスデーに行うものなのか?」

 声につられて振り向くと、こちらを見ている彼と目が合ってしまいうろたえる。目を見て話すのは礼儀のうちなのだし落ち着こう、と自分に言い聞かせ、ぎこちなく笑みを浮かべる。

「え、えぇ。故郷ではもう少し後の時期に行うのですが、こちらではそのようですね。」
「ふむ、違うのは時期だけなのか?」
こちらの様子には全く気が付かずに相槌を打つ彼の姿に安心し、幾分落ち着きを取り戻す。

「そう、ですね。後は故郷では主に桜を見ておりましたが、こちらでは同時期に咲く桃と桜を共に楽しむという事くらいでしょうか。基本的に花を眺めて楽しむというだけで、特に決まりは無いものですし。」
「なるほど。ではお前が故郷で見たのと同じ花が見られたということか。それは懐かしかっただろうな。」
「ええ。久しぶりに桜を目にする事ができ、嬉しかったです。桜は咲いているのも綺麗ですが、殊に散る様が美しいのですよ。無数に咲いた淡い紅色の桜の花びらがはらはらと舞い散る様は、まるで夢の中にいる様な心地でいつまでも眺めていたくなる程です。」

 一面桜に覆われた里を思い出し、笑みを浮かべる。私室の座敷から見た美しい光景は、里での数少ない良い思い出の一つだ。

「散る様が美しい?折角咲いたのに散ってしまうのは何だか残念な気がするが。」
「ふふ、そうですね。そのお気持ちも分かります。ですので、この様な花飾りもございますよ。これならいつまでも散らずに美しい時を留めておけますから。」
そう言いながら頭から桜の髪飾りを外し、手の平に乗せて彼へと差し出す。
「手にとって見せてもらっても良いだろうか。」
「ええ、どうぞ。」

 壊れやすい物を触るように手に取りかねている彼の手の平へ、そっと髪飾りを乗せる。
「同じ桜とは言え淡紅や白の桜しかない故郷のものと違い、こちらの桜は様々な色の花が咲くようですけれど。」
彼が手を持ち上げ、手の中の桜の花を見て柔らかな笑みを浮かべる。
「なるほど、これが桜か。小さいが綺麗な花だ。これが無数に咲く様を、私も一度見てみたいものだな。」
「ええ、私もお見せしたいです。今年は時期が過ぎてしまいましたが、次の季節にはお知らせできると良いのですが。」
そう答え、ふと花火の上がる催しがもうすぐある事を思い出す。そちらなら、一緒に見られるかもしれない。
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