まずはご挨拶から。
少し前にロードストーンで物語を公開している方の日記を読ませて頂いて、触発されて私も物書きのようなものを始めてみることにしました。実は以前から書いてみようかどうしようかと迷っていたのですが、前述の方の日記を拝見して決意を固めた次第です。アマチュアの横好きなのでお見苦しい点、多々あるとは思いますが、もしよろしければご覧になって頂ければ嬉しいです。
それでは以下より本編です。
風が頬を撫でる。潮の匂いが鼻を掠める。閉じていた目をそっと開けると、視界の上半分は明るい青に、そして下半分は濃密な青に満たされていた。その2つの青に挟まれる形で、ヴェールの如き白い美しさを纏う街並みが見えている。航海と海洋の女神の祝福を受けるその街は、遠目に見ても沢山の人々の往来が確認できる程の活気に溢れていることが分かる。
「シャヤヤ、どうかしたの?」
自分の名前を呼ばれて振り向いてみると、そこには私にとっての友人の姿があった。ミコッテ族の女性だ。赤銅色の髪と同じ赤銅色の瞳には、ミコッテ族特有の悪戯っぽい笑みを宿している。そしてその腰には少し大きめの本が括りつけられてある。魔道書といって、巴術を極めんとする者が携帯するものらしい。括りつけると言っても有事の際にはいつでも使用できるよう、簡単に取り外せるような工夫がなされている。
そして、その肩に寄り添うように小さな人影が宙を舞っている。背中には蝶のような羽がある。最初に見た時は自律動作する人形かと思ったのだが、実は軍学魔法という古の術で召喚した使い魔らしい。
「ん、なんでもないんです、リリアム。…ちょっとこの景色に見入ってしまって。」
そう答えてよこすと、リリアムは踵を返してこちらに歩み寄ってきた。私の横に並び、私と同じ方向に視線を放つ。私と違うのは、大きく伸びをして潮を含む風を思い切り吸い込んでいるところか。私は彼女のそんな開放的なところが羨ましく思えた。
「海の都、リムサ・ロミンサか~。あたしもこの街は好きだよ。この子と知り合ってからは散々ここに通ったしね。」
言いながらリリアムは自分の肩の上で私達のやりとりを黙って聞いている使い魔…フェアリーを指さした。自分が話題に上ったことが嬉しいのか、彼女は少し身を震わせてベルのような涼しげな音を立てた。
「ところでさ。」
リリアムはフェアリーに注いでいた視線をつと下におろした。その先には私の双眸がある。彼女が視線を『下におろした』のは私がララフェル族だからだ。
「前から聞こうと思っていたんだけど…キミなんで呪術士なの?あんまり呪術士っていうイメージじゃないんだけど…。」
その言葉の通り、私の背中には呪具が括りつけられてある。まだまだ駆け出しと呼ばれても仕方ない程度の冒険者だ。
彼女と出会ったのはほんの数日前。ある依頼がきっかけで出会い、そして行動を共にするようになった。
私が呪術士ギルドの門を叩いた理由は確かにある。しかしそれを言おうか言うまいか考えあぐねていると、彼女の方から先に口を開いた。
「あ、別に話したくなければ無理に話さなくてもいいんだ。キミあんまり人と話さないタイプでしょ?それに、誰にでも心の内に秘めておきたい事の一つや二つはあるだろうからね。」
私が冒険者になろうとウルダハに向かう時に知り合った行商人のおじさんと同じようなことを口走りながら、彼女はその場を離れ再度歩き始めた。そしてこちらを振り向き手招きをしてみせる。私はそれに頷いて彼女の元へ走りながら、彼女と出会った時の事を思い出していた。
…ということでちょっとあとがきを。
とりあえず今回は初回ということでちょっと短めです。日記の文字数が3000文字らしいので(今この時点で1500文字ちょっと)、単純計算で1回につきこの2倍くらいは書けそうかなあと。
平日は長文を書いているヒマがないので、こちらの更新は基本的に週末のみになると思います。しかも用事が何もない時だけ…w。そんなわけで更新頻度はかなり低めになりそうです。
というわけで、読んで頂いた方、誠にありがとうございました。