【注意】黄金のレガシーのネタバレが含まれます。
もしもエスティニアンが継承の儀に参加していたらという「ひとつのIF」を起点に巻き起こる、
バタフライエフェクトを描いた二次創作です。
~食の試練にて~
~イクブラーシャにゾラージャ一行が到着する。
すでにウクラマト、コーナ、バクージャジャ一行が到着している~
エスティニアン
「おっと、俺たちが最後か。」
アリゼー
「遅かったわね。いったい何をしてたのよ。」
サレージャ
「こやつが悪いのだ…。空飛ぶイカを食いたいだの訳のわからんことを言って、サカ・トラルの
関所を飛び越えるわ…」
「イカを干物にしたいからと炎天下の荒野まで付き合わせるわ…
…おかげで鱗が乾いて仕方がない。外つ国の者とはこうも勝手なのか…。」
エスティニアン
「だが、あのサボテンダーは絶品だったろ?現地に行かねば、味わえない美味さだった。」
サレージャ
「継承の儀が終わるまで本来、新規の通行許可は中断されておるのだ!決まりぐらい守らんか!」
エスティニアン
「ふっ、お前が人にそれを問うか。」
サレージャ
「…なんのことだ。」
エスティニアン
「まあいいさ、それに試練に早さは関係ないようだしな。だったら多少、回り道するくらいが
ちょうどいいさ。」
サレージャ
「……お前のそれは、寄り道だろう…」
「ゾラージャ様からも何か言ってやってくだされ!このような放蕩者に、わざわざ付き合う
必要はありませぬぞ!」
ゾラージャ
「……役に立たぬなら捨て置く…。それだけだ…。」
フンムルク
「よろしいか? すまないが、先に試練の話をさせてもらおう。」
~フンムルクは食の試練について説明する。中略~
フンムルク
「その壺の中に、色の異なる木の実がふたつずつ入っている。同じ色の実を引いた者同士で
組んでもらうよ。」
「到着した順に引いてくれ。」
アリゼー
「バクージャジャと組むことになったら、複雑ね。ウクラマトをさらったことも、ヴァリガル
マンダのことも、まだカタがついてないもの。」
戦のバクージャジャ
「青だぜ。」
コーナ
「僕は赤の実です。」
ウクラマト
「青だ…。」
「…げっ!てことは…!」
戦のバクージャジャ
「ハァアアアアアアァ!!? よりにもよって、メスネコチャンとかよォ!!」
ウクラマト
「テメェ!それはアタシのセリフだっての!!」
サレージャ
「ほっほっほ、これは始まる前から、結果は見えましたかな。」
~一瞬、ウクラマトを心配そうに見るが、腹を決めたという顔をするコーナ~
コーナ
「ボクはゾラージャ兄さんとチームか…。」
「……よろしく、兄さん。」
ゾラージャ
「…せいぜい足を引っ張るな。」
~去っていくゾラージャとサレージャ~
コーナ
「…くそっ、相変わらず協調性のない兄だ!」
「待ってくれ!闇雲に歩いて、あてはあるのか!?」
~追いかけるコーナ~
サンクレッド
「お前のとこの王子様も、なかなか素直じゃなさそうだな。」
エスティニアン
「フッ。お互い苦労するな。」
ウリエンジェ
「ですが、この組み合わせ…。」
サンクレッド
「ああ…。あいつらには悪いが、面白いことになりそうだ。」
~ショブリト灰戦場にて~
~ウクラマトとバクージャジャは、ウケブからイクブラーシャの歴史を学ぶ~
魔のバクージャジャ
「「無知ゆえに争い、知りて絆を結ぶ」…か。」
ウケブ
「これでおわかりいただけましたかな。両部族に起こった戦いの結末と、シャブルク・ピビル
という料理にこめられた意味を。」
戦のバクージャジャ
「…ケッ、くだらねェ。メシひとつで全て解決すんなら世話ねェぜ。」
ウクラマト
「……ウケブに対するその無礼を、許せねぇ気持ちはある。」
「ヴァリガルマンダの件も、許しちゃいねぇ。」
「けどな、バクージャジャ。お前もマムークの出だろ。今の話を聞いて、お前は何も
思わねぇのか?」
「時代は違えど、同じシュバラール族とマムージャ族…。アタシたちこそ、互いを知るべき
なんじゃねぇか?」
戦のバクージャジャ
「……何も知らねェから、軽々しくそんなことが言えるんだよ、テメェは。」
魔のバクージャジャ
「オイラたちは絶対に負けられない…。だから仕方なく、お前と組んでやってるだけだよ。」
「慣れ合うつもりはないよ。メスネコチャンはオイラたちのおこぼれに預かれること、
せいぜい感謝するんだね。」
ウクラマト
「テメェ…よく言えたな。マムークの出のくせに、シャブルク・ピビルの作り方も知らなかった
じゃねぇか。」
戦のバクージャジャ
「…ッ仕方ねェだろ!父上がイクブラーシャを…!」
ウクラマト
「なんだ…?父上?」
~何者かの気配を察知する冒険者~
ウクラマト
「どうかしたのか?」
「だれかが近くにいた…?」
魔のバクージャジャ
「もしかすると、あのブネワの魔術師あたりが、また何かを企んでるのかもしれないね。」
戦のバクージャジャ
「ケッ、ネコちゃんとじゃれ合ってる場合じゃねェな!」
ウクラマト
「おい!まだ話は終わってねぇぞ!」
魔のバクージャジャ
「兄者。オイラの予想だと、この場所にナジュールの葉にまつわるヒントがあるはずだよ。」
「あのフンムルクって族長、どうやら試練を通して歴史のお勉強をさせたいみたいだからね、
なにか仕込んであるはずさ。」
戦のバクージャジャ
「おっ!さっすがオレサマ!今日も冴えてるぜ!」
「発情期のメスネコちゃん、ギャンギャン鳴いてばかりいないで、大人しく
探ちまちょうねぇ~。」
~探索に向かうバクージャジャ~
ウクラマト
「グギギ…ゆ…許せねぇ…!」
アリゼー
「…今はこらえましょう。試練が終わるまでの我慢よ。」
「ただしウクラマト…そのあとは、私も手を貸すわ。」
魔のバクージャジャ
「地面に掘り返されたような跡があるね。」
ウクラマト
「お、なんか小箱が埋まってるぜ!」
戦のバクージャジャ
「箱の中には…おいおい、現物が入ってんじゃねえか…。真新しいナジュールの葉だ。」
ウクラマト
「…あっちのチームと分け合うほどの量は…ねぇな。本当に片方しか勝たせる気はない
みてぇだ。」
クルル
「なんにせよ、これで食材はすべて揃ったわね。」
~バクージャジャの持っていたバナナの葉が入った小箱を、何者かが颯爽と盗んでいく~
戦のバクージャジャ
「ああん!?」
サンクレッド
「悪いな!俺たちもこいつに用があるんだ!」
~箱を盗んだのはサンクレッドだった~
~続々と姿を現わすコーナ&ゾラージャチーム~
ウリエンジェ
「…失礼。ピクシー族より学んだ秘術にて、霞のごとく姿を隠し、機をうかがっていたの
です。」
アルフィノ
「な…!ウリエンジェ!エスティニアンまで!」
エスティニアン
「…俺はこんな盗人みたいなやり方、好かんと言ったんだがな。」
サンクレッド
「それには同意するが、全力で応えると約束したんだ!使える手は使わないとな!」
アリゼー
「サンクレッド…。そうやってお爺様からも盗みを働いたのね…。」
クルル
「そうなの!?ずいぶんヤンチャだったのね、サンクレッドさん。」
(いたずらっぽく笑うクルル)
サンクレッド
「ハッ!昔のことは言いっこなしだ!」
「俺はな、ずっとワクワクしてたんだ!」
「本気のお前らと、こうやって戦えることをな!」
~ガンブレードの刃先をこちらに向けるサンクレッド~
サンクレッド
「来いッ!欲しけりゃあ、力ずくで奪い返してみろッ!!」
~インスタンスバトルに突入~
~ウクラマト、バクージャジャ、コーナ、ゾラージャはエリア外で戦闘している~
~冒険者・アルフィノ・アリゼー・クルルが、サンクレッド・ウリエンジェ・エスティニアン
と戦う~
サンクレッド
「サレージャ!こいつを頼んだ!」
~バナナの葉が入った箱を投げ渡す~
サレージャ
「っとと…まったく、外つ国の者は乱暴で困る…。」
~逃げるサレージャ~
エレンヴィル
「あいつ、逃げるようだぞ。俺はサレージャを追う。」
クルル
「エレンヴィルさん!無理はしないでね!」
コーナ
「ラマチ…すまない。この埋め合わせは必ず。」
ゾラージャ
「…妹が相手だからと、手を抜くなよ。」
ウクラマト
「くそッ…おい!バクージャジャ!来るぞ、構えろ!」
魔のバクージャジャ
「うるさいね!メスネコちゃんがオイラたちに指図するんじゃないよ!」
コーナ
「…ッ貴様ァ!妹にその口の聞き方はなんだ!訂正しろ!今ッ!すぐにだッ!」
~バクージャジャに銃を撃つコーナ~
戦のバクージャジャ
「痛ってぇ!このオスネコッ!ぶっ潰してやるよ!」
ゾラージャ
「…ウクラマト。来い、相手をしてやる。」
ウクラマト
「ゾラージャ兄さん…。兄さんはまだ、怖ぇけどよ…絶対にこの路は譲れねぇんだ!」
アリゼー
「…ッ…さすがにあっちは分が悪そうね…」
「私はウクラマトのサポートに回るわ!アルフィノ!そっちは頼んだわよ!」
~アリゼーが離脱する~
アルフィノ
「ああ!任された!」
エスティニアン
「アルフィノ…まさかお前と、やり合う日が来るなんてな。」
アルフィノ
「手加減は無用だよ。またキミに、「坊ちゃん」とは呼ばせられないからね。」
エスティニアン
「フッ…。言うようになったじゃないか。」
ウリエンジェ
「おお…まさにこの蒼天のような感情の昂り…。あれは、ええ…師、ルイゾワと初めて手合わせ
をした、若き日を思い出します。」
クルル
「ふふふ、ウリエンジェさんも、なんだかんだ男の子なのねえ。」
ウリエンジェ
「おっと、これは失敬。」
クルル
「でも、私もちょっとだけワクワクしてるかも。みんなと肩を並べるために学んだ術だもの。」
「この戦いに勝って、証明させてもらうわね!」
~しばらく戦闘が続く~
クルル
「さすが、やるわね…!」
アルフィノ
「【冒険者の名前】!ウリエンジェを狙うんだ!相手の態勢を崩すことから考えよう!」
サンクレッド
「おっと、お前の相手は、この俺だぜ?」
~サンクレッドの「挑発」が発動 ターゲットがサンクレッドに固定され、変更できなくなる~
エスティニアン
「ウリエンジェ!大技で決める!頼めるか!?」
ウリエンジェ
「承知いたしました。我が計略を、お見せいたしましょう。
フェーラド シ ハ クラーク レイア。」
~ピクシー族の秘術。周囲がかつての妖精郷のように霧に包まれ、
目の前のサンクレッド以外見えなくなる~
戦のバクージャジャ
「なんだぁ!?なにも見えやしねぇ…痛ッ!」
コーナ
「…さすが、打合せ通りですね…!」
クルル
「えっ!みんな!どこ!?」
アルフィノ
「クルルさん落ち着いて!闇雲に動くと、同士討ちの危険がある!」
「視覚に頼らず、エーテルを探るんだ!」
クルル
「わ…わかったわ!これが術で作られたものなら、どこかに結び目があるはず…!」
「……見つけた!そこね!」
ウリエンジェ
「お見事ですクルル嬢。ですが…。」
~クルルの攻撃で霧が晴れる。はるか上空から槍を構え、降下するエスティニアン~
エスティニアン
「こいつで…終わりだッ!」
サンクレッド
「ッな…!あのバカ!地形ごと変えるつもりか!?」
~エスティニアンのドラゴンダイブを受け止める冒険者~
~Active Time Maneuver~
エスティニアン
「受けきれるさッ!こいつならッ!!」
~完全に受けきる冒険者~
~COMPLETE!~
~凄まじい風圧。ショブリト灰戦場に堆積した灰が舞いあがり、再び何も見えなくなる~
~しばしのち、視界が開けるが、コーナ&ゾラージャチームの姿はない~
クルル
「……逃げられちゃったわね…。」
アルフィノ
「アリゼー!大丈夫か!」
アリゼー
「…平気…よ!…二人がかりで、あの強さ…!あれがゾラージャ王子…!」
ウクラマト
「…くそ…!やっぱ兄さんたちは…すげぇや…!」
~蒼天を見上げる冒険者。一瞬悔しそうに歯を食いしばるが、
仲間たちの強さに口元がほころぶ~
戦のバクージャジャ
「オイオイオイ!どうすんだよ、あれがなきゃァ、食材が揃わねェじゃねえか!」
クルル
「エレンヴィルさんがサレージャを追っているわ。連絡を待ちましょう。」
~エレンヴィルからのリンクパール通信~
エレンヴィル
「…すまない。サレージャに追跡がバレて…。あいつ、こんな森の中で
炎魔法を放ちやがって…。」
「…ああ、怪我はしていない。消火活動もイクブラーシャの皆が終えてくれた。だが…
目を離した隙に…見失った。」
クルル
「エレンヴィルさん、ありがとう。気をつけて戻ってきてね。」
魔のバクージャジャ
「つっかえないウサギチャンだね。どうすんのさ、これ。」
ウクラマト
「………」(悔しそうに顔を歪ませるウクラマト)
魔のバクージャジャ
「まぁいいさ。どうせ足りない秘石は、あとから奪えばいいんだし。」
~先ほどの戦いを思い出すバクージャジャ~
戦のバクージャジャ
「…奪えるのか…?あんな奴らから……。」
(不安げに俯く魔のバクージャジャ)
~試練を放棄して去ろうとするバクージャジャ~
????
「待ってくれ!」
~バクージャジャ一味のドプロ族が、小箱を持って現れる~
ドプロ族の剣勇士
「ハァ…ハァ…、足りないのは、これだろ…?」
戦のバクージャジャ
「こいつは…!ナジュールの葉じゃねェか!お前、どこでこれを!?」
ドプロ族の剣勇士
「ジャティーカ央森から直接採ってきたんだよ。あそこは俺たちにとって古巣だ。」
魔のバクージャジャ
「だけど、ここからゴルマジーカ密園まで往復する時間なんて、とても足りないよ?」
ドプロ族の剣勇士
「俺たちはマムークのエーテライトと交感してるんだ。余所者が置いたからと信用しなかった、
アンタと違ってね。」
「そこから相棒のヴィヴルに乗って、全速力で採ってきたんだ。密園のやつらも、試練に必要
だと言ったら、喜んで差し出してくれたよ。」
「どうだい?これがアンタの馬鹿にしてるドプロ族の…ヒトツアタマの力だ。」
戦のバクージャジャ
「………」
ドプロ族の剣勇士
「なぁ…お頭…。俺たちも、あの槍の兄ちゃんに言われて考えたんだ。」
「俺たちにも…いや…俺たちにしか、できないこともある。」
「アンタがマムークのために戦っていることはわかるけどよ…もっと、俺たちのことを信頼して
くれよ。」
「俺たちは…アンタの道具じゃねえんだ。」
戦のバクージャジャ
「……ケッ!」
魔のバクージャジャ
「今まで死人みたいな顔して、全部オイラたちに押しつけてたくせにさ…手柄ひとつ立てた
くらいで、いい気になるんじゃないよ。」
ドプロ族の剣勇士
「………」 (俯くドプロ族の剣勇士)
魔のバクージャジャ
「メスネコちゃんは感謝するんだね。オイラたちのおこぼれに預かれることをさ。」
アリゼー
「ぐぬぬ…あんたは何もしてないじゃないの…」
ウクラマト
「…ああ、感謝するぜ、バクージャジャ。」
戦のバクージャジャ
「あァ?」
ウクラマト
「実際、お前らがいなければ、アタシの「継承の儀」はここで終わっていた。お前らマムークの
連中がいてくれたから、路が繋がったんだ。」
「恥ずかしい話だけどよ…アタシはお前たちが抱えているものを、何も知らねぇ…」
「トライヨラで暮らすマムージャ族を見て、すべてを知ったつもりになってたんだ…。」
「だからさ、この試練が終わったら、話してくれねぇか?お前たちのことをよ。」
「アタシ…いや、アタシたちになら、できることがあるかもしれねぇ。」
「トライヨラのいろんなことをさ、知った上で、考えていきてぇんだ…。」
魔のバクージャジャ
「…ふん。調子の狂う奴だよ…。」
~背を向けて歩き出すバクージャジャ~
魔のバクージャジャ
「言っただろ?慣れ合うつもりはないってね…。」
戦のバクージャジャ
「…オレサマたちはもう、止まれねぇんだ…。」
ウクラマト
「バクージャジャ…。」
アルフィノ
「…行こう。私たちも、急いで準備をしないと。」
ウクラマト
「…ああ!最高のシャブルク・ピビルを作って、フンムルクを驚かせてやろうぜ!」
~食の試練、実食~
フンムルク
「ウクラマトたちは、まだ来ていないようだが…。」
サレージャ
「食材が揃わなかった以上、王女たちに勝ちはない。きっと諦めたのでしょうな。」
フンムルク
「……サレージャ殿。先の火災は、貴殿の仕業とのことだが…本当か?」
サレージャ
「なんと!そのような噂が立とうとは!よもや証拠もないのに、私がマムージャ族だからと
疑っているのでは?」
「やはりイクブラーシャとマムークの溝は、未だ深いと見えますなぁ…。」
~サレージャを睨みつけるサンクレッドたち~
サンクレッド
「逃走手段については任せていたが…、まさかそこまでやるとはな…。」
コーナ
「…この件の処断は、僕が王になった暁には必ず。」
サレージャ
「おお、怖い怖い。ささ、族長殿!ご指定のシャブルク・ピビルです。冷める前にお召し上がり
くだされ。」
フンムルク
「……試練は試練。公正に審議させていただく。」
~シャブルク・ピビルを食べるフンムルク~
フンムルク
「この香り、味、食感…間違いない。まさにシャブルク・ピビルだ。」
「この料理は、ふたつの部族の架け橋…。そのきっかけを作ってくださったのが、
ゾラージャ王子とコーナ王子…おふたりのお父上だ。」
「本音を言うなら…私はこの試練で、ヤクテル樹海に刻まれた戦いの歴史を知ってほしかった…」
「知った上で、このシャブルク・ピビルという料理を味わい、多種族が交わることで生まれる、
文化や平和の価値について考えてほしかったのだ。」
コーナ
「………」(バツの悪そうな顔をするコーナ)
ゾラージャ
「………」
フンムルク
「…しかし、レシピに貴賤はない…。どんな想いで作ろうが、それはシャブルク・ピビル
なのだ。」
「そして貴殿たちは指定通りに、完璧なシャブルク・ピビルを作り上げた。」
「よって、この勝負…ゾラージャ王子・コーナ王子の勝利とす…」
ウクラマト
「待たせたな!!」
コーナ
「…ラマチ!」(嬉しそうなコーナ。来ると思っていたぜ、という顔のサンクレッドたち。)
ウクラマト
「へへ…。なんとか間に合ったみてぇだな。さあ、アタシたちのシャブルク・ピビルも食べて
くれよ!」
フンムルク
「…ほう…、見た目は見事なものだが…味はどうか…。」
~シャブルク・ピビルを食べるフンムルク~
サレージャ
「…フ、フン。どうせ苦し紛れに作ったまがい物に違いない。」
フンムルク
「…こ…これは…!!」
「トラルコーンを薄く伸ばした生地は口当たりよく滑らかに仕立てられ、香辛料に漬け込まれた
イブルクの肉は臭みもなく、口の中でホロホロと解けていく…。」
「何よりこの鼻から抜ける、ベニノキを始めとするスパイス群と、それを包み込むような
ジャティーカバナナの葉の香り…」
「紛れもない…!これはシャブルク・ピビルだ!!」
サレージャ
「んなッ…!!」
「う…嘘をおっしゃい!同じシュバラール族だからと、忖度しているのではあるまいな!」
フンムルク
「…食べてみるといい。」
~全員、両チームのシャブルク・ピビルを食べる~
コーナ
「これは…!」
サレージャ
「お…同じだ…!いや、調理工程の端々に工夫が感じられる…まさか我々の作ったものより!?」
クルル
「ふふ…こっちには、調理のスペシャリストがいるからね。」
(得意げな冒険者)
サレージャ
「…だ…だが!バナナの葉は我々が独占していたのだぞ!いったいどうやって!?」
フンムルク
「そう、私もそれが気になった。よければ聞かせてくれないか。」
ウクラマト
「へへ…。バクージャジャたちがいたから、この料理が完成したんだ!」
~詳細を説明するウクラマト~
フンムルク
「ほう…マムークの者たちが…。」
ウクラマト
「それだけじゃねぇ…。他の食材の調達も、調理方法も…アタシひとりじゃ、何ひとつ満たす
ことはできなかった。」
「このシャブルク・ピビルは、シュバラール族とマムージャ族だけじゃない…」
「ここにいるみんながいたから、作れた料理なんだ!」
戦のバクージャジャ
「…オメーはなんにもしてねェじゃねえか。」
ウクラマト
「うぐっ…。」
クルル
「あら?ウクラマトはスパイスの調達を頑張ってくれたのよ?」
アリゼー
「ええ。あんたと私が、イブルクの肉を調達している間にね。」
戦のバクージャジャ
「…ケッ…。」
フンムルク
「…不思議なものだな。まるで彼女を中心に、ひとつの輪が結ばれていくようだ。」
「これがキミの作る、新しいトライヨラの形なんだね、ウクラマト…。」
ウクラマト
「ん?なんか言ったか?」
フンムルク
「いや…。なんでもないよ。」
サレージャ
「で、では…勝負はどうなるのだ…?」
フンムルク
「…私が出した課題は、シャブルク・ピビルを作ること。」
「ゾラージャ王子・コーナ王子は、私があらかじめ用意したバナナの葉を回収し、
理想通りのシャブルク・ピビルを作ってみせた。」
「一方、ウクラマト王女・バクージャジャ殿は、私の想定を超える方法で見事、
バナナの葉を入手し、シャブルク・ピビルを作ってみせた。」
「双方とも、課題の要件を満たしたとみて問題ない!」
「よってこの勝負、双方とも勝利!試練は皆、達成したものとする!!」
~喜ぶウクラマトたち~
サレージャ
「やれやれ…とんだ茶番に付き合わされたものだ。」
~ゾラージャは談笑するエスティニアンと冒険者を、ジッと見つめている~
~ショブリト灰戦場での、両者の戦いを思い出す~
ゾラージャ
「……ヴァリガルマンダとの戦いすら、全力ではなかったというのか…。」
~黙ってマムークへと歩き出すゾラージャ~
~バクージャジャはひとり、シャブルク・ピビルを見つめている~
戦のバクージャジャ
「………」
ウクラマト
「バクージャジャ。」
~手を差し出し、握手を求めるウクラマト~
「…もちろん、すべてを許したつもりはねぇよ。」
「けどよ、お前がいなかったら、この結果はなかった。」
「…ありがとな。」
戦のバクージャジャ
「……ッ!!」
「…チッ。」
~手の甲で、ウクラマトの手を弾き、握手を拒む~
ウクラマト
「痛ってぇ!」
戦のバクージャジャ
「テメェはイチイチ癇に障るんだよ…。」
~去っていくバクージャジャ一行~
アルフィノ
「これで残す秘石は、あと1つだね。」
アリゼー
「ええ。そしてここまで、全ての秘石を集めているのが、コーナ王子、そしてゾラージャ
王子…。」
「バクージャジャはどうするつもりかしらね。」
アルフィノ
「…ああ、気をつけたほうがいいだろう。彼が狙うとしたら…」
つづく。