目が覚めたらまだ夜明け直後で部屋の中はまだ薄暗く静まりかえっていた。
昨日夜中に雨が降っていたせいか肌に当たる空気はとても冷んやりとしていた。
・・・もうちょっと寝ていたいけど、起きちゃおうかな。
もそもそとベッドから這い出て着替えをして、日課になっているイシュガルドのモブハントに出かけることにした。
部屋から出て少し伸びをした後、私の相棒であるチョコボ「モミジ」に跨りおはようと挨拶をした。
「おはよう主。今日は随分と早起きではないか?」
超える力に目覚めてからモミジと会話が出来る様になった。モミジは私の事を主と呼びとても慕ってくれていた。
「ちょっと早くに目が覚めちゃってね。まだ早いけどモブハントに行くよ」
「了解した主」
クルザスの雪原を駆けながらモミジと世間話をするのはいつものこと。モミジは私より年下なのにとても物知りでとても紳士だ。
「そういえば、今日は土用の丑の日であるな。主は今日ウナギを食べるのかね?」
モミジがそう尋ねてきた。
「モミジ・・・。君、どこでそんな事を覚えてくるの?私だって忘れてたよ!」
「何、昨日同じ厩舎のチョコボとの会話の中にその話題があってね。興味があったのでそのチョコボに詳しく教えてもらったのだ」
チョコボのコミュ力恐るべし。っていうかなんて庶民的な会話をしてるんだ!
けど、ウナギか〜。最近食べてないなぁ。なんだかとても食べたくなったよ。
そういえば、私調理師のレベルが60になったんだし、今ならウナギの蒲焼きくらい作れるようになってるかも?
そんな淡い期待を胸に手帳を開きレシピを調べてみた。
うな重御膳 製作レベル80
ガッデム!うな重なんてはるかな高みだよっ!
シクシクと泣きながら手帳を閉じると、モミジが慰めるように
「うな重でなくとも別のうなぎ料理でも良いのではないか?他のレシピなら作れるかもしれないのではないか?」
「確かに・・・、どれどれ?」
イールパイ 製作レベル25
秘製イールパイ 製作レベル50 (調理秘伝書・第1巻)
ウナギのパイ?ちょっと味が想像出来ないんだけどっ!
「とある島国(イギリス)の伝統的な郷土料理らしい。吾輩も食したことはないが」
うーん、あの国の料理か・・・。あの国の料理はおいしくないって評判だからなぁ。
けどまあ、イールパイの方は簡単に出来そうだ。秘製イールパイは秘伝書がないと出来ないけど・・・。
「いやっ!ここで妥協したらダメだね!私は秘製イールパイの方を作るよっ!」
「けど主。主は秘伝書をもっていないではないか?」
そう、だから獲得するよっ!今日中にミッションを達成する為にっ!!