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7.0 夏の読書感想文

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  「知るための旅を続ける者」
  「知ることに気づき、受け入れる者」
  「知ることを恐れ、拒んだ者」

思えば私はこれまでずっと物語の主人公だった。

冒険者。光の戦士。英雄。解放者。闇の戦士。星を救いし者。

私を知る人からは様々な認識をされている。「暁の血盟」の一員と思っている人もいるだろう。長かったような短かったような、時間の感覚は曖昧だけれども、最前線にずいぶん立ち続けていた。

それでもやはり私は冒険者なのだ。もっと言えば、何の因果か「アゼムのクリスタルを持つ者」である。こればかりは否定しようがない。見知らぬ土地へ行き、その土地の人々や文化と出会うのが好きなのだ。そこに理由なんてないのだ。あるとしたら「アゼムのクリスタル」に尽きるのだ。

そんななか、「私を王にするのを手伝ってほしい」という話が舞い込んできた。なんだか面白そうだなと思っていたら、気づいたらトラル大陸の大地に立っていた。

「私を王にしてほしい」と声をかけてきた彼女は、とても気持ちのいい性格だった。いろいろな課題を真正面から、彼女なりに挑んでいた。そして、彼女自身は気づいていないかもしれないが、おそらく隠し事ができない性格だろう。そんな彼女を見ているうちに、わりと本気で「彼女を王にしてあげたい」と思ってしまった。

彼女の成長を見守るのが、とても楽しかったのだ。

つまるところ、この物語の主人公は私ではなく、彼女なのだ。




彼女の歩みを、すぐ近くで見続けてきた。彼女の物語はまだ終わっていない。むしろこれからだろう。そのことは彼女自身も自覚しているはずだ。彼女が今抱えている問題は、とても多い。

その「問題」の話をするためには、やはり、もうひとりの「彼女」のことに触れないといけないだろうか。



「彼女」は、立場的にも性格的に彼女と近い部分もあった。

私が「彼女」のことをどれだけ「知っている」か分からないのだけれど、「彼女」はなんというか、掴み所がない存在だった。私が直ぐ側で見てきた彼女とは逆。何を考えているのか、本当のところを、大事なところを話そうとしない……あるいは話せない……のだ。なにかしらの事情があったのかもしれないけれど、結果的に掴み所がないと感じてしまった。

今、「彼女」と会話をすることはもうできない。ただ「彼女」は、民を思う心優しい王だったのは間違いないだろう………いや、「優しすぎた」のかもしれない。

優しすぎるあまりに、民を傷つけたくないと思うあまりに、きっと「彼女」は「彼女」であることを辞めたのだ。

私は思う。私が新大陸でともに旅をし、成長していくさまを見てきた彼女が、「彼女」と同じ立場だったらどうしていただろうか、と。

今の彼女ならきっと、民の想いを「知ろうとした」だろう。

もちろん理王にも相談するだけれども、あの旅を通して「知ること」の大切さを知った彼女なら、きっとそうしたのではないだろうか…………

かたや亡国の「彼女」は愛する民の声を「知ること」が出来なかった。躊躇ったのか、恐れていたのか……「知りたい」と思っていたとして行動に移せなかったのは、「彼女」が「優しすぎた」が故なのだろうか………「彼女」が彼女ともっと早くに出会っていれば、歴史は変わっていたかもしれない……って、私の想像でしか無いのだけれどね。



さーて。彼女の物語にもう少し付き合うことになりそうだ。彼女が何を想い、どんなことをするのか、見守りたいって素直に思う。それはそれとして、私は私で並行して「暁」的な行動も増えていきそうな気配だ。今回の彼女の旅に同行したことで、思わぬ世界の広がりを目にしたわけで。私の好奇心は刺激されるばかりだ。



ならば、覚えていろ。
私たちは……確かに生きていたんだ。
Remember us...
Remember... that we once lived.



あの時の彼の声が蘇る…。
覚えておくべきことが、またひとつ増えたよ。
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