(
前回までのあらすじ)
蒼天、紅蓮、漆黒、そして暁月の極をほとんど消化していないことに気付いたモー・カリマッカ。
彼女は最新パッチの6.1と6.2の極にはわっしょいわっしょい、と参加していたがそれはつまり流行っているから私もやってみよ~、ぐらいのノリであって、本当の意味での極、というか過去コンテンツをまったくやってなかったことに今さらながら気づいたのだ! どうして今まで気づかなかったのか! それは誰にもわからない……。わからない……私は何も、分からない……。
「というわけで島なんかに行ってる場合じゃねーのです! 今! トレンドは蒼天極っす!」
鼻息も荒く、リムサでフレさん相手に独自理論で気炎を上げるモーである。
今まで全然消化してなかった蒼天以降の極。
それを順番に平らげて片付けて飲み込んで、立派なヒカセンとして若葉さん相手にぶいぶい言わせたい気持ちが彼女を動かしていたのだ。
具体的にどうぶいぶいするのかは、彼女にも分かっていない。
「もう島のランク9にあがりましたにょろ^^」
そんなモーが気炎を上げている相手は最近、無人島が解放されて、島でぶいぶい言わせてる豪のフレさんであった。
モーは島のランク4である。ぶいぶい言わせているフレさん相手に、モーは「す、すごいですぶー……」と豚の鳴きまねをして打ちひしがれる。ぶいぶい言わされてしまった。
とにかく、
「それは立派です! でも島より今は極なのです! お時間あればよろしくお願いしたい所存なのです!」
「もちろんいいですにょろ^^」
「やったー! 骨は私が拾ってやるっすー! 総員突撃だー!」
快諾だった。
気を良くしてぴょんぴょんと飛び跳ねながらモー・カリマッカはPT募集のコマンドを呼び出した。
他にもフレさんに声をかけるとみんな快諾してくださって、「ありがたいっす……!」とモーは思った。
ところで、彼女はわりとビビりである。
知らないコンテンツや難しそうなコンテンツを前に臆すこと幾数回。
「ヤバ目のコンテンツにヒラで行くなんて責任重大すぎて無理っすよ~……おぇぇ」と緊張のあまりえづいては、怖気づいて「若葉さんを見て心を落ち着かせよう」と無駄にサスタシャへのCF申請をするぐらいビビりであった。
あぁ~、サスタシャ落ち着く……。スキル少ないから落ち着く……。
だが、
(ふふふ……私だって無駄にヒカセンをしていたわけじゃないっすよ……知ってるっす……)
そう、今回の狙いである極ビスマルクと、極ラーヴァナは、まだ簡単な部類の方である、ということをモー・カリマッカは噂で聞いていたのだ。
(くじら蛮神もくわがた蛮神もさくっとやっつけてやるっす! くっくっく……)
油断であった。
そのララの小さな身体全部に傲慢と増長を漲らせ、彼女は極ビスと極ラーヴァナは未予習で行く、と宣言したのである。
(そして……ふふふ、未予習であることをPT募集文章に書いて、しかも初心者歓迎アイコンもつけておけば、私が床を舐め舐めしはじめても大目に見てらえるかもしれないっす!)
姑息であった。
そのララの小さな身体全部に保身と言い訳を詰め込んで、仮に死んだ時にも、ごめんぺろ☆彡 する気まんまんなのであった。
せっかくフレさんたちが手伝ってくれているというのにそんな心構えでいいと思っているのかモー・カリマッカ! ごめんぺろ~☆彡
PT募集文章を書きながら、モーはちょっと緊張しはじめている自分に気付く。
(ぐ……! ちょっと手汗かいてきたっす! それに今さらこんな蒼天極の募集に人が集まるかなっていう不安があるっす……)
時間がかかるようなら、ちょっとだけ……ほんのちょっとだけ、極ビスと極ラーヴァナの攻略情報をネットで検索してみようかな、と思った。
カンニングである。募集文に「未予習です!」と書いているのにそれを裏切るような行為だ。
保身が、彼女を卑劣へと走らせたのだ。可哀そうな子なのだ。ビビりだし。
とはいえ、モーが思った通り今さら蒼天の極挑戦募集に人が来てくれるかは読めないところであった。しかも平日の月曜だし。
(募集文をかっこよくしてみるっすか? そうだ! ラップで募集したらナウなヤングにバカウケあげぽよマジ卍っす……)
モーは韻を踏んでみることにした。
いくぜみんなで極に挑戦♪ いのち知らずの私たちヒカセン♪ 床をなめてるやつはほっとけん♪ 気付けば私が転がってる不思議ね♪
しかしそれだと募集文の文字数制限にひっかかるであろうことは明白だった。
(ぐっ! 私、チルなラッパーになれないっす……! しょうがない、普通に書こう……えっと、未予習です……と)
募集は書いた。
あとはまだ見ぬ心優しいヒカセン様が、「しょうがないにゃぁ……」と罠にひっかかるのを待つばかりである。が、望みは薄いかも、とモーは思った。フリースタイルの猛者はこれじゃ集まらないよぉ><。
しかし、
「ふぁぁ!! 思ったよりどんどん人来る~!!」
びっくりしたことに、募集を開始して3分も経たないうちにぽん、ぽん、とヒカセンさん達が集まってくださったのだ。こんな明らかに地雷な未予習のPT募集に来てくれるなんて優しさの塊ですか!? とモーは思った。
おまけに、別のフレさんもPT募集を見て枠に入ってくださったのだ。FC運営もされてて、バハムート挑戦の時にもお世話になった凄腕のヒカセンさんである。知らないマクロを、すい、と出してくるのに定評がある。どうして持ってるんだろう。
「うぅ~……待ったなしっすぅ……」
気づけば、募集を開始してから10分もしないうちに枠は埋まってしまったのだった。
心の準備が、間に合わない! 攻略情報など見る間もなく、本当の未予習で突入せざるを得なくなってしまった。
「お、お集りいただきありがとうございますです! レディチェしてとちゅにゅうしゅるっしゅ!!」
一応、チャットでは誤字無しで打ててはいたが、心の中ではあわあわで噛み噛みな感じで彼女は突入を宣言した。
軽い気持ちで始めた極挑戦が、ついに始まっでしまったのである。
極が、始まる───!!
→◆第1R 極ビスマルク戦
Fight!!!
「くじらめ~! ベーコンにしてやるっす~! あぅ!!」
モーは雷を受けて死んだ。PTのみんなはすごい上手だったので、1発でクリアできた。
→◆第2R 極ラーヴァナ戦
Fight!!!
「くわがた~! 標本にしてやるっす~! あぅ!」
モーは何か炎みたいなのを喰らって死んだ。PTのみんなはすごい上手だったので、1発でクリアできた。
「う、うぅ……ありがとうございますっす~……」
モーはボロボロになりながらもどれも1発挑戦でクリアできたことに感謝の念を捧げる。
ありがとう……平日なのに今さら蒼天の極募集に来てくれたヒカセンの皆さま……!
モーは、ほぼ戦闘では役にたっていない。
白で参加したが、LV60スキルに一瞬戸惑って、まだ使えないハートオブラプチャー(アビ範囲ヒール)のボタンを叩いて、慌ててケアルガにしたり、ディバインベニゾン(バリア)を使おうとしてまだ使えないことに気付き慌ててアサイラム設置をしようとしたりと、さんざんである。
(うぅ……ヒラの仕事あんまりできなかった気がするっす……)
相方ヒラさんが優秀だったからクリアできたのだ、とモーは思った。
でもこう考えてみよう。
我々はフルパーティーで挑んだのだ。パーティーとは一心同体。みんなのクリアは私のクリア。私のクリアはみんなのクリア。
(そう……だから私も胸を張って、極ビスと極ラーヴァナ、クリアしたって言えるっす!)
モーは自分を騙すのが比較的得意であった。心のどこかから、「それは……出荷じゃ……」という声が聞こえてきた気がするが、モーは無視した。データ上ではアチブが全てである。私はアチブをゲットしたぞ!!(言い聞かせ)
「じゃあ、次は極ニーズですかや?^^」
「ぎくっ」
「ニーズから先は難易度が跳ね上がるぞ! ははは!」
「ぎくっ」
「ヒーラーが大変って聞くなぁ、ニーズは」
「ぎくぎくっ」
しばしの間、余韻に浸っていたモーだったが、フレさんたちの言葉に我に返る。
そう、蒼天極でも(比較的)簡単と言われるビスマルクとラーヴァナはもうクリアしてしまった。
極ナイツは、以前に何かの拍子でお邪魔させてもらったフレさんのPTでたまたまの偶然によりクリアしてしまったのである。
なので、順番的には次は極ニーズであった。
「え、えっと……。そうっすね、まあ焦る必要もないし……ちょっとずつ進めてこうかな……なんて……えへw」
モーは早くもざわざわしはじめた鶏心臓(チキンハート)を抑えつつ、目を泳がせたのだった。
「つ、次はヒーラーじゃなくて、DPSで挑戦するのもありかな~っす……なんて……えへw」
彼女は───悲しいぐらい臆病(ビビり)であった。
その後。
こっそりと極ニーズの攻略動画を見て、「……やっばぁ……」と呟くモー・カリマッカがいたとかいないとか。
そして彼女がいつもお世話になってる、ネットの「予習室」でも攻略情報を見ながら「……覚えられないっす……難しそうっす……」と呟くモー・カリマッカがいたとかいないとか。
蒼天・紅蓮・漆黒・暁月の極めぐりはまだ始まったばかり。
彼女の行く手には色々と立ちはだかっているものがあるだろう。
戦えモー・カリマッカ!
突き進めモー・カリマッカ!
つづく!(かどうかは分からない、ドキュメント(風)日記)
参加してくださった皆様、ありがとうございました~!
またやるかもです……。
でも極ニーズはこわいっす……(びびり)。