キャラクター

キャラクター

  • 0

レオニア王国記 第八話中編 東方より来た男

公開
   <第八話前編へ>   <目次へ>   <第八話後編へ>


様々な出来事が慌ただしく過ぎていった王城ツインレオ。 時刻は昼過ぎのこと……。

王城の裏門に、三人の人影が近寄っていく。
白っぽい髪のミコッテ族の青年と、黒いグラスをかけた軽装の騎士風の男 そして…
フードをかぶり、顔を見られないように当たりを警戒しながら進んでいる人物。

「シンシン そんなに警戒してたら逆に怪しまれるって。 もっと堂々と行かなきゃ。」

ミコッテ族のアサギはフードをかぶった人物に声をかける。

「彼を王城まで連れ込んでどうするつもりだ? 彼は生き別れの兄を探しにレオニアに来たと言うが。」

騎士風の男 S.P. と呼ばれている彼はアサギに話しかけた。

「お城にそれらしい人がいるでしょ? だから実際に会って確かめてもらおうと思って。」

「軽々しく決めていいのか、まったく……。」

裏門にたどり着くと、門番の兵士が二人で見張りをしていた。

「お二方もお務めご苦労であります。 しかし、一人見慣れぬ者がおられますが……?」

門番達はフードをかぶった人物を凝視し、警戒感をあらわにする。
そんな彼らをよそに、アサギはお構いなしに話し出す。

「この人は、今日から僕たちの新しい仲間になったんだよ!」

「新人の護衛? そのような話は聞いておりませんが?」

「うん さっき決まったんだ!」

「さっき?! それはあまりにも無謀ではありませんか! その者がもし敵国の間者だったら……」

と、その時門の扉が開き、青い髪のミコッテ族の青年が現れた。
門番の二人は彼に敬礼をする。

「皆、そこを通してあげて。」

「あ! アルザ王子ー!」

その者はフード越しにアルザ王子と言われたミコッテ族の青年を見て、その凜とした
立ち振る舞いに感心する。

「この者を僕の客人として王城に招待する。 アサギ 護衛を頼めるかい?」

「やったー! 中に入れるー!」

「……しかし、いいのですか?」

はしゃぐアサギを横目に不安がる門番達。

「心配には及ばない。 この者の行動はアサギと俺が見張っておく。 それに今のところ不審な
 そぶりは見せていない。 今回はアルザ王子に免じて通してやってくれないか。」

「王子様とS.P.様がそう言うのであれば…。 そこの者、通りなさい。」

「ありがとう。 では僕の部屋へ案内するよ。 詳しいことはそこで聞かせてくれないかな。」


アサギ S.P. フードの者はアルザ王子に連れられて、彼の私室へ招待される。
そこは私室と呼ぶには広く、十人前後のお茶会が開けそうなほどで、テーブルと椅子が五脚ほど
用意されていた。

「さあ、みんなどうぞ座って。」

「王子、お心遣い痛み入るが、俺は部屋の外で護衛をさせてもらう。 詳細は
 アサギとその者に聞いてほしい。 後アサギ、話が終わったらこの件を俺と一緒に王様に報告
 それから俺の特別訓練を受けてもらう。 お前の限界を見せてもらうから覚悟しておけ。」

「特別訓練……」

周囲の者からは、その時のアサギの顔が みるみる青ざめていったように見えた。
S.P.はそう言った後、一人部屋の外に出て行く。


「さて、ようこそレオニア王国 王城ツインレオへ。 僕はアルザ。 君の名前は?」

「……ヤシンといいます。 貴方がアサギさんの言っていた王子でありますか?」

「うん、そうだよ。」

三人はテーブルの思い思いの椅子に腰掛けて話を始める。
そしてフードの者… ヤシンの言葉にに微笑みながら答えるアルザ王子。 

「自分のこの姿を見て、警戒をしないのですね……」

「アサギが連れてきて、S.P.も王城への同行を許してくれているから警戒する必要はないと思う。」

「そうだよ! それにシンシンはとても腕が立つんだ! だから護衛にぴったりかなと思って!」

「アサギがそう言うのなら見込みは十分ありそうだね。」

アルザ王子の返事に 「エヘヘ」 と照れくさそうに尻尾を揺らしているアサギ。

「ところで 『シンシン』というのは?」

「それは、城下町にて彼につけられたあだ名です。 自分は遙か東方よりこの地に辿り着いた者。
 ……仕える主と、兄を捜しております。」

「君にはお兄さんがいるのかい?」

「はい。 自分がまだ幼き頃に…… 離ればなれになった。」

アルザ王子はヤシンの言葉にうなずきながら、考える仕草をした。

「ではこのお城の護衛の一人として雇ってもらえないか、父上に相談してみよう。
 そして君のお兄さんの情報が入ったら伝えてもらうようにするよ。」

「しかし… そこまで迷惑をかけるのは。」

「大丈夫 安心して。」

「よかったね。 シンシン。」

笑顔でヤシンに語りかけるアルザ王子とアサギ。

「僕たち三人で父上に報告に行こう。 じゃあ、君にこれをつけておくよ。
 このバッチは王城の客人としての証になる。 ただし自由に行き来できるところに
 制限があるから、衛兵たちの指示には従ってね。」

アルザ王子は、ヤシンのフードの襟元に獅子の紋章の入った青いバッチを取り付ける。

「何か困ったことがあったら、近くの侍従達に話しかけてね。」

「かたじけない。」

「じゃあ、あとでねシンシン!」

アルザ王子とアサギは、S.P.と共に国王の元へ報告に向かっていった。
彼らを見送った後、王子の部屋に一人残されたヤシンは、しばらく思案した後、
一人で城内を散策することにした。



一方、国王の執務室に向かった三人。 扉の前に立つ衛兵に用件を伝え、中に入れてもらう。
執務室には数多くの書物と書類が整頓された状態で置かれていて、部屋の隅にはその季節の花が
いけられた花瓶 壁のある面には、建国王から先代までの国王の小さめの肖像画が並んでいる。

その時、レオニダス王は一人で書類の作業におわれていた。

「失礼します。 アルザ S.P. アサギ 入ります。」

「さて、用件は何かな? 片付けておきたい事がまだ残っているが、今ちょうど切れのいいところでね。
 話を聞かせてくれ。」

扉が開き、三人が入ってきたのを見て安堵したかのような表情を見せ、近くに
来るよう促す。

そして三人はヤシンのこと、彼の目的、護衛として彼を雇えないかを話した。

「そうか それで彼はここに来たか。 ……東方の国からか、なかなか興味深い。
 腕の立つ人材は歓迎だ。 では彼を王子達の護衛の一人として雇おう。 そうだな
 彼はアサギの同僚として働いてもらおう。」

「陛下、本当によろしいので?」

三人の話を聞き、護衛として採用することをあっさりと決めるレオニダス王。
それに対して不安の声を上げるS.P.

「うむ。 ただ、彼に一度会わせてほしい。 俺も彼と会って話をしてみたいのでね。」

「陛下がそうおっしゃるのであれば異論はありません。」

「やったぁ! 仕事仲間ができた!」

「父上、ありがとうございます。」

「では早速手配させよう。」

レオニダス王は机にある呼び鈴を鳴らして侍従を呼び、ヤシンの部屋の用意などを命じた。
用件を聞き終えた侍従が退室した後……。

「では この後アサギの特別訓練がありますので、これにて失礼いたします。 さあ、いくぞ。」

「あ、痛い痛い! 急に引っ張らないでよ!」

アサギの腕をつかみ、強引に彼を連れ出すS.P. 半ば呆然と見送るアルザ王子とレオニダス王。
程なくして、それではと、挨拶をして部屋を出るアルザ王子。


アサギはS.P.の特別訓練によりたっぷりとしごかれ、夜、ブラマールに背負われて
自室に連れて行かれたという。
コメント(0)
コメント投稿

コミュニティウォール

最新アクティビティ

表示する内容を絞り込むことができます。
※ランキング更新通知は全ワールド共通です。
※PvPチーム結成通知は全言語共通です。
※フリーカンパニー結成通知は全言語共通です。

表示種別
データセンター / ホームワールド
使用言語
表示件数