断罪党の旗艦アスタリシア号での会談は、緊張の中で始まった。
シカルドが求めたのは、蛮族との融和路線の撤回。
だが、メルウィブ提督は過去と向き合い、未来を見据えた言葉を投げかける。
リムサ・ロミンサが略奪の街であった歴史を否定せず、それを越えて進むべき航路を示したのだ。
理屈では退けられずとも、シカルドは「海賊」としての矜持を捨てきれず、決闘を申し込む。
提督はその挑戦を正面から受け止めた。
刹那、銃声が轟き、アナイアレイターの弾丸が荒波を撃ち抜く。
しかし最後に場を収めたのは、病床から姿を現したヒルフィルだった。
「俺たち断罪党は、この国という船に乗ったんだ。
その船長がメルウィブである以上、行き先を決めるのは彼女だ――」
老いた海賊の叱咤は、シカルドの反発を押しとどめ、新しい断罪党の未来を指し示した。
こうして、三大海賊すべてが融和路線に同意するに至ったのである。
帰路、仲間たちの言葉が耳に残る。
アリゼーは、シカルドの苦悩に理解を示しながらも、意志を貫いた提督を評する。
「生き方を変えるのは難しい……でも、前を向く強さが必要なのよね」
グ・ラハ・ティアは、真摯な眼差しで続けた。
「絶対の正しさなどない。だが、それでも意志を通さねばならない時がある。
……立派だよ、メルウィブ提督は。彼女の繰る船に、いい風が吹くといい」
アルフィノも安堵の笑みを浮かべる。
「決闘が始まったときはどうなることかと思ったが……丸く収まってよかった」
こうして嵐は一つ越えた。
だが、提督が言ったように、真の荒波はこれから先に待ち受けているのだろう。