https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240510/k10014445891000.htmlhttps://swc.nict.go.jp/extreme.html「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面の巨大な爆発現象が5月8日から10日未明にかけて
5回連続して発生し、電気を帯びた粒子が10日夜にも地球に到達する見通しです。
通信衛星やGPSなどに影響が出るおそれがあり、情報通信研究機構が注意を呼びかけています。
SSはイメージに近い既出の画像を並べただけです
情報通信研究機構によりますと、8日から10日未明にかけて「太陽フレア」と呼ばれる太陽表面での
爆発現象の中でも最大クラスに分類される、巨大な爆発が5回にわたって発生しました。
この「太陽フレア」によって、陽子などの電気を帯びた粒子が大量に放出されていて、
早ければ10日夜にも地球に到達する見通しだということです。
このため、10日夜から数日にわたって通信衛星などの人工衛星やGPSの位置情報、
それに短波の無線通信などに影響が出るおそれがあるとしています。
情報通信研究機構宇宙環境研究室の津川卓也室長は「この短い間で5回連続というのはとてもめずらしい。
人体に影響が出るほどではないとみられるが、GPSの利用や一部の無線通信などに影響が出る
おそれがあるので、数日は注意してほしい」と話しています
2024年~25年にかけてが、11年周期と云われる太陽の活動期のピークです。
ここ数年は強力な太陽フレアにご注意下さい。
といっても 後述するように どうしようもないんですけどね。
太陽フレアの強度を表わすXの値が今回は2.2でした。過去にはX45(今回の20倍以上)の
フレアもおきています。フレアのためカナダで大規模な停電が起きたこともあります。
後で詳しく書きますが、このクラス以上の太陽風が直撃すると、あらゆる電波通信が障害を受けます。
携帯電話 地上 衛星放送 ラジオ 各種無線、GPS、航空無線がダメになり飛行機は飛べません。
電磁パルスで電子機器が壊れます。
航空を飛んでいる航空機には危険なレベルの放射線がふりそそぎます。
送電線が帯電し 各地の変電所の高圧トランスが焼き切れ、停電します それも下手すると
年単位で。交通はとまります。それも世界規模で・・・・。
太陽フレアとは、太陽における爆発現象。別名・太陽面爆発
太陽で不定期に発生する爆発的な増光現象。
小規模なものは1日3回ほど、地球に影響を与えうるほど大規模なものは数年に一度程度発生。
大きな太陽フレアは白色光でも観測されることがあり、白色光フレアと呼ぶ。
太陽の活動が活発なとき(特に太陽極大期)に太陽黒点の付近で発生する事が多く、
こうした領域を太陽活動領域と呼ぶ。
概要
太陽周囲の磁場エネルギーが急速に光・熱・非熱的な粒子のエネルギーに変換される現象。
そのエネルギー解放量は、水素爆弾10万〜1億個のエネルギーに相当する。
太陽系内で起こりうるエネルギー解放現象としては最大。
フレアループ
太陽フレアに伴って形成される特徴的な構造物。大きさ1~10万km程度のループ状の磁力線に
プラズマがまとわりついたもの。数千万度の温度に達し、熱的な軟X線放射により輝く。
磁気リコネクションにより上空からプラズマが降り注ぐことでフレアループのような構造物が
形成される。
太陽フレアに伴って多量の非熱的粒子が加速されていると推定されており、
これらの高エネルギー粒子が硬X線放射やガンマ線放射を引き起こす。
このような非熱的粒子の加速機構、加速場所、輸送については詳細は不明
衝撃波やプラズマ噴出(太陽風)を伴い、時に地球に接近して、磁気嵐を起こす。
発生メカニズム(推定含む)
等級
太陽フレアには大小様々な規模のものがある。太陽フレアの規模を評価する指標として、
以下のようなものがある。
X線等級
X線強度による等級は、現在最も広範に普及している太陽フレアの規模の指標である。
太陽全面から放射されるX線強度の最大値によって、低い方からA, B, C, M, Xの5つの等級に
分類されており、Xが一番強い。10倍ごと(1桁上がるごと)に1つ上の等級となる。
各等級はさらに1-10未満の数字で区分され、これらを組み合わせて「C3.2」というように表される。
例えば、X2フレア (2 x 10-4 W/m2)は、X1フレア (10-4 W/m2) の2倍の強度、
M5フレア (5 x 10-5 W/m2)の4倍の強度であることを示す。
Xクラスの上はないため、Xクラスの数字は10を超えることがある。
この値は、アメリカのGOES衛星が常時観測している大気圏外の波長100 - 800ピコメートルの
X線の流束(単位:ワット毎平方メートル = W/m2)に基づく。
Hα等級
GOES衛星の打ち上げ以前、太陽フレアの観測初期から用いられている太陽フレアの等級である。
地球への影響・被害
フレアが発生すると、多くのX線、ガンマ線、高エネルギー荷電粒子が発生し、
太陽表面では速度1000km/s程度で伝播距離50万kmにも及ぶ衝撃波が生じる事もある。
またフレアに伴い、太陽コロナ中の物質が惑星間空間に放出されることがある(コロナ質量放出 )。
高エネルギー荷電粒子が地球に到達すると、デリンジャー現象、磁気嵐、オーロラ発生の要因となる。
さらに、大規模なフレアの発生により太陽風が爆発的に放出されて太陽嵐となり、
地球上や人工衛星などに甚大な被害を及ぼす恐れがある。
2003年には、大規模なフレアが頻発し、デリンジャー現象により、地球上の衛星通信、
無線通信に多くの悪影響を与えた。また、地球磁気圏外では、フレア時のX線、ガンマ線による
被曝により、人の致死量を超えることもある。
フレアによる放出物とその影響・範囲
放出物 影響範囲 地球への到達時間 主な影響
電磁波(電波バースト) 地球電離層 光速度(8分程度=観測と同時)
X線などの作用で電離層D層の密度が増大、短波(HF)通信の障害(デリンジャー現象)を引き起こす。
高エネルギー粒子(太陽プロトン現象) 宇宙空間(地球磁気圏外)、極域・高緯度の地球電離層
30分程度 - 数日 地球磁気圏に捉えられた陽子・電子の作用で放射線帯の放射線量が上昇、
宇宙活動を行う人間や高高度を飛ぶ航空機への影響、人工衛星の障害を引き起こす。
また、極域・高緯度地域では陽子・電子が大気に突入してD層の密度が増大、
短波通信の障害を引き起こす。
プラズマ(コロナ質量放出) 地球磁気圏内 2日後 - 1日後位 南向き磁場をもつプラズマが
磁気圏との相互作用で流入、オーロラや地表の磁気嵐を引き起こす。
また電離層の密度減少(電離圏嵐)による通信障害も引き起こす。
電子機器への影響
太陽嵐が起こると、8分程度で電磁波が地球に到達して電波障害が生じ、数時間で放射線が到達。
数日後にはコロナからの質量放出が地球に届き、誘導電流が送電線に混入し、電力系統がおかしくなる。ただ単に停電するのではなく、電機・電子系統に瞬断やEMP(電磁パルス)被害が出る。
特に宇宙空間にある衛星(通信衛星、GPS衛星、気象衛星、偵察衛星など)や、
巨大なアンテナとして働く送電線の被害が起こる。
100年に一度の頻度で発生する極端な宇宙天気現象(エクストリーム・イベント)によって
次のような被害が生ずると考えられる。
通信・レーダー
HF(短波)は発生直後から2週間に渡り断続的に使えなくなる。
VHF・UHFは2週間に渡り昼間使えなくなる。
携帯電話も昼間使えなくなる。
L帯を用いる衛星通信も2週間断続的に使えなくなる。
同様にレーダーも使えなくなる。
衛星測位 GPS
断続的に数十mの誤差、ないし測位不能の状態になる。
衛星
帯電により多くの衛星が機能の一部ないし全てを喪失する。太陽電池が大幅に劣化する。
空気抵抗の増大で低軌道の衛星の運用寿命が極端に短くなる・落下する。
軌道が乱れデブリの発生リスクが増大する。
発電所・送電網
保護装置が誤作動し大規模停電になる。日本のように多くの国で変電に交流方式がとられているため、
太陽フレアによりいわば直流の地磁気誘導電流が過大に発生すると、一部変圧器が加熱して損傷する。
これ以外にも想像していない被害に見舞われる恐れも有る。
これらの被害により生産、輸送、インフラの多くが連鎖的に機能喪失、
膨大な二次被害が生じる。被害の全容を想定する手法は定性的にも定量的にも確立されていない。
被害の実例
カナダのケベック州で大停電を引き起こした1989年3月の磁気嵐
人工衛星「あすか」の機能停止(2000年)
小惑星探査機はやぶさにダメージが生ずる(2003年11月4日X28フレア)など。
2022年2月にスターリンク衛星が49機まとめて打ち上げられたが、うち40機が空気抵抗の増大で
落下し失われた。
衛星観測が始まって以来のフレア等級で過去最大だったのは、2003年11月4日のフレア。
このときはGOES衛星でX28を記録したことが報じられたが、後に電離層への影響から更に大きい
X45相当であったとする研究も報告されている。
太陽以外の恒星で度々観測される超巨大なフレアを「スーパーフレア」と呼び、
太陽でも過去に起き、今後も発生する可能性があると警告する研究者もいる。
屋久杉の年輪などに痕跡が残る「775年の宇宙線飛来」発生源についての仮説の一つでもある。
2008年、全米科学アカデミーは『激しい宇宙気象――その社会的・経済的影響の把握』という報告書で、
強力な太陽フレアが地球の磁場を混乱させ、強力な電流によって高圧変圧器が故障し、
大規模な停電を引き起こす恐れについて指摘。
もしそうなれば、米国だけで最初の1年間で1兆〜2兆ドルの被害が出て、完全復旧には4年〜10年
かかることが予測される。大型の変圧器は調達に年単位の時間がかかり、電力網が世界規模で
破壊された場合に生産はほとんど出来ないとされる。また超高圧送電線の敷設にも時間がかかる。
フレアの予測と予報
大規模な太陽フレアが発生すると地球上に甚大な被害が及ぶ可能性があることから、
フレアの予測・予報に関する研究が進められている。太陽フレアは太陽の磁気活動と
密接に結びついているため、太陽活動周期や黒点の数などからある程度はフレアの発生頻度を
予想することはできる。しなしながら、いつ・どこで・どの規模のフレアが発生するかを
ピンポイントで当てることは非常に難しい。
フレアの予測精度向上のため、物理学的なアプローチの他に機械学習など様々な方面から
アプローチがされている。
最悪のシナリオ
https://www.soumu.go.jp/main_content/000811921.pdf5/11 22時追記
5/8以降 大きなXクラスのフレアは8回に
2024年5月11日 10時23分には 今回で最大の X5.8のフレアが
人体や携帯電話には害はない模様。GPSに誤差がでるかも 程度
太陽高エネルギー粒子
大規模太陽フレアの発生、及び太陽コロナガスの到来に伴って、静止軌道
(高度約36,000km)で高エネルギープロトンの増大が観測されました。
人工衛星GOES(米国NOAA)によるプロトン粒子フラックスの観測値
太陽風
大規模太陽フレアに伴い放出された太陽コロナガスが、日本時間5月11日1時半頃に
地球周辺に到来したことが観測されました。太陽コロナガスの到来に伴い、
太陽風の速度は770 km/s、磁場強度は72 nTへ急上昇し、磁場の南北成分は一時
-50 nT前後の非常に強い南向きの状態となりました。
8日以降、複数回発生したコロナガスが順次、地球周辺を通過する見込みです。
地磁気じょう乱
気象庁地磁気観測所(柿岡)によると、日本時間5月10日17時5分UTに
急始型地磁気嵐が発生しました。この地磁気嵐に伴う地磁気水平成分の最大変化量は、
11日0時UT時点で、約517 nTです。この期間の最大K指数は10段階中で上から2番目の
「8」です。なお、地磁気観測所(柿岡)で、K指数「8」が最後に観測されたのは
2005年8月であり、約19年ぶりとなります。
電離圏嵐
地磁気嵐の発生に伴い、5月11日(土)1時以降、日本上空で電離圏負相嵐の発生が
確認されました。
今後の推移
太陽から放出されたコロナガスは、日本時間5月11日の1時半頃、第一波が地球周辺に
到来し、地磁気嵐が発生しました。今後数日にわたり、太陽フレアにより放出された
コロナガスが順次地球に到来することが予想され、地磁気嵐が継続することが
予測されます。地球周辺の宇宙環境は、今後数日間大きく乱れた状態が続くため、
人工衛星の障害やGPSを用いた高精度測位の誤差の増大、短波通信障害などが
生じる恐れがあり、宇宙システムの利用に注意が必要です。今後数日間は、
この非常に活発な黒点群による同規模の太陽フレア、及び関連現象の発生に
注意が必要です。
5/12 08時09分 追記
北海道で オーロラ
https://www.youtube.com/watch?v=4EsTnVjMvhYhttps://www.youtube.com/watch?v=oReXpz9562Y低緯度のオーロラは赤くなる。
古代中国では 「赤気」とも呼ばれ 凶兆とされた
石川県でも21年振りにオーロラが
https://www.youtube.com/watch?v=JnNrjCo87MQ5/15 17時追記
14日16時51分UTに、太陽面でX8.7フレア(16時43分UTに開始、17時1分UTに終了)が
発生しました。
SDO衛星の極端紫外線画像(AIA094)によると、このフレアは活動領域3664(太陽面西端)で発生したと推測されます。
https://swc.nict.go.jp/report/view.html?ym=202405&ids=a2024090&type=daily+weekly+bulletin+topics#js-report-viewer5/22追記
やはり今回の大規模太陽フレアで人工衛星には影響が出ている
NASAが管制する科学衛星・宇宙機の約59%が影響を受け、約24%のミッションで
機器を一時遮断する安全策をとった。
また22年2月の太陽フレアでは、地磁気嵐の影響で米SpaceXは「Starlink」衛星を40機
も失っている。原因は磁気嵐に伴う電流で大気が過熱され、下層の濃い大気が上昇。
低高度の大気密度が増加し、その高さにいた人工衛星と大気の摩擦が増大したため。
ソニーのEYE衛星も高度が400m下がった他、姿勢制御系の機能のリセットが起きた。
磁気嵐の影響でMTQ(姿勢制御用のアクチュエーター)の誤差も大きかった。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2405/22/news103.html
磁気リコネクションによって熱エネルギーや運動エネルギーに変換されるという説が有力。
磁気リコネクションの発生
太陽のダイナモ活動により、太陽表面には1 G程度の磁場が存在する。太陽表面の中でも活動領域
(黒点)と呼ばれる場所は太陽内部の磁束管の一部が表面に出ている場所で、3,000 G程度の強力な
磁場が存在する。活動領域の上空では磁力線が複雑に入り組んでいるが、時折互いに反平行な磁力線が
隣り合って存在することがある。このとき、アンペールの法則により磁力線に垂直な向きに電流が
流れる。この電流が流れる領域は磁力線に沿った非常に細長い領域であることから、電流シートと
呼ばれる。電流シートの一部で何らかの原因(波動粒子相互作用など)で磁場の散逸が起こると、
磁気リコネクションが発生する。磁気リコネクションとは、磁場の散逸をきっかけに磁力線がつなぎ
変わる(正確に言うと磁場のトポロジーが変化する)現象である。
磁力線がつなぎ変わる際、磁気張力等の効果によりアウトフローが噴射される。
フレアループの形成とコロナ質量放出
磁気リコネクションを起こす磁力線が太陽表面に垂直な場合、リコネクションアウトフローは
鉛直上下方向に流れる。リコネクションポイントより下側に流れるアウトフローは太陽表面に衝突し、
フレアループを形成する。リコネクションアウトフローの運動エネルギーは衝撃波などを介して
熱のエネルギーに変換される。これによりフレアループの温度は107 K程度にまで加熱され、
熱的な制動放射により軟X線を放射する。全体を通してみると、太陽の磁気エネルギーが熱や光の
エネルギーに変換されている。
一方、鉛直上側に放出されたアウトフローは磁気ロープとそれにまとわりつくプラズマを上空へ
押し出し、一部は惑星空間を脱出してコロナ質量放出(CME)へと発展することがある。
CMEが地球の方向へ向かうと、後述のように地球上で被害が出ることがある。