『レオニア王国記』とはSayチャット溜まり場LS
「Face to Face (通称F2F)」の雑談とSS撮影からの連想で始まった物語。
Bramaleさん原作の『レオニア王国記』に、LSメンバーがモデルとなり各人の個性を生かした「登場人物」として配置。
read more…[レオニア王国記とは 〜どこから読む?『レオニア王国記』のススメ〜]普段あなたが使っている そのFF14キャラクターが、もう一つの空想世界「レオニア」に登場したら。 ブラマールさん作の
レオニア王国記 本編、
第一期 最終話『それぞれの結末と王子の旅立ち』から続くエピローグ三連作、そのⅠです
▷Ⅰ.EPILOGUE 序章 レオニダス作 Ⅱ.SIDE:ルイスとマテウス マテウス作
Ⅲ.SIDE:ルイスとレオニダス レオニダス作
服毒による昏睡状態からアルザ王子が目覚めたその日の夕刻、報告書を持ったブラマールが謁見室へ訪れた。錬金術の資格を持つ彼はアルザ王子の暗殺未遂発生から、他の医師や研究者とともに毒薬の解明にかかっていたのだ。連日巻き起こった不測の事態に休む暇などなく、夜を徹したやや疲れが見える姿ながら、どこかほっとした空気をまとった髭面は、最悪の事態を免れた故であろう。
「入念な調査の結果、用いられた薬物は、対象を一時的に仮死状態にするものであるとの結論です。治療を行ったため想定される薬効より数日早い目覚めにはなったようですが、恐らくそれも予想の上……ルイス宰しょ…、失礼しました。ルイス、が所持していた解毒剤も、ただの水溶糖であったことがわかりました」
イルミナ王妃と並ぶ玉座で、真剣な顔のレオニダス王が顎を摺っている。
「なるほど、ルイスからアルザへの殺意はなかったと」
「はい。毒に致死性の成分は含まれておりませんでした」
「分かった。報告書を受け取ろう」
ブラマールは数歩進み出て、頭を下げたまま、王に報告書を差し出した。
「ご苦労だった。当然だがルイスの処分含め秘匿事項で頼むぞ。あとはこちらから必要各所に指示をしよう。ゆっくり休んでくれ」
「ブラマール、私からも重ねて礼を言うわ。本物の毒ではなかったとはいえ、アルザとマテウスに懸命な看病をありがとう。この後も立ち直るのにきっとあなたが必要になる…私たちには話したがらない二人の気持ちもあれば、引き続き話し相手になってあげてほしいわ。お願いね」
「はっ。もったいないお言葉です――では、失礼いたします」
恐縮の背中で扉を出ていくブラマールを見送り、謁見室で二人になった父と母は深いため息をついた。
「すっかり皆、騙されてしまったわね」
ブラマールに謝辞を伝えた一方で、イルミナ王妃も二人の息子に一昼夜付きっ切りで白魔法からの施術を行っていた。さすがに疲れの色は濃い。
「全くだ――この事を大臣たちにどう説明したものか……」
毒が偽物であったという事は、投獄中のルイスにアルザ王子暗殺の意図はなく、殺意はレオニダス王のみに向けられたごく個人的なものだったと言える。しかし、その方法としてあのような決闘とは...…せいぜい相打ちか、ともすれば失敗を望んでいるとすらとれる、酷く杜撰なやり口だ。
まだ憶測にしかすぎないが、ルイスの裏で手を引く黒幕がいたとして、マテウスに王位を継がせようと目論んだ輩ならば、あえて偽物の毒を持たせるとは考えにくく、暗殺計画がルイスによって破綻させられた、と考える方が自然だ。
擦っていた顎の手が眉間に移動し、レオニダスは懊悩深く考え事を続けた。
長年側近として務めあげた功労の裏で、レオニダス王個人に対しこれほどの憎しみを潜ませていたことに気づけなかったのには、自身の落ち度を認めざるを得ない。
とはいえ個人的な敵意であろうが、王家に対する反逆罪であることは覆しようがなく重役も黙ってはいない。当然処刑、良くて国外追放。そして追放されてしまえば、恐らく裏で手を引いていた者からも追われる身となるだろう。実質処刑と変わらない。
どうあれ、自分の命を惜しむ者の行いではない───なるほど。それこそがルイスの望むところだったのか?とはっとする。
思わず舌打ちしそうになり、王はこめかみを乱暴に掻いた。
それが叶わなかった今、王に過去視の力がある事を知りながらも牢で生きながらえているのは、元より計画の露呈は気にかけてはおらず、誤って巻き込んでしまったマテウスの安否を案じて、といったところだろう。
ルイスの決闘から、父であるレオニダスを庇って腹部に刺し傷を負ったマテウス王子は、今朝やっと目が覚めたところだ。落ち着いた性格の王子は自分から聞き出しこそしてこないが、血のつながりのないルイスを叔父……いや、もう一人の父のように慕っており、この事件について最も心を痛めているのは想像にたやすい。病床の身ながら続報を今か今かと、焦っているに違いない。
「マテウスには私から伝えておきましょうか」
長い思案を見守っていたイルミナ王妃が労わるように、レオニダスの肘掛に置かれたもう片手へ手を添えた。
「そう――だな。一報はそうしてもらおう。夜中までには年寄り連中も寝所に帰ってぐっすり寝ついてくれるといいんだが」
苦笑いを滲ませたレオニダスの意向を察知した王妃も、仕方ないわね、と頬を和らげるのだった。
Ⅱ.SIDE:ルイスとマテウス Mattheus作 Ⅲ.SIDE:ルイスとレオニダスへつづく (20210606初掲)
――――――――――――
お読みいただき、また、コメント、いいね、拡散 諸々ありがとうございます。
励みになります!
完結済みのストーリー:
レオニア王国記 前日譚
タイガルドから、元敵国へ輿入れとなったローザ姫に付き従う、宰相の若き日──ルイスの物語。
レオニア王国記 よみびとしらず
Ramuhたまり場sayチャットLS『F2F』で語られた、古き書に記された王国の物語、『レオニア王国記』。この話はそれが書き記される、さらに前の、誰かの。