8年目
それだけの年月が経っていることに驚きを隠せない
前回の日記からだいぶ時間が経ったが
ついにエオルゼアに生きて8年が経とうとしていた
ずっと書きたかった暁月のフィナーレについて書いていきたいと思う
暁月のフィナーレ
それについて、自分が感じたのは「孤独」の物語だった
ヘルメスの自分だけが異質な存在のように感じる孤独
ゼノスの修羅に堕ちた獣のように戦いにしか身を置けない孤独
ヴェーネスの明日を繋ぐ為に暗闇の中を彷徨う孤独
特に、感情移入したのはこの3人についてだった
周りには、あまり人物としては好かれていないみたいだが
ヘルメスには特に感情移入してしまった
彼の抱える、自分だけがどこかおかしいんじゃないかという
周りとの価値観のズレに激しく共感したからだ
自分もずっと同じ気持ちだった
古代人はエメトセルクが語ったような完璧な存在などではなかった
それは我々と同じように悩み、慈しみ、笑って生きるような普通の存在だった
ただ、彼等はその膨大なエーテルによってほぼ永久の時を生きていられるような不死身に近い存在だった
それ故に命に対してとても傲慢だと感じた
創造魔法によって生み出された命は、生み出した者によって必要無くなれば簡単に消滅させられる
そんなふざけたことがあっていいわけがない
生み出されて、言葉が理解しあえなくても
そこに感情があるのならそれは簡単に消していいはずがない
しかし、古代人にはその感情が理解できるわけがなかった
古代人にとって死という概念がないからだ
その命は、自分が満足した生を実感した後に、自分の意志で星海へと還る
だから、奪われる命のことなど当然分かるはずがない
それならば、メーティオンによって人が生きるに値するか裁量されるのも同じ道理なのだ
いつだって人は自分が上位存在で、正しいと勘違いしているのだから…
しかし、ヘルメスは自分の記憶を消してまでも公平に抗うことを選択した
エルピスにおいてメーティオンは、唯一自分を理解してくれる家族のような存在だったと思う
そんな存在を消せるわけがない
ヘルメスにとってメーティオンは一番大切な存在になっていた
だから終盤の取り乱しようも理解できるのだ
そして終末が訪れ、仮初の楽園が終わった
そこからヴェーネスの孤独が始まる
ヴェーネスの生き方については圧巻だった
彼女は未来の為に、自分のエゴで世界を分割した
気が遠くなるほどの年月を
孤独に明日を模索し探し続けた
彼女の言葉で特に印象深いのは
「一瞬ごと生まれ、死んで、答えを得る」この言葉だった
これは、漆黒でアルフィノがエメトセルクに言っていた言葉に通ずるものがあるだろう
生きるとは終わりを積み重ねること、その連続なのだ
それは何も自分だけの生に当てはまるものじゃない
自分が出来なかった何かを、同じ意志を持つ誰かが紡いでくれるのだ
そうして人は絶望に抗う術を得た
完璧ではないから、弱いから
自分が出来ないことがあることを理解し、受け入れ、生きるのだ
それは全能だと勘違いしていた古代人には遠く理解できなかった感情だろう
分割されて人は弱さを知り、苦しみを知り、命に限りがあることを知った
長い長い年月の果てに、人はようやくヴェーネスに示せる答えを見つけた
ヴェーネスに人はもう大丈夫だと言ったあの言葉に自分も泣いてしまった
暁月のストーリーは人によって物語が違うのではないかと思う
おかしなことを言ってるように思うだろうが
なんというか…結末が決まっているのは分かる
けれどもそこに至るまでの物語は、光の戦士一人一人違うのだと思う
それは、この世界に降り立ち出会った人々と共に過ごした年月や想いが
それぞれで異なっているからだ
きっと新生から、あるいは根性版から長い年月をかけた人ほど
その旅路に思い入れがあるのではないだろうか
ウルティマ・トゥーレで暁のメンバーが消えていく中で
あぁ…ついに終わりに向かっているんだと
この世界に降り立ち、歩んできた冒険を思い出して泣きながら進んでいた
この歩みを止めることはできない
数々の想いを背負って進む、それが英雄としての矜持だったからだ
レムナントに向かう時ほどアバターと自分がシンクロした瞬間はないかもしれない
メーティオンに提示した答えも同じことが言えるのだと思う
人は生きて死ぬ、それは決まっている
けれどその間には、たくさんの出会いがあり、別れがあり、想いがあり、それぞれの答えがあるのだ
その悲しみも苦しみも楽しかったことも、全ては自分を構成する要素でとても大切なものだ
だから無かったことにするなんてできない
無かったほうがよかったなんて言えない
光の戦士は一人ではあれど「孤独」ではなかった
冒険の最中に出会った人々が
暁の血盟の仲間が
顔も名前も性別も知らない志を同じくした光の戦士が
あるいは
この世界で出会ったとても大切な盟友が
傍らに立って共に戦ってくれるのだ
こんなにも心強いことはない
光の戦士に与えられた「超える力」とは
「想いを超える力」なのだと思う
たくさんの想いを束ねて限界だって超えてみせる
それは孤独では成しえなかった力
ゼノスにはそれがなかった
その想いを共有できる人がいなかった
ゼノスはもう一人の自分なのではないかと思う
もし、この世界で誰とも出会わなければ
戦いに明け暮れてそれにしか興味がなくなっていたら…
きっと同じようになっていただろう
天の果てでゼノスに問われたことを否定はできない
強くなる自分に高揚するなんて当たり前の感情だからだ
けれどそれが全てではない
ゼノス自身も光の戦士との戦いの果てに気付いていた
ゼノスが言った悔しいという台詞
それが酷く心に残り、それが言えるならもっと別の道もあっただろうと
少し悲しくなった
もし、違う出会い方をしていれば本当の戦友になれたかもしれなかったのにと…
そうして神殺しの英雄としてのクロウ・アストレイの旅は終わった
ゼノスとの戦いで英雄という枷から解き放たれた気がした
全てが終わった後に
エンドロールで光の戦士として自分の名前があることにすごく感動した
モードゥナを飛び回る青い鳥にも…
ヘルメス…君は本当は気付いていたんじゃないのか
メーティオンの名前
その名は終焉を告げる流星
そして、その名は人々の願いを紡ぐ星の軌跡
生きる意味はそこにあったんだよ
ずっと近くに、君の側にあったんだ
8年前にこの世界に降り立ち
蒼天の空を見上げながら大地を駆け
紅蓮の夕焼けを背に立ち止まり
漆黒の夜を戦い
暁を迎えて笑っていた
この世界にもう英雄はいらない
今度は黄金の日差しの下
ただの冒険者として歩き出そう
旅は続くどこまでも
出会ってくれた全ての光の戦士にありがとう
俺の旅路は最高に良いものでした