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ざべっちゃんの日々♀ララ。 Vol.15 「時には昔の話を」

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 あれは、もう随分と昔の話になってしまったが、私がまだFINAL FANTASY XIをプレイし始めたばかりのことだ。

 以前の日記にも書いたかと思うが、FF11にはサポートジョブシステムという物があり、これを設定するとメインジョブの半分のレベルのスキルを使用することが出来た。例えばメインジョブのレベルが60の赤魔道士であれば、白魔道士30レベルまでの魔法やアビリティを追加で使用出来る、そんなシステムだ。

 FF14のアディショナルの原型、と言ってしまっても差し支えないだろうか。FF5のコマンド選択のように、色々なジョブのレベルを上げればそれだけ多彩なコマンドを選択出来るようになり、戦略の幅が広がる……はずで終わってしまった所が物悲しい。結局、人は最適解がある以上は最適解を求めてしまう、特に日本人は個性というよりかは、「皆がやっている事」を尊重しがちだ。それは確かに面白みのないやり方ではあるけれど、皆が高い水準になるという利点もある。つまり、システム的な有利不利がはっきりしてしまうと、誰もそれを崩してまで個性を出そうとはしないのだ。

 システムはさておき、その「サポートジョブ」というのはレベルが上がれば自動的に習得されるものではなく、単純なクエストをこなすだけでもない。ゲームの離脱率を集計すれば、恐らくここが一番高かったのではないかと思えるほど、酷い設定がなされていたのだ。

 それは、「サポートジョブを取得したいレベルではソロで到底倒せそうもないモンスターから稀に落とすアイテムを3種類集めよ、しかも内1種は夜間しか湧かないモンスターからのドロップである」というもの。

 取得するためには当然「高レベルの協力者」もしくは「同レベル帯の協力者複数」と共に戦闘をするしかなかった。私がプレイしていてこのレベル帯に到達した頃には、ドロップ率が相当緩和された、とのことであったが、緩和された後に「マゾい」と思っていたのだからそれ以前の酷さは想像だに出来ない。

 前置きが幾分か長くなってしまったがお許し願いたい。まずは当時の状況を理解して頂く必要があったため、回りくどい文章になってしまった。


 さて、そんなFF11でレベル上げを行っていた時の話だ。

 私のレベルは18くらいだっただろうか。サポートジョブを取得するクエストは十分に受諾出来るレベルとなっていた。

 その日もバルクルム砂丘でパーティを組んでレベル上げを行っており、パーティ開始前に「サレコウベが無いんで骨が湧いたらお願いします」と言った所、全員が快諾をしてくれた。サレコウベとは正式には「呪われたサレコウベ」という名で、上述の夜しか湧かない、もしくは特定のダンジョンにしか湧かない「グール」というモンスターからドロップするアイテムだ。

 敵を倒している間に夜になると、釣り役のメンバーさんが近場の骨を探してくれた。FF11は敵が強すぎるため、周囲で敵がリスポーンするような場所で戦って絡まれるとすぐに全滅してしまう。レベル上げはキャンプと呼ばれた安全地帯にメンバーが固まり、釣り役がそこまで敵を引っ張ってくるというプレイスタイルだった。

 そうしてレベル上げ対象のモンスターに何匹かの骨を混ぜて貰っていたが、それでも簡単にドロップするような物ではないため、結局このパーティでもサレコウベを得ることは出来なかった。そろそろ解散しようかと皆で話をしていた時、パーティリーダーが一言――

「延長ww」

 ?と思っていると丁度時間が夜で、再度骨が湧く頃合となっていたのだ。

「せっかくだし骨叩いて終わろう!」

 そう言って皆が延長を了承し、骨を捜してくれた。

 サレコウベ狙いで骨だけを狩るパーティもおり、発見次第攻撃をしないといけない状況で、何と白魔道士のメンバーまで骨を釣ってくれていた。少々レベル差は出てきたものの、魔道士系のジョブでは危険な行為である。なぜならFF11の敵の攻撃は非常に痛く、タンクジョブでも回復を受けなければ数発の攻撃で死んでしまう場合もあるほどだ。

 私はその姿を見た時に、色んな感情が交じり合って涙ぐんでしまった。何をゲームで、と気恥ずかしくはあるが、純粋な好意という物を赤の他人から得られたのだ。感情が昂ぶってしまうのも仕方がないというものであろう。

 このパーティで念願のアイテムを取得して大団円、となれば良かったのだが、そんなに甘いゲームではなかったため、結局朝になってしまってもサレコウベは出ないままだった。

 解散前に私はあらゆる語彙を尽くして感謝の意を伝えた。私以外に何のメリットもない行為を、5人が行ってくれたのだ。感謝と申し訳なさで一杯だった。その時にメンバーの一人がこう言った。

「みんな苦労したからね。出来るだけ協力してあげたかったんだよ。出なくて残念だったけどw」


 2年後、私のレベルも60を超えた時、私は他ジョブのレベル上げでバルクルム砂丘を訪れていた。海外へのサービスが始まって以降、低レベル帯にはたくさんの外国人プレイヤーがおり、そのパーティも日本人は私一人だった。パーティが終わる頃、私はこんなことを聞いてみたのだ。

「ねえ、まだサポートジョブが無いみたいだけど、アイテムは揃ってる?」
「全然。サレコウベが全く出てこないんだよ」
「この辺りじゃ骨も少ないし、ソロで倒せないから」
「グスゲン鉱山なら何時も骨が居るってホント?」

 もう皆さんもわかっているとは思うが、私はサポートジョブのない三人にこう言った。


「じゃあ私がメインジョブに着替えるから、みんなでグスゲン鉱山へ行こう!」
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