日記のタイトル通り、万魔殿パンデモニウム:天獄編において敵が使ってくる技、ギミック、あとは敵の名前の元ネタや語の意味等をまとめてみました。
今回天獄編をプレイしておらず、まとめるつもりもなかったのですが、読みたいという方がいたのでまとめます。望まれたら……やるしかねえよなぁ!?
注意事項としてかなり独断と偏見でピックアップしていきます。文字数を節約しないといけないため。
また、ネタバレも多分に含まれます。ご注意のほどお願いします。
天獄:天獄編は英語版でAnabaseios,初っ端から造語。AnabasisはἈνάβασις(上り)から派生した「進軍」「内陸行」といった意味の語であり、古代ギリシアの軍人・著述家であるクセノポンの著作。
パンデモニウムのテーマであるダンテ・アリギエーリの神曲にアナバシスの要素はないが、神曲がそもそも地獄の底に潜ったあとは煉獄山を登り、天国に達したのち、さらに天国の最上へ至る話である。
FF14の古代はギリシャがテーマなので、上りを意味するギリシャ語をもじった造語が使われるのは違和感のない話だと思う。
じゃあなんでseios? って話なのだが、これは不明。
Seiosというポルトガル語には胸部、もしくは勇気という意味があるが、話的にあまり胸部だの勇気だのという感じはしない。
ギリシャ語で似た単語がないかと考えてみると「焼き焦がすもの、光り輝くもの」を意味する「セイリオス(Σείριος, Seirios)」が……英語の綴りはまだしも、ギリシャ語の綴りはあんま似てない。この話はなかったことに。
1層コキュートス:Κωκυτός, Kokytos,「神曲」の地獄の最下層。多分みんなワイルドアームズ2で履修してますよね?
裏切りの罪を犯した者が放り込まれるというか埋められる場所。
その地球の中心である第四円のジュデッカのその中心にはかつて神を裏切ったルシフェルがその半身を埋めている。
極寒の地獄で、仏教の八寒地獄に似ている。そうなるとジュデッカは摩訶鉢特摩地獄にあたるのだろうか。
だいたいの作品では氷属性を持つなんらかだが、FF14では氷に限らず様々な属性の技を使ってくる印象がある。
One Amongst the Weary:天獄1層、2層で使用されているBGM。疲れ切った人の中の1人、とのことだが、詳細は不明。語感だけ見ると「くたびれかけた男」を思い出したが、関係なさそう。
聖書とか古典を探せば出てくる一節なのだろうか。
メイガス:magus,もともとは古代ペルシャのゾロアスター教における司祭を指す。
魔法使いを指す言葉は多々ある。魔法使い(マジシャン)、魔道士(メイジ)、術者(キャスター)、魔術師(ウィザード)、呪術師(ソーサラー)、妖術師(ウォーロック)、魔女(ウィッチ)。
その中のメイジと同根というわけだ。東方の三賢者もメイガス、メイジのギリシャ語複数系のマゴイで呼ばれている。
『使徒行伝』に登場する――この話長くなりそ? ここまでにしようか。
マーシャリスト:martialist,武人のこと。
ソウルサージ:Soul Surge,魂のうねり。
デストゥワイス:英語版ではDuality of Death,二つの死。
ジャンブルコンボ:Jumble Combo,英語版では別の詠唱らしいが、Jumbleは「ごちゃ混ぜにする」「かき混ぜる」という意味。ComboはCombinationを語源とするゲーム用語。最も今はゲーム以外のジャンルでも使われているように思えるが。
キメリックコンボ:Chimeric Combo,Chimericは「怪物のような、(計画・考え・夢などが)幻想上の、想像上の、奇想天外な、途方もない、キメラの」という意味。
ディスインテグレーション:Disintegration,「崩壊」の意。
2層パンデモニウム:
この日記を参照。アルテマ:多くのFFシリーズに登場する究極の魔法。埒外に強い作品もあれば、そんなに強くない作品もあり、やった作品によって印象が変わる。
特に初登場のFF2ではびっくりするほど弱い。その理由も(その話が本当ならば)「いやそんなこと言われたって……」となるもの。明確な真偽が不明なのでここには書かないが、興味があったら「FF2 アルテマ」などのキーワードで調べてみてほしい。
ソウルグラスプ:Soul Grasp,Graspは「掴む、握る」といった意味。魂を掴む、握るとかいった意味になるか。
パンデモニックピラー:pillarは柱のこと。
ディバイドウィング:Divide Wing,Divideは「分ける」、Wingは「翼」。分断する翼とかがそれらしいか。
ウェブ:Web,この場合のウェブはウェブサイトの原義である「蜘蛛の巣」という意味。
ダムドブラスター:Damned Blaster,Damnedは「呪われた、忌々しい」などといった意味。
インプリズメント:Imprisonment,「投獄、入獄、拘禁、禁固、監禁、幽閉、束縛」といった意味。
ボンド:Bond,英語版の表記だとBondsだが、この場合は債券ではなく、繋ぐという意味のほうがそれらしい。
メルトン:紡毛織物の一種――ではなく、FFシリーズのメルトダウンを語源とする魔法。FF6では敵味方問わず必中し大ダメージを与えるため、使うには一工夫が必要となる。FF8では相手の防御と魔法防御を0にする効果があり、非常に強い。また、作品によって属性が全然違う魔法であるのも特徴であり、初登場のFF6は炎と風の複合属性。FF8では無属性だし、FF11では暗黒属性、FFTでは次元魔法。
コンデムブラスターCondemn Blaster,英語版だとPeal of Condemnation, 有罪判決(の、宣告)といったような意味。
3層テミス:Θέμις, Themis,ギリシア神話の法・掟の女神。この日記シリーズを読んでいる方だったらお馴染み、ヘーシオドスの神統紀によれば、ウラノスとガイアの娘で、ティターン神族の一柱。テミスとは古代ギリシア語で「不変なる掟」の意味であり、掟の擬人化。
個人的にはWikipediaの「大洪水と第四の人間」の項目の話が印象的。
昔ギリシア神話を読んだ時にそんな話があったのは覚えていたのだが「あぁ、あの石を歩きながら背後に投げるように言ったのってテミスだったんだ」という驚きがあった。自分語りで申し訳ないが。
Fleeting Moment:天獄3層で使用されているBGM。一瞬、とか長く続かない、短い瞬間という意味。テミスは、光の戦士との束の間をどれだけ楽しんだのだろうか。
エウノミアー: Εὐνομία, Eunomiā,テミスの子。
季節と秩序を司る時間の女神、ホーラー三姉妹の一柱。誰がホーライなのかという話には様々な説があるが、おなじみ神統記やアポロドーロスのギリシア神話によるとディケー、エイレーネーと姉妹である。その中でエウノミアーは秩序の女神。
ちなみにホーラーは単数系で、複数形になるとホーライと呼ぶ。
ディケー:ホーライの一柱。正義の女神とされる。
人類を見守り、人類が不正を働いた時にはこれをゼウスに訴えるという。女神アストライアやローマ神話のユースティティアと同一視される。
ジューリー&オーバールール:Jury&Overrule,英語版だとJury Overruling,Juryは「陪審」、Overruleは「(特に異議などを)却下すること」を意味する。
イルーサリーグレア/イルーサリーダーク:イルーサリーってマジで何? と思い調べた結果、Illusoryらしい。「幻想的」といったような意味。じゃあイルーサリーじゃなくてイリューサリーが正しくね? と思った。
アディショナルロウ/アディショナルセンテンス:Additional Law/Additional Sentence,Additionalは「追加の」「付加的な」という意味でLawは「法」、Sentenceはここではおそらく「判決」などといった意味。
英語版だとInevitable Law/Inevitable Sentenceとなっている。Inevitableは「不可避の、避けられない」。
アップヘルド&オーバールール:Upheld&Overrule,Upholdの過去分詞系、「(決定・判決などを)支持する,(判決などを)確認する,後援する、(反対・批判に対して)弁護する」。
Overruleについては上記。
ステュクス:Styx,ギリシア神話において地下を流れているとされる大河、あるいはそれを神格化した女神。
有名なエピソードで言えばアキレウスが頭から浸けられたのはステュクスの水。
ゾディアークの技にもありましたね、ステュクス。
ディスミサル&オーバールール:Dismissal&Overrule,Dismissalには「解任、解雇、却下」という意味がある。
アルケー:古代ギリシャで活発に議論された世界の始まり、始原を指す言葉。
ここにきて急にそんな単語出てくる? って感じなのだが、原理と言い換えると法律っぽい話に繋がるかなとは思う。法原理という言葉があるし。
具体的にアルケーの話をし始めると結構長い。なんといっても現在の西洋哲学の走りの話だから。というわけで詳しくは割愛。実はここ結構長く書きたいんですけどね。
4層前半アテナ:何から書いたらいいものか、属性と要素もりもりギリシャ神話の戦女神。
知恵、芸術、工芸、戦略などを司る処女神で、ギリシャ神話の最高神ゼウスとその最初の配偶者であるメーティスの間に儲けられた子。
ここらへんの神話を書くと長くなるので割愛するが、アテナがメーティスではなくゼウスから生まれたことにより、以後の未来においてもゼウスはギリシャ神話の神王であり続けられている。
そのためか他の神々が嫉妬するくらいにはゼウスの寵愛を受けている。
また、非常に気が強くプライドも高い。アテナと美を競ったメドゥーサやアラクネは化け物にされてしまったし、アテナの裸体を目撃してしまったティレシアスは盲目にされてしまったとされる。
神らしい神といえばそうだが、理知的で気高い戦士としての側面も大きく、学者や裁判官、軍人など幅広い職種の人々から信仰を集めた。
Athena, the Tireless One:天獄4層前半に使用されているBGM。「アテナ、不屈の者」の意。「Ultema The Perfect Body!」と語感が似ている……気がする。
オン・ザ・ソウル:紀元前350年頃にアリストテレスによって書かれた著作「霊魂論」(英語名:On the Soul)のこと。多分。
じゃあ「ペリ・プシュケース」で良かったジャーン、と思われるかもしれないが、これについては不明としか言いようがない。名付け親に聞いてください。
パラデイグマ:ギリシア語で「典型」「範型」を指す語。パラディグマと間違えられやすいが、パラデ
イグマである。
具体的に「パラデイグマ」とはなんぞや、といわれるとかなり難しいのだが、プラトンの著書「ティマイオス」において言及される言葉。
そう、いつからか話しかけると合成台にアクセスできるようになったあのティマイオスの元ネタである。ざっくばらんに言ってしまうと、イデアとはパラデイグマであるという話。
↓もうちょっと詳しく
トリニティ・ソウル:Trinity Soul,Trinityは三位一体のこと。英語版を見るとTrinity of Soulsなので、魂の三位一体か。三位一体なる魂ということ? 神なる魂ってことなのだろうか。
ポラリティグロウ:Polarity Glow,Polarityは「(両)極性、(電気の)分極(性)、(陰・陽の)極性、(主義・性格の)正反対、対立、両極端」という意味。
Glowは「成長する、変化する、発生する」といった意味の語。
両極性が発生するというのが一番意味が通るだろうか。
シャドーシアー:Shadow Sear,英語版だとShadowsear,影を焼き付ける的な意味。
レイディアンス:Radiance,光線の強度を表す物理量のこと。つまりその光線がどのくらい強いかということ。
グラウコピス:アテナの別名「灰色に輝く眼」「フクロウの眼」「眼光輝く女」の意。
それWikipediaに載ってなくね? どこソースよ、と言われると思って探してきた。
アブデラのヘカタイオスの著書「第1巻 エジプト誌」の「第2章 神々の誕生」>「第2節 その他の神々」に記載がある。
スーパーチェイン・セオリー:スーパーストリングではなくスーパーチェインである理由についてはパンデモニウムのストーリーで鎖という要素が多分に登場したからではないか、という話を見かけた。へぇ~となった。
超ひも理論とは言ってしまえば万物はひもで出来ているという理論。 タイプI、IIA、IIB、ヘテロSO(32)、ヘテロE8×E8の5種類があり、それらの上に究極理論であるM理論が存在する……とされる。
ポラリティレイ:Polarity Ray,ポラリティについては上記の通り。Rayは光線のこと。
テオス・ホーリー:英語版だとTheos's Holy,神のホーリー。ホーリーについては割愛。テオスは神の意。
特にプラトンはデミウルゴスをテオスと呼称した。
デミウルゴスは本来神ではなく職人を指す言葉である。無から有を作り出したのではなくイデアをミメシスしてカオスをコスモスにした存在がゆえに。
アポ・ディアロゴス/ペリ・ディアロゴス: apo(離れて、away from)+dialogos (対話、dialog)とperi(近づいて、in front of/near)+dialogos
アルテマブレイド:FF12が初出の武器。名前のわりにめっちゃ強いというわけでもないそこそこの立ち位置の武器。
パラディオン:アテナの作った木像。パラディオンの逸話はアテナの育ちが関わってくる。
アテナはトリトンの娘パラスと一緒に育てられた。アテナとパラスは親友となったのだが、喧嘩の際、
ゼウスの過保護によってアテナはパラスの命を奪ってしまう。アテナは親友パラスの死を悲しみ、パラスに似せてパラディオンと呼ばれる木像を造った。
このパラディオンはウェルギリウスの叙事詩「アエネーイス」と関係があったりする。
ウェルギリウスは神曲においてダンテを導いた古代ローマの詩人である。こんなところにも神曲要素が。
スーパーチェイン・ラジエーション/エミッション:Radiation(放射、放射物、放射線、放射形)とEmission(放出)
パルテノン:
この日記のパンデモニウムの項を参照。パンデモニウム自体がパルテノンないしパンテオンを語源とする語であるためパンデモニウムの項で説明している。4層後半パラス・アテナ:「パラス・アテナ」そのものはアテナの別名。ただし「パラス・アテナ」がアテナの別名となった原因とされるエピソードは二つある。
一つはパラディオンの項で記載した親友パラスを殺害してしまった事件が由来であるという説。
二つ目はギガントマキアにてアテナが討伐したギガース、パラースに由来するという説。アテナはこのギガースを討伐したあと皮を鎧にした。それが原因でパラス・アテナと呼ばれるようになったとか。
パラスの手についても同じパラスなのでこの項でもって解説とする。
ギガントマキアもギガースも知ってる前提の日記、もしかして要求値高い?ガイアオコス:「大地の所有者」または「大地(の下を)車を駆る者」を意味する。ポセイドンの添え名。クセノポンの「ギリシア史(ヘレニカ)」に記載がある。
サモンダークネス:漆黒の暗渠より悪鬼を招くやつ。
ジオセントリズム:Geocentrism,天動説のこと。
デミパルヘリオン:おそらくdemi(半分の、不完全な)+parhelion(幻日)。幻日とは、太陽と同じ高度の太陽から離れた位置に、光が見える大気光学現象のこと。
発生する9個のAoEを幻日として見るなら、ギミック処理の都合上同じ高度に現れないから不完全な幻日ということなのだろうか。
星天爆撃打:FF14では「人馬王ロフォカレ」、「雷神シド」が使用する技。FFTではディバインナイトのジョブコマンド「剛剣」の一つ。頭装備をぶっ壊す技。逆に頭装備が付いていないとダメージが入らなかったような。
カロリックセオリー:Caloric Theory,カロリック論。「熱は物質であり、物体の温度変化はカロリック(熱素)という物質が移動するから起こるのだ」という学説。
詳しく記載すると熱力学の歴史そのものになる。
エクピロシス:Ekpyrosis,「世界燃焼」という意味の語。キティオンのゼノンによって始められたストア派の考え。
ストア派には、定期的に宇宙のすべては火によって燃やし尽くされ浄化され、再生し、宇宙は永遠に続くという考えがある。その定期的に宇宙のすべてが焼き尽くされる現象のことをエクピロシスと呼ぶ。
パンゲネシス:Pangenesis,ダーウィンが提唱したパンゲン説という形質遺伝に関する仮説のこと。
動植物の細胞には自己増殖性のジェミュールという粒子が含まれており、この粒子が形質の情報を内部に蓄積し、それが子孫に伝わり、子孫の身体の各器官に分散、親の特徴や形質が伝わるのだ、とする説。
ジェミュールなどという粒子は存在しないであろうことが分かっているため、今となっては間違いだとされる仮説である。
パンテオス:多分パンテオンと同根。
パンタレイ: panta rhei,万物流転。古代ギリシアの哲学者ヘラクレイトスが提唱した概念。読んで字のごとく万物は流れ転じていくという意味なのだが、本質は「万物は変わり続ける。流れ転じる前のものと流れ転じたあとのものは同定できない」というもの。
この理屈が転じると「そもそもA=Bっておかしいよね?」という話が始まる。だってAとBだもの、よく考えたら違うものじゃん。イコールなわけなくない? と。
イグノラビムス:Ignorabimus,不可知のこと。
通常「イグノラムス・イグノラビムス」と使われ、日本語に訳すと「我々は知らず、知ることはないだろう」と訳される。
人類の知らないことはたくさんあるし、絶対に知りえないのではないだろうかということも実際、たくさんある。
それでも人間は歩いていく。様々な歓びを拾い集めては失って。
「我々は知らねばならない、我々は知るであろう」
—ダフィット・ヒルベルト
死が優しき隣人になるそのときまで。
いいねやらTwitterで拡散やらしてもらえると次回をまとめるモチベになるかもしれません。
意味がお分かりになっただろうか。
あんまり見ないですよね、ファルスのルシがコクーンをパージするより意味不な単語数が多い文章。
デミウルゴスは創造神のことを指す。
ミメシスとは複製のことを指す。
コーラとは場のことを指し、カオスは混沌、もしくは間隙のことを指す。
コスモスとは成形された世界、カオスではない状態を指すと思ってもらえれば良い。
つまり創造神はイデアを見て、それを複製する形で場として存在していた混沌を調和の取れた世界へと形成した、というような意味になる。
つまりイデアは典型となる性質を持っている。
イデアは典型となる性質を持っているよ、ということを示す言葉がパラデイグマということ。
私はこれまでの人生でパラデイグマという言葉に対してこういった認識で生きてきた。そのため間違って理解している可能性も十分にある。間違っていた場合、その時はなるべく平易な言葉でパラデイグマについて教えてくれるとありがたい。