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エンドコンテンツがトラウマだった話

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漆黒のメインストーリーに圧倒され、このゲームはヤバいと思い知らされたのが去年の7月。

オタクの逆張り本能に身を任せ、インディーズ洋ゲーのストーリーこそ最も尊ぶべき芸術と信じて憚らなかった自分にとって、初めてのFFシリーズにド直球ファンタジーをブチ込まれた衝撃は計り知れないものだった。
「うふふかわいいなあ^^」と眺めていた自キャラがなんかすげえかっこいい角度でラスボスに啖呵を切った日には、「うわあ!!!!!!新興宗教!!!!!111」と夜中にも関わらず大絶叫したのを覚えている。

その後は、エンディングが終わった直後の激アツテンションを維持したまま、モチベーションの塊のような激アツプレイヤーにな…

…ることはできなかった。むしろ、ぼんやりトークンを集めて、装備を揃えながらも、しかしその装備を必要とするエンドコンテンツには恐怖心で参加できない。だからなんで装備を集めているのかもよくわからない…という状況に、なんとなくモヤモヤしているだけの状態が続いた。
もちろん、このゲームはエンドコンテンツだけが全てではない。ギャザクラとかエウレカとか青魔道士とか、その他いくつもの手を出すのが億劫なコンテンツが用意されていることも知っていた。
しかし、ここまでMMOというものに触れることなく、強盗になって人を殺すか、忍者になって人を殺すか、人と組んで人を殺すか以外の"協力"ゲームを知らなかった自分にとって、もはや「殺す」以外の感情で心は満たされなくなっていたのである。

そんな状況を打破しようと、初めて挑んだエンドコンテンツがパッチ5.1で実装された"極ハーデス討滅戦"だった。相手が相手だけに、数ある極の中でも難度は高めに設定されているという噂だったが、装備もある程度整っていたし、何よりこのゲームに自分を誘ってくれたフレンドが、極ティターニアをクリアしていたことに対して抱いた†暗黒の感情†も後押しとなった。
「エンドコンテンツに行けないならこのゲームやる意味なくないか?」という極端な考えに脳細胞が浸されたまま、まだパーティ募集なんて知らなかった自分は、もはや時期はとっくに過ぎたレイドファインダー(確か実装されてから一か月くらいの頃)に、勢いで前半練習のマッチングを入れた。「もうちょい予習したほうが…」という内なる声に耳を貸さず、ひたすら予習動画の"ギミックの内容だけ"を目に焼き付けていた。

が、結果としては、それはもう悲惨なものだった。ハーデスのギミックを覚えることに集中するばかりで、マクロやポジション宣言、それに即した散会位置などのエンドコンテンツに向けての基礎知識を、一切把握していなかったのだ。
フィールドに降り立った瞬間、チャット欄に物凄い勢いで流れ出す散会マクロ。それに合わせて宣言される「d4」やら「H2いきます」やらのわけもわからぬ暗号。ここら辺でもうひどく腹の虫がむせび泣き始めて、一刻も早くPCの電源を落としたい一心だったのを覚えている。
一度目は…なんかぐわって出てくるやつであっけなく半壊後全滅、二度目はフェーズを移行するためのDPSチェックが突破できず、言葉もないまま、メンバーの誰かが退出。そこから堰を切ったようにパーティが崩れだす中、自分も好機とみて退出してしまった。
恐れていた「法則改変」を目にすることもないままに、戒律王との戦いはあっけなく幕を閉じたのである。

…書いてて思ったけど完全にお前の準備不足やんけ!

それで結局、二度目のマッチングを入れることもないままに、逃げるようにこのゲームをやめた。フレンドもだいたい休止状態に入ってしまって、一人でやりこむ胆力もないとなれば、もはやこのゲームに居座る意味もない、なんて気分だった。

それから長い時が経って、今年の5月ごろ。楽しみにしていたゲームのクローズドβが終了して、少しブルーな気分になっていたころ。
MMOやりてえなあ~~なんて言葉をうわごとのように呟いていたときに、通話にいた友人の一人がふと言った。
「14、ストーリーぐらいは見ときたいんだよねぇ」と。
その友人は自分と同じぐらいの時期にゲームをスタートしたものの、初期クラスにタンクジョブである「剣術士」を選択し、マルチプレイコンテンツにおけるタンクというロールの重圧に耐えきれなくなった結果、蒼天入りを目の前にして引退してしまったプレイヤーだった。
彼のその言葉に対して、間髪入れず「じゃあやろうや!!!!!!!」"圧"をかけたのは、ほかでもない自分だった。
蒼天のストーリーがめちゃくちゃいいから、とりあえずそこまでは見てくれと。ヒーラーに手を出してみたかった自分としてもいい機会だったし、適当なDPSジョブを育成して進行すれば、そこまでの心労もないだろうと。話を聞きつけた前述のフレンドも「ID行くならタンク出しますよ」としたり顔であった(想像)。
無論"蒼天まで"とは言ったものの、我々はあわよくば漆黒までやらせる気満々だった。自分は月額料金を投げつけ、フレンドは漆黒の拡張パッケージを投げつけ、プレイ配信を見せろ、あのシーンを見せろ、そのリアクションを見せろと何かの宗教かのようにしつこく迫り続けた。
そんな我々からの"圧"に屈することなく、彼は爆速でメインストーリーを駆け抜けてみせた。日を増す毎に進行速度は加速していき、彼が「うわめっちゃ良い~~~~~!!!!」とエモくなっているところで「そこいいよね~~~~~~!!!!」と返すだけの壊れたラジオになっていたのを覚えている。

そうしてメインストーリーを終え、モチベーションが最高潮に達していた彼と「エメトセルクいいよね…」「いい…」みたいな話をしていた時。
彼の口から出てきたのは、「せっかくならエンドコンテンツ行ってみてえ!」という言葉だった。
(キャラは女)と生まれたからには、誰でも一生の内一度は夢見る「地上最強の男」。かつて自分もそうだった。「こんな良いストーリー見せられたからには、このゲームを味わい尽くさずにどうする!」なんて思いになる、それだけの力があのストーリーにはあった。
それだけに、この言葉を聞いた瞬間に、少しだけ古傷が疼いた。「やりたいね~」などとありきたりな返答を返したものの、心の中では「ハハハ、みんな最初はそうなるんスよ」という†暗黒感情†で溢れていたことは言うまでもない。

実はその少し前にも、例のフレンドから「せっかく復帰したんだし、極ルビーいってみないか?」という誘いがあり、予習をして備えていた時期があった。しかし、結局今はもう時期が過ぎすぎていて、いま募集をしても人は来ないだろう、ということで話が流れていたばかりだったのだ。
だから今回の"極討滅行きたいムーブメント"も、ご破算で終わるだろうと思い込んでいた。やるとしても5.3来てから、新しいのが出てすぐのわちゃわちゃした時期にしれっと混ざりこむくらいでいいだろうと。それまではぬくぬくとレベリングしながら、ヒーラーをやるかDPSをやるか悩んでればいいかなあなんて、牧歌的な考えのまま日々のルーレットを回していた。
結論から言えば、この考えは完全に慢心であったと言わざるを得ない。慢心というよりも、「後続の友人が、自分より先にエンドコンテンツを制覇するなどあってはならない」という哀れなプライドからの、淡い希望であったとも言える。だから、彼が練習と称して共鳴のノーマルに日々通っていたのも見ないふりをした。寝る前のルーレットに誘おうとして見たフレンドリストで、彼が終末のアーモロートに夜中まで居続けていたことも。

極ハーデスクリアした!!」という歓喜の報告を受けたのは、その翌日のことだった。

負けた、と思った。何かが静かに砕ける音がした。ビビってイモリの餌を床に落とした。まさか、そこまでのモチベーションが奴の中に渦巻いていたとは。意外と余裕だったし極行こうや(満面の笑み)って言う予定だったのに…あの頃の俺はなんだったんだ…たった一度の挑戦で何がトラウマだ…畜生…畜生…
Xx_DarknessKanjou_xXは強さを増し、「いや俺このゲームガチでやってねえから^^;」アピールのためにSteamの積みゲーを片っ端からインストールしそうになった。
皆さんご存じの通り、オンラインゲームをプレイする生けとし生ける人間は、他人にマウントを取られると死ぬ。言葉面で取られなくとも、心が負けたと思ったら死ぬ。自ら死を選べない者は、吉田直樹が吉P散歩と称してエデンコーラス・ロッド(IL505)で家に火をつけにやってくる。エオルゼアというのはそういう国だ。血も涙もない国なのだ。

そんなチンケなプライドを打ち砕かれ、焼死の恐怖に面した私は、レベリング中の忍者の短剣を自らの喉元に突き立てながら、「ど、どうしてそんなあっさりエンドコンテンツを………怖くとかなかったので……………??????」と教えを乞うと、彼はこう答えた。
曰く、この世には"初見練習PT"なる理想郷があるのだと。そこには諍いはなく、哀しみもなく、新式をガチ禁断する必要もない、ただ慈しみだけに満ちた場所であるのだと。そしてその初見練習と称して、"極ルビーウェポン討滅戦"に挑まんとする稀なるつわものたちが、今まさにパーティーメンバーを募集しているのだと。
「極ルビーあんじゃん!」と嬉しそうに発された彼の声が、「一緒に行こうよ^^」という意味を孕んでいたのは確定的に明らかだった。その刹那、肩に何かがズン、とのしかかる思いがした。「いやー今はいいかな^^;;;;」という言葉が、喉元のあたりまで出かかっていた。てか出てた気がする。

だが、もはや退くわけにはいかなかった。否、退けなかった。その瞬間にいたのは、己のプライドとかつてのトラウマの狭間で、キャンキャン吠えたてる哀れな犬畜生一匹のみであった。
脳裏にこびりついた赤いアイツのギミックが、その解法が、解説動画で無限に聞いた究極幻想(THE PRIMALS)の記憶が、音を立てて脈打つのを感じた。心に疼く闇の心が騎士の姿を模って、耳元でそっと「リクェファクションが線の上安置な」と囁いた気がした。
自覚のない勝者というものは得てして敗者の心持ちなど察するに足らず、そこには純粋な善意のみによって差し伸べられた手があった。
その手に噛みついて吠えたてるほどのアナーキズムをとうに失った私は、投げかけられた慈愛に対し、辛うじて「わん!(いきます!)」とだけ答えた。
白魔導士をIDに出せるというだけで培われてきた先輩面をウルダハ商店街の地面に投げ捨て、握り慣れたチャクラムを両手に、私は生まれて初めて募集PTの門扉を叩いたのだ。

で、早い話どうだったかというと、なんかみんなめっちゃ優しかったし、何よりめちゃくちゃ楽しかった。
質問をすれば誰かが答えてくれたし、しくじってしまったときは「↑ドマ式麻雀↓」と慰めてくれた。恐怖心を明かせば勇気づけてくれて、急に慣れないUS配列のキーボードの変なボタンを押して全角英数以外が打てなくなっても、誰にも咎められることはなかった(たぶん変な奴だとは思われた)。
何より、これまで挨拶マクロ以外のチャットをしたことが一切なかった自分にとって、パーティーメンバーと話し合いながら、少しずつ歩を進めていくその感覚が、何よりも新鮮で楽しかった。初めて、自分は今MMORPGをプレイしているんだという実感が湧いた瞬間だった。
後半に入った時の胸にしみついた高揚感と、BGMを熱唱したせいで体力を消耗したあの倦怠感、そしてラストの詠唱ゲージが伸びきる寸でのところで画面が暗転した時の達成感の記憶は、きっと間違いではないと思う。あとギミックもちゃんと覚えてたしね!!!えらいね!!!!!

そうして、長きに渡って抱き続けたくだらないコンプレックスは、いとも簡単に掻き消えて見せた。モチベ大爆発の彼の導きがなければ挑めもしなかったのだと思うし、もう心を奪われたあのストーリーの記憶に、過去の苦い思いを滲ませることもなくなったのだろう。何が言いたいのかというと、感謝します(関優太)

そんな自分はいま、見せびらかそうにも種族と髪型のせいで一切見えない、踊り子用のIL505イヤリングをアーマリーチェストに押し込んで、学者の鍛錬を始めた。
零式に挑んだ理由も同じようなもの。「いやー零式は無理やろ^^;;;」って言ってたら例の彼がいつの間にか時間切れまで見ていつの間にかクリアしてたのが理由。正直こっちの方がダメージでかかったし、例のフレンドですらちょっと凹んでた。もう"彼"なんて呼ばない方がいいかもしれない。パイセンとか呼んだ方がいいかもしれない。
翌日半泣きで練習PTに入ったものの、何せ自分のミスで全員が死ぬという責任感への恐怖で、始まった瞬間ガチで体がガタガタ震えてヤバかったのだけは覚えている。でも修羅の道を歩んできたイケメンな先輩たちからの激励、そして途中からしれっと参加してくれたk…パイセンの存在もあって、いくつかの練習PTを経て、なんとかクリアすることができた。
そこまでほとんどギミックをミスなくこなせたのに、最後の最後チェインライトニング前で玉取り忘れて熱雷で死んだときは自分の喉から建付けの悪い窓の音がした。俺が空を仰いでるのを察してチェインのポジション入ってくれたタンクさんほんと愛してる。臓器の一個くらいなら貢ぐレベル。


零式一層クリア時に、自然とSSのために並んでくれたイケメンオブザイヤー受賞の皆さん。俺がしれっと真ん中にいるのがレンジなのにボス間近の玉取ってくような人間性を垣間見せる
チャットで感謝を述べるのに焦りすぎて、並んでくれてるのに気づかなかった挙句にグルポ起動しようとして「 /gposew」って誤字したのは内緒


学者を育てている理由…というかヒーラーへの転向を試みているのは、今後のパッチが来た時に、(休止中のフレも合わせて)4人でルレとか行けたらいいねという理由。
今まで「わーぼたんひかってるー^^」でなんとかなってた(なってない)踊り子をやってきたがため、学者のアビリティの多さと仕事量の多さに押し負けそうになっているが、いつか習熟した暁には、来たるこれからの零式にバリアヒラで挑むのが夢だ。書いてて「本当か?」って思うくらいにはビビってるし、今ですら極にヒラ出せる気しないけど。

何より、今はこのゲームに目標が見つかった。今まで触れなかった過去のコンテンツにも触れておきたいし、ヒーラーの装備のためにトークンも集める必要があるし、5.3までの期間じゃ短いくらいだ。いや別に一か月くらい早く出してもいいですけどね。 ね。

だから、あんまりエンドやらなきゃ!とか思い詰めず、気分次第で今後もぬるくやっていけたらいいなと思う。
きっとそのための勇気はついたし、少なくとも、当分は一緒にプレイするフレンドには困らないはずだ。

だから、別にそのフレ二人が二層突破してるけど全然ジェラシーとか感じてない。全然。本当に。余裕。マジで。
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