実はわたくし、年明け密かに念願のマイハウスを手に入れておりました。
アクティブプレイヤー数ランキングが上位をキープし続けるBrynhildr鯖で個人用のハウスを抽選で引き当てることは至難の業……覚悟はしていたので半年は粘るつもりでいた。
新拡張の発売日が定まっていない時期の凪節では、
何もかもがどうでも良くなり課金を止め家を解き放つヒカセンが必ず出るのだ。チャンスは訪れるはず。ひたすら待った。辛抱強く待った。待ち続けて空きが出れば
ピンポンダッシュのごとく駆け付け応募を繰り返した。競争率の低いエンピレアムに狙いを絞って応募を繰り返すこと2か月……ついに
当選の切符を手にしたのだ。
クックック…LハウスとMハウスの空きが同時に出現したタイミングでSハウスを申し込んだのが功を奏したようだな…普段はSハウスだろうと倍率20倍超だがこの回だけは4倍だったからな……作戦の勝利!
◆これまでの物語第1話:
~直感で鯖を選択編~↑
↓
第27話:
~聖夜に響く機工の悲鳴~マイハウスはそれすなわち拠点。愛着を持って住める家にしたい。
【どうせなら家具は全て自作しよう。末端素材から自力調達すべし。マケボ購入は禁止する!】止めておけばいいものを、思いつきで
超絶マゾい縛りルールを設け、マケボ購入禁止というハウジングにおいて最大の禁じ手を自らに課してしまった。
愚かである。吾輩は
思いつきで自分を縛っていくこの悪癖を何とかした方がいいと思いますね。
この縛りルール、今でもめちゃめちゃ後悔しています。
市場で投げ売りされているような家具も自作しなければならない。虚無顔で木を切り倒す生活が続いた。
グリーンパーティションを手に入れるためにモシャーヌHARDの周回を繰り返し気が狂いそうにもなりました。けっこうな数周回したが一度も出ませんでしたね!
本当に実装されているんでしょうか?潜水艦経由でしか手に入らない素材の入手をどうするかは悩んだが、
【自分で制作した家具を販売する専用のリテイナーを用意、その売上金からのみ購入可とする】とやむ無く妥協案を採用した。追加ルールの実装によりより多くの木材を伐採しなければならず、
エオルゼア中を駆け回っては自然破壊を行う光の戦士と化してしまった。主な稼ぎ頭はララフェルステップだったな。制作の条件は緩いのに高値で売れる神家具だ。
まあ自作せずともシュラウド・ランタンを店で3000ギルで買って36000ギルでマケボに流せば労せず無限に金儲けできるんだけどな……と何度も邪な思いが頭を掠めたが
理性で封印した。日本じゃ考えられないがマジで売れるんだよ。北米鯖では店売り家具を市場に流しているだけで金策できちまうんだ……
木を伐採しては加工し、モシャーヌへ赴いては落胆し、制作手帳を開いて材料のエグさに絶望し。
「これ絶対マケボで捨て値で売られてるやつだろ。知ってるよ、リテイナーのほりだしもの調達で入手できるから投げ売りされてるってな……。くそっ……一体いつまでこんなことを…東ザナラーンで一時間も原石を掘り続けているが辛すぎる……誰ともすれ違わないではないか……誰か……誰かいないのかァ!」と、セルフ縛りルールに苦しめられる日々が続いた。
※完成したイケメンマイハウスの庭
木こり生活にも慣れて、庭が出来上がり、内装の一階部分がほぼ完成したある日の昼下がり。
99を超えるリグナムバイタ材を抱えてマイハウスへと入ると
黒い翼を生やした知らん奴がくつろいでいた。
一瞬幻覚かと思い、瞑目してしばし暗闇に身を任せてしまった。ひ、人がいるように見えた…が……?
気のせいであってくれと願いながら恐る恐る瞳を開けると、残念ながら幻覚ではなかった。ロングヘアのエレゼンが、入口正面のレザーソファに腰掛けこちらを見ているではないか!
誰?白のロングコートからすらりと伸びた美脚に絹糸のように艶のある銀髪は背中いっぱいに溢れんばかり。
腰からは長い刀身を収める鞘を携えている。
そして極めつけは漆黒の翼。そう……ここまで完璧にコスプレされれば言われずとも一目で分かる。
この者は
FF7の大人気キャラ”セフィロス”のそっくりさんであると……。
唐突すぎるセフィロス登場に思考が追い付かない。狼狽え、動揺し、そして全てを見なかったことにして退出しようと玄関のドアに手を伸ばしかけたその刹那。セフィロスそっくりさんにsayチャットで声を掛けられた。
「cute」?キュート?何が???何がキュートなんだ???
「That's a cute house.I like it.」我が物顔でくつろぐこの者はどうやら家の内装を褒めてくれているらしい。自分でも理解できるレベルの英文が投下され、つい、張りつめていた警戒心を解いてしまった。
そう言えば、ハウスが当選した際にテンションが上がりまくって公開設定を変えていたのだった。北米鯖では非公開にしている方が珍しいぐらいなので、自分もそうしてみるかと誰でも入室可にしていたのでした。失念していた。
……。
北米鯖のプレイヤーと話してみたい。はっきりとしたその想いはずっと変わっていない。
今の自分に出来るだろうか。挑戦してみようか。
逃げ出すことも出来る状況だったが、連日の自然破壊活動で人恋しくなっていたのもあった。なけなしの勇気を振り絞ってチャットを返す。
「thank you」
「Do you like Sephiroth?」返事は分かり切っていたが、あえて質問してみた。翻訳アプリを通さずとも打てる英文の限界がこれであったからである!まるで成長していないのだが緊張していたのです。大目に見てほしい。
幼い頃からFFシリーズを愛し、全ての作品を購入してきた純粋無垢なファンからするとFFキャラの名を英語で打ち込むなど造作もありません。特にFF7に関しては、翌月に新作
【ファイナルファンタジーⅦリバース】の発売を控えているタイムリーな時期でもあった。拙者ももちろん予約は済ませている。PS5の容量が足りそうもなかったので
FF14の思い出動画集を全消ししたほどだ。準備は万端です。あとは我の色覚でも画面が見えることを祈るのみ!
「IDK」yesもしくはof courseあたりの返事を想定していたのだが、返事はまさかの
I don't knowだった。
「わからない」「知らない」どちらの意味とも捉えられる。
な……その風貌でセフィロスを知らない……?あり得ないだろ……!?
「he is most popular character in Final Fantasy」中2レベルの英語文だが、言いたいことは伝わるはず。やや誇張にもなってしまってもいるが、彼にはそれぐらいの人気がある。セフィロスと言えばFFシリーズの代表キャラだし色んな作品にスピンオフで出張しているからな。
出張しすぎて他のキャラの枠を奪っている説があるぐらいには。
「Does the room have a bathtub?」——この家にお風呂はないのかな?何 で だ よ セフィロス!セフィロスの話をしているでしょうが!!会話が嚙み合わないどころではない。
セフィロスが好きだからその恰好をしているのではないのか?
君はセフィロスが好き!奇遇でござるね拙者も好き!もうすぐFF7リバースが発売しますね、楽しみですね、予約は済ませて準備は万端ですね、いや~ほんと楽しみでございますね、そんなテンプレ通りの会話をしたいんだよ!
なのに……っ、なぜ……なんでいきなり風呂の話題が出てくるんだよ……
「You should check it out if you're interested.pretty bathhouse.」——すごくいいお風呂のハウジングがあるんだよ。ぜひ行ってみるといいよ一言も風呂について言及していないのに、おすすめの風呂物件を紹介された。EmpyreumXX-XXと丁寧に住所まで添えられて。
そうして片手を挙げ、セフィロスのそっくりさんは風のように去っていく。マジで謎だった。こちらの英文が何か間違っていたのだろうか……ただ単にハウジングを宣伝するため近所を周っていただけなのか……
北米鯖ではRP(ロールプレイ)が盛んだ。キャラRPを楽しんでいる者に「君はそのキャラが好きなのか?」と聞くこと自体が失礼orタブーにあたるかもしれないな。
褒めてもらえたのは光栄だし嬉しいが、帰宅の度に来訪者がいるのではとビビり散らかすのは心臓によろしくない。よってハウスは非公開に戻すことにした。自分にはまだ早かったみたいだ…もう少し英語と文化を学んでから鍵を外すとしよう。
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◆出来事は濃かったのに惜しくも文が仕上げられず消えゆく下書きたちの一覧(黄金旅路日記シリーズを終えて落ち着いたら手直しして上げるかもしれん。拙者よ…覚えておけ)
①天獄ノーマル4層で出会った神タンクの回(+チビりそうになっていた侍と高速タイピング賢者編)
②サメちゃんマウントが欲しすぎてシャウトで絶叫していたミコッテの回(プライマルDC出張オーシャンフィッシング編)
③北米ハウジング物件ぶらり旅(所感まとめ編)
④「はずかしい、マトシャが見てる」とか言いながら何故か服を脱いでPTメンバーに寄ってきた戦士の回(意味不明なアロアロ島事件編)