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皇帝殺人事件:最終話「アサヒの反撃」

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ガレマルド、某所。白装束の男と帝国軍将校が話していた。


「指名手配、、私も偉くなったものですねぇ、、」



「アサヒ様、どうかお気をつけください」


「心配してくれるのはありがたいですけど、お気遣いなく。


そう簡単に捕まりませんから」



「はあ、、しかし、アサヒ様は大丈夫としても、今動いている同志達は、、このままでは捕まる可能性が、、」


「そうですねぇ、、ウィギレスの方は私がなんとかしましょう。


同志達には次のフェーズに移行の指示を。市井に噂をばらまくのは一通り済みましたから」



「承知いたしました」













ガレマルド、ウィギレス本部。主任捜査官は上司の呼び出しを受けた。






Sound
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「アサヒの手配を中止?!」


Sound
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「彼だけじゃない。彼の手下と思しき連中に対する捜査も打ち切りだ」


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「どうしてです!」


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「長官の決定だ。こればかりはどうしようもない」


Sound
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「、、誰の差し金なんです?」


Sound
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「政務官からだ。それも、複数の、な。

政務官の関与を公にしたくないせいか、政務官会議の議事にはなっていないが」



Sound
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「、、、その裏にいるのは、やはり、、」


Sound
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「アサヒを匂わせる証拠も手がかりもない。ゼノス殿下もな。

もっとも、政務官だけでこんな命令を出すとは思えんし、
他の誰かが黒幕という可能性は無きに等しいのだが」



Sound
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「上の決定であれば従いますが、、ガイウスの手配はそのままなのですか?」


Sound
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「ああ。複数の目撃者がいるわけだからな。さすがに取り消せんよ」


Sound
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「承知しました。以降はガイウスの追跡に専念します」


Sound
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「、、、その必要はない」


Sound
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「は??」


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「君は、というか、君のチームは捜査から外れる」


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「どういうことです」


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「これも政務官の横槍だ。

アサヒを追うなどという的外れな捜査になったのは政治経済犯部門があたったからだという理屈でな」



Sound
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「馬鹿な、、!」


Sound
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「そう、、馬鹿だ、、とってつけた理屈とはまさにこのことだ。

、、、つまり、アサヒは、口実に過ぎん」



Sound
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「口実、ですか?」


Sound
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「そうだ。これはパラメキア諜報機関の推測だが、政務官の真意は、ウィギレスの掣肘にあるらしい。

我々ウィギレスはヴァリス陛下の命により数々の汚職を摘発してきた。

陛下亡き今、それを抑えようというわけだ」



Sound
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「、、、このまま屈するおつもりですか」


Sound
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「パラメキア諜報機関からは後は任せてくれと言ってきている。

彼等は軍同様帝国皇帝直属の組織だ。政務官の指揮権は及ばん」



Sound
Only
「、、、わかりました」


Sound
Only

「口惜しいのは長官も私も同じだ。堪えてくれ。クガネでな」


Sound
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「クガネ?」


Sound
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「君はクガネに転属となる。ウィギレスのクガネ駐在員の肩書でな」


Sound
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「私をクガネに飛ばすわけですか」


Sound
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「左遷ではないぞ。避難と思ってくれ」


Sound
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「避難?」


Sound
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「君は官界・軍部双方の汚職を数多く摘発してきた。政治経済犯部門の中でもずば抜けている。

ウィギレス掣肘の動きある今、官界・軍部双方から最も狙われる人物というわけだ。

故に、パラメキア諜報機関は君にほとぼりを冷ますことを勧めている」



Sound
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「それでクガネに?」


Sound
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「ロクス・アモエヌスではここから近すぎる。他の属州は戦乱の真っ只中だ。

となると、クガネしかない。向こうの情報担当官には連絡しておくと言ってくれたよ」



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「、、、わかりました」







主任捜査官が自身のオフィスに戻ると、きれいさっぱり片付けられていた。


「お疲れ様です主任。引っ越しの準備は万端です」



Sound
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「リッキウスか、、片付けくらい自分でできるぞ」


「ついでですよ。僕も片付けなきゃならなかったもんで」



Sound
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「お前が?なぜ??」


「僕も行きますよ。クガネに」



Sound
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「どうしてお前が、、」


「上の方はまだ大っぴらには言ってませんけど、

捜査部門の結構な人数をロクス・アモエヌスに転属させようと考えてるらしいんです。

主任同様ほとぼりを冷ますためにね。僕もなんですけど、対象の連中には個別に話してるそうです」



Sound
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「捜査部門の大人数をクガネ駐在員にとは確かに無理があるからな」


「でも、主任もご存知でしょ?


実家のあるロクス・アモエヌスには帰りづらい僕の立場」



Sound
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「逆に良い機会だ。帰ってお父上と和解したらどうだ」


リッキウスは柄にもない真面目な顔で言った。「お断りします」



Sound
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主任捜査官は苦笑しつつ言った。「まあ、わからんではないが、、、」


「では、さっさと行きましょう!」



Sound
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「待て待て、挨拶もなしに行く気か?」


「そうしろってのが部長の命令です」



Sound
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「部長の?」


「ええ、、主任の避難が他にばれると政務官や官界からの横槍が入りかねない、、


そうなる前に主任共々こっそりかつさっさと出発しろって。

ウィギレスの職員には部長から説明しておくって言っていただけました」



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「そうか、、せめて先生には挨拶したかったんだが、、」


「、、、検死部長なら、もうガレマルドにはいらっしゃいません」



Sound
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「何?どういうことだ」


「検死解剖の結果、凶器を刀と判断したのが軍部から言いがかりついたみたいで、、


ゼノス殿下を犯人扱いするとは何事かってことらしいです」



Sound
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「先生は殿下を名指しなどしていないぞ!」


「軍医総監部もそう言って先生をかばいはしたんですけど、

先生のほうがご自身の意思で検死部長を辞任して、現場の軍医に復帰したんです」



Sound
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「どこに赴任されたんだ」


「僕も訊いたんですけど、教えてくれなくて、、」



Sound
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「どうして俺に言ってくれなかったんだ、、、」


「主任が知ったら絶対に止めるって御存知だったからですよ。


僕は地獄耳なもんで察知しましたけど、先生からは自分が去るまでは主任には絶対伝えないでくれって」



Sound
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「、、、わかった。今俺達にできるのは、とっととクガネに行くだけのようだな」


「では、参りましょう!」










~Fin~



~あとがき~
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ウィギレスに関しては世界設定本第3巻で内戦により活動停止の旨記述ありますので、皇帝殺人事件に関して書けるのはアサヒの暗躍を止められないところまでかなと考え、今回を最終話にすることにしました。

続きは極光偽話でパラメキア諜報機関の物語として書く予定です。
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