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Quu Kozakura
Tiamat [Gaia]
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Dire White Wolves(Kraken)が結成されました。
Tome Tome
Valefor [Meteor]
「戦線日記(146)Patch 7.5 フロントライン新仕様の所感」を公開しました。
Weapon_magic(Belias)が結成されました。
Sin Mebius
Ifrit [Gaia]
「7.5アライアンスレイド非常に楽しかった!」を公開しました。
Find Funds(Yojimbo)が結成されました。
Momo Run
Mandragora [Meteor]
「🌱初心者ララフェルの、モグコレの成果とみんなで行ったハウケタhard✨️」を公開しました。
Crystal Crusaders(Behemoth)が結成されました。
Matagu Mado
Alexander [Gaia]
「あなたのヒカセン描かせてくれませんか?」を公開しました。
Weapon_Glory(Belias)が結成されました。
R'mikka Tia
「7.5スタート!はじめにやったこと♪」を公開しました。
1
Naru Rumi
Asura [Mana]
2
Machina Mensis
Titan [Mana]
3
Mugue Tcharpentier
Phantom [Chaos]
Shinedown
Routh Necks
Ultima [Gaia]
Metal Woman
Sara Kiki
Twintania [Light]
Poppy Petalina
Raiden [Light]
Yharon Ashen-sun
Ragnarok [Chaos]
知の都シャーレアンは、理と秩序の中に生きる人々の街である。
理論と証明、研究と記録。子もまた、幼い頃からその一端を担い、知の積み重ねの中で育つことがよしとされていた。
その日、ブローウィダは、隣人の家の扉を叩いた。
叩く、というより、静かに指の腹で確かめるように戸をなぞったという方が近いかもしれない。
返事はない。しかし、扉の向こうからは、かすかに書をめくる音が聞こえた。
「――開けるわよ」
遠慮がちな声を添えて、ブローウィダは中に入った。
生活の気配に乏しいけれど、埃ひとつ落ちていない空間。台所には鍋ひとつなく、戸棚の食器は無骨に揃っている。そもそも鍋敷きすら使われた形跡がなかった。
奥の席に、小さな背中がひとつ。分厚い本を広げたまま、少年が姿勢よく椅子に座っていた。
「あなた、お昼も食べてないんじゃないの?」
声をかけると、ウリエンジェ少年はほんのわずかに顔を上げた。まだあどけなさの残る横顔。けれどその口調は、驚くほど整っていた。
「……食事は、必要に応じて摂っておりますので……」
「そういうのは、今はいいの」
苦笑混じりに近づくと、彼は少しだけ身を引いた。
人と接することに慣れていないのがすぐにわかった。
彼の両親――神秘学を専門とするオギュレ夫婦――は、学術調査、研究という名目でほとんど家に寄りつかない。育児は干渉せぬ愛情という建前で棚に上げられ、衣食住は必要最低限、息子は自立するものという論理で貫かれていた。
いや、建前というには、あまりに本気で信じていたのかもしれない。
ウリエンジェは、その論理に驚くほど順応していた。
静かに本を読み、静かに食事を摂り、静かに一日を終える。
まるで、感情というものを必要としない機構の一部であるかのように。
学び舎でも、彼はいつも一人でいるのだと、ムーンブリダから聞かされていた。難しい話をするときだけは、先生や年長の学者たちを相手にする。
同年代の子どもたちと比べて明らかに秀でている。
それ自体は確かに誇るべきことだ。
だが、その卓越さゆえに、彼はしばしば浮いていた。
遊ぶよりも学ぶことを好む彼をからかう子がいれば、ムーンブリダはすぐに飛び出していった。つかみかかる勢いで怒り、止めに入る父の前でも、むくれた顔でこう言い返す、「ウリエンジェは、いいやつなんだから!」と。
ある日ブローウィダが、ふと口にした言葉。
「言い返すだけじゃなくてさ、あんたが、あの子とみんなを繋いであげたらどう?」
その言葉に、ムーンブリダはしばらく腕を組んで考え込み、何か一つ得たのだろう。
その日を境に今まで以上に強引にウリエンジェの手を引いていた。
「いいから来なって。あたしが紹介してやる!」
そう言って仲間の輪に連れ出したり、彼が読んでいる本を無理に借りて同じページを開いてみたり。
難しい単語に首をひねりながらも、舌を噛みそうになりながら覚えようとする姿もあった。
いつしか、ふたりが一緒にいるのは、ごく自然な日常になっていった。
ウリエンジェとムーンブリダの関係はブローヴィダにとって微笑ましく映った。
けれど、その背景にあるもの――ウリエンジェの家庭事情には、どうしても目を向けずにはいられなかった。
一体、彼の何が、あそこまで人との距離を隔てさせるのだろうか。誰とも交わろうとせず、どこか達観したように――まるで、他者に期待することすら忘れてしまったかのような眼差し。
誰もいない家で、物音ひとつ立てずに書を読み、時間だけを淡々と過ごす姿が、ふと重なって見えた。
その問いに、明確な答えは見つからない。
けれど、ひとつだけ、確かなことがあった。
だからこそ、彼女は、扉の向こうに手を伸ばしたのだ。
「今夜、うちにいらっしゃい。ムーンブリダもあなたと一緒にご飯食べたいって」
「……しかし……ご迷惑では」
「迷惑だと思ったら言うわよ。私はそういうの、はっきり言うから」
そう言って笑ったブローウィダに、少年は少しだけ目を見開いた。
ウリエンジェが招かれた食卓には、夕刻の光が斜めに差し込んでいた。棚の上には乾燥した香草の束、揺れるランタンの灯りが、ほんのりとテーブルクロスの端を照らす。
「熱いから気をつけてね。冷めないうちに召し上がれ」
ブローウィダの声に促されるように、ウリエンジェはおずおずと席につくと、ムーンブリダが自信満々の表情でウリエンジェの前に皿を置いた。
「な、いい匂いするでしょ。うちのご飯は世界一なんだから!」
手際よく並べられた皿の上には、こんがりと焼かれた楕円形の肉団子――粗挽きの肉にタマネギと香草を練り込んであり、表面にはこんがりとした焦げ目。添えられたキャベツの甘酢漬けと、皮つきのまま蒸されたジャガイモからは、溶けたバターの香りがふんわりと立ちのぼっていた。
ウリエンジェは、その彩り豊かな皿を見つめたあと、ぽつりと呟く。
「……これは、なんという料理でしょうか」
向かいのムーンブリダが、待ってましたとばかりに胸を張る。
「フリカデレ! お母さんの得意料理!」
「それを誇るのは、ブローウィダ様の功績かと……」
ウリエンジェが小さく呟くと、それまで黙っていたムーンブリダの父――ウィルフスンが、くつくつと笑った。
学識豊かな研究者でありながら、家庭では穏やかな聞き役として家族を見守っている男である。
ブローウィダは匙を持ったまま肩をすくめた。
「もう、勝手に誇ってくれて構わないわよ。どうせ明日には『あれは自分が作った』って言うんでしょう?」
「むっ、それは違う! 焼くのは見てたし、最後の味見だってしたし!」
朗らかな笑いが、食卓を包む。そのやりとりを前に、ウリエンジェは少し目を細めた。
――このような食事の摂り方があるとは。
焼きたての香り、皿の上の湯気、隣から届く笑い声。
食卓を囲む時間そのものが、彼にとっては未知の経験だった。
これまで彼が日々摂っていたのは、栄養を計算し尽くされた黒麦生地に、魚粉や乾燥野菜粉を練り込んだだけの賢人パンだった。保存性と効率を重視した、必要最低限の食事。温かくもなく、柔らかくもない。ただ「生きるための糧」として与えられるもの。
けれど、目の前にあるこれは違った。
ナイフを手に取り、ひと口運ぶ。焼きたての香り、肉のうまみとタマネギの甘み、香草の香りが鼻を抜け、ほくほくのジャガイモがそれを受け止める。
「ね、美味しいでしょ!」
ムーンブリダの声に、彼は言葉を返さず、ただ頷いた。
こんなふうに、誰かと食卓を囲むのは初めてだった。火のぬくもりが言葉の代わりになるということも。笑い声が沈黙をなじませてくれるということも。
今夜ここにある光景が、どこか遠いものに思えた。
それでも。
──温かい、と思った。
それだけが、確かに胸の奥に灯った。
それは、彼にとって初めて出会った「家庭の味」であり、のちにいちばんの好物として語られるようになる、忘れがたい記憶のはじまり。