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エオルゼア古聞奇譚4「異変」

公開
 ◆        ◇
◇ 森の家4「異変」 ◆ 
 ◆        ◇


エオルゼアを舞台とした物語の掲載を始めました
📓エオルゼア古聞奇譚1「森の家」
📓エオルゼア古聞奇譚2「嵐の前に」
📓エオルゼア古聞奇譚3「予兆」
📖エオルゼア古聞奇譚4「異変」
📓エオルゼア古聞奇譚5「山小屋」

グリダニアの東桟橋から渡し船に乗る。舳先(へさき)がそっと水をかき分け、波打った水面が夕日を照り返してきらきらと輝く。水草や睡蓮が歌うように揺れる。囁(ささや)きの渓谷と呼ばれる美しい水場だ。船は巧みに浅瀬を避けて進み、やがて対岸の桟橋にわたしとシアを下ろすと、代わりに数人の客を乗せ、滑るようにグリダニアへと帰っていく。

今のが最終便。こんな時間に森へ向かう人はいない。たまに乗り遅れた旅人が、この桟橋で一夜を明かすことはあるが、今日ここにいるのはわたしとシアの二人だけだ。花を敷き詰めたような小さな園地の向こう側で、細い道が曲がりくねりながら木々の奥へと消えていく。

この古い街道は木々の間を縫うように東へ東へと進み、ギラバニア地方へと達する。

このあたりは、山賊が出るが故に安全が保たれている。

山賊というと人殺しや盗っ人のような極悪人を思い浮かべる人もいるが、元々は森で暮らしていた人達が身を守るために武装し、集まって暮らし、組織となったものだ。規模が大きくなれば、集団を維持するために収入を稼がねばならず、やがて、街道を行き来する旅人や商隊に宿や食事を提供し、安全を保障する代わりに通行料を得るようになった。

規模の大きな山賊ほど規律が厳しく統制が取れている。もし、組織の誰かが通行人を襲って人命や荷物を奪ったりすれば、噂はすぐに広まり、通行人は、その場所を迂回して別ルートを通るようになるだろう。そうなれば、あっという間に収入が絶たれ、組織は崩壊してしまう。当然、割に合わないほどのお金を徴収しても同じことが起きる。そのため、山賊は、夜を徹して街道を巡回し、他より格安な料金で食事と寝床を提供しているのだ。

この森を縄張りとしているのは「ナイアンビーの山賊」と呼ばれる集団で、この稼業を始めて50年にもなる古参だ。規模も黒衣の森の山賊の中で一二を争うほど。

とはいえ、街道を外れて森にさまよい込んだり、夜暗くなってから出歩いたりすれば、命の保障はできない。森の奥は過酷な生存競争にさらされ続けている世界である。生きることが最優先であり、奪うことが正義なのだ。そこでは人も魔物と変わらない。弱い者がさまよい込めば、あっという間に餌食になってしまう。

「リリィ、誰かこっちを見てるよ」
シアの声にわたしは杖をぎゅっと握る。

わたしの目には何も見えない。
「わりい、脅かすつもりはなかったんだ」
薄闇から浮き上がるように、一人の男が、桟橋の光の届くところへと歩み寄ってくる。
名前は知らないが、「ナイアンビーの山賊」のメンバーだ。顔を見たことがある。
「堂々と桟橋の東屋に陣取ってたら頭領に怒られちまうからよ。俺たちみたいな人間を見て、怖いと思うやつも多いからな」
男は、そう言った後、少し緩んだ顔をぐっと引き締めた。
「リリィ、頼みがある。すぐに俺と一緒に来てくれ」
「……もう夜になりますよ」
明日じゃだめですか?という婉曲なお断り。早く家に帰ってお風呂に入りたい。
「怪我したやつがいる。朝までもたねえ」
わたしは、ふぅと息を吐いて、杖を背中に戻した。
「……案内してください」
「感謝する」
男はすぐに背中を向け、歩き出した。

山の端に引っかかっていた太陽が、すっと潔く落ち、森は一瞬青い輝きを放った後、濃紺の闇に包まれた。人間の昼は終わり、魔物の夜がやってくる。


この物語は1話だけ書いて終わるつもりでした。正直に言うと、続きは書いていませんでした。一つのお話が終わると次のお話のことは分からないのです。ただ、書き終えて日記をアップロードすると、すぐに次のお話が勝手に作られるのです。歩いたり、寝たり、お風呂に入ったりすると、あっという間にパーツが組み合わさります。そして、忘れないうちに日記を書きます。この繰り返しが止まらなくなりました。わたしは子どものときから物語を書いています。誰も読まない物語を夢中になって書いてきました。でも、その熱は、いつも突然すっと消えて、残されたたくさんの紙を、そっと引き出しにしまって終わるのです。The Lodestoneで日記を公開し始めてから1年半が経ちました。自分が書いたものが即座に誰かに読まれて、朝起きたら既読といいねが貯まっているという状況は夢のようです。今、わたしの日記は100~200人ぐらいの人が開いてくれて、10~30人ぐらいの人がいいねを押してくれます。中には、わたしのSSやミラプリが見たくて日記を開き、文字ばかりが並んでいるのに失望して、すぐに閉じてしまう人もいるかもしれません。でも、わたしは最近、わずかな心境の変化があったのです。これまで120本ぐらいの日記を出してきて、既読が1万を超えてもいいねが50人ぐらいで「あれ?」と思ったり、すごい時間をかけて書いた日記が既読100人ちょっとだったりすることに一喜一憂してきました。でも、そうじゃなくて、わたしが読んでほしいと思うものを書いて、読みたいと思う人が読んでくれる、それが一人でもいいと思えるようになってきたのです。日記はわたしが自由に書いていい。その気まぐれに付き合ってくださる読者の皆様を今後も振り回すことになりそうです。それでも日記を読んで、いいねを押してくれる皆様に心からの感謝を捧げます。蛇足が長くなって、こめんなさい。

* … * … * … * …* … * … * … * …* … * … * … * … *
◆毎日とはいかないけど、少しずつ日記を書いていくつもりです。
◆フォロー申請は開けておきますので、よかったら登録してください。日記公開の際にお知らせが行くようになります。
◆「コメント」や「いいね」は大歓迎です。
◆SNS等への投稿、リンク掲載はご自由にどうぞ。
コメント(10)

Chihaya Akasaka

Gungnir [Elemental]

あやちゃん、おはようございます♪

ひとつのお話が終わると、すぐ次の物語が創られる感覚、わかります。

書き綴っていた物語が終わると、ほんとに間もあけず、すぐさま次のページにペン先を置いていますものね。

たしかわたし、作文とっても苦手だったはずなんだけどなぁ……すごく不思議ですw🤔📖☕

Miral C'laris

Valefor [Meteor]

こんにちわん
日記が日課になり、コメントいただけていると、何も反応ないとすごい不安になる(/´△`\)
でも、反応あるとすごい嬉しくて生きてて良いんだー!みたいになるので、皆のおかげで私は生かされてます(*´▽`)

タイトルで病にでもかかったのかと思っちゃったっ!

Ayana Spinel'

Yojimbo [Meteor]

ちはちゃん、こんにちは。ちはちゃんが作文苦手だったというのは意外です。文学もお好きそうですのに。
わたしが自分でも意外だったのは、日記は1週間に1回ぐらいしか書かないのに、物語は毎日でも書いていないと気が済まない感じになってしまったことです。昨日もこの日記を書いていて、用事があったのに忘れてしまいました。ただ、この物語がおもしろいかどうかは、わたしにはわからないのです。ただ、書きたい気持ちに突き動かされて書いているだけ。ありがちなのは、説明不足で意味不明な文になってるってことかなあ。

Ayana Spinel'

Yojimbo [Meteor]

みらるちゃん、こんにちは。コメント書いてもらえるのは、ほんとにうれしいですよね。逆に、わたしがコメント滞りがちになっちゃってることや、みらるちゃんと会う機会が減ってることには理由があって、それは、ちょっと日記には書けないことなので、今度、みらるちゃんと会ったときにご説明しますね。

タイトルは確かに!何も考えてなかった。心配かけてごめんなさい。ここから、だんだんエグいタイトルが出てくる(予感がする)ので、物語のタイトルだとわかるように工夫しますね。

Rin' Ren

Carbuncle [Elemental]

最近、メインに追われててロドストの日記をゆっくり見てなかった。。
って思ったらみんなのお知らせが流れて行ってしまってて気づかないまま通りすぎてたり。。

あたしも、日記は出来事とかを残しておきたくて書いてるだけなので、、あやなさんの物語もSSの日記もちゃんとストーリーがあって大好きです~

であったあの日から、ずっとファンです♪
お料理の日記も。:+((*´艸`))+:。

Ayana Spinel'

Yojimbo [Meteor]

りんりん、こんばんは。

そうだよね。普通はメインが忙しくて日記が読めない時だよね。日記書くのが忙しくてメインが進まないわたしは、かなりズレてると思う。今は、時間があれば、この物語を書いてるから、わたしもみんなの日記が読めてないよ。それは、ちょっと反省なのだけど、申し訳ないのだけど、今は自分の物語を優先させようと思います。

りんりんの優しくて真っ直ぐな言葉に、わたしは、かなりドギマギしちゃったよ。すごくうれしいけど、ちょっと恥ずかしい。そして、わたしは、りんりんのたくさんいるうちのお友達の一人で、しかも新参者ぐらいに思ってたから、最初の出会いを、そんなに大切に思ってくれてたことに気付かなかった。ありがとう。日記を書くのは好きだからやってることだけど、今度は途中で放り出したりしないように、旅を続けていけるように頑張るね。

Grin Delights

Valefor [Meteor]

物語楽しく読ませてもらってます。
情景描写とかちゃんとしていてすごいです✨

歩いたり、寝たり、お風呂入ったりすると頭がスッキリして、考えがまとまってきますよね✨
あの感覚は好き😊

Ayana Spinel'

Yojimbo [Meteor]

ぐりんさん、こんにちは。物語読んでいただき、ありがとうございます。エオルゼアを舞台にして書いているので、一から想像して風景を作る必要がなく、その点は楽です。ただ、ゲームのエオルゼアとは時代が違うので「このときは、あったかな?まだなかったかな?」と考えるのが難しいです。第六星歴の情報は限られているので、違ったら違ったでいいやという軽い気持ちで書いています。

Ryoku' Cha

Ramuh [Meteor]

アヤナさん こんにちは。

もう10話まで来ているのですねΣ(・□・;)
お盆休みの週末になり、ようやくアヤナさんの物語をじっくり読む時間が取れそうです。
国語力の偏差値は絶望的なら私ですが精一杯想像力を巡らせて読みたいと思います。

私のいいねはアヤナさんの物語を読んだ進捗と思ってもらえればと思いますw

Ayana Spinel'

Yojimbo [Meteor]

緑茶さん、こんにちは。貴重なお休みを、わたしの物語を読むのに使っていただき、ありがとうございます。コメントに気付くのが遅くなってしまいました。

物語は、ほぼ最後までできていて、全20話で終わらせます。

小説家になりたくて大学生までは物語を書いていたのですが、ブラック企業に就職して時間がなくなり(スートブラックではなくジェットブラックです!)心と健康をすり潰しながら、好きでもない仕事の才能を認められてさらに時間がなくなり、物語を書くことが一切なくなってしまいました。FF14を始めて3年目に日記を書くようになり、こうして多くの方に読んでいただいて、再び何かを書こうという意欲が沸いてきました。とてもありがたいことだと思っています。
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