FF14バックステージ調査隊②レベルデザイン班:高橋新さん

バックステージ調査隊

こんにちは。宣伝チームのみやみやです!

FFXIVの開発/運営スタッフにいろいろな裏話を聞いていく企画、「FF14バックステージ調査隊」。第2回は~~~


リードレベルデザイナーの「高橋新」さん!!!

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では早速、調査隊出動!(`・ω・´)ゞ

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******

みやみや:本日はよろしくおねがいします! では早速、ブログをお読みの皆さんへまずは自己紹介をお願いします。

高橋:レベルデザイン班(以下、レベル班)でリードレベルデサイナーをしております、高橋 新(たかはし あらた)です。

みやみや:新さんが所属する「レベル班」ですが、読者の皆さんにとっては少し馴染みのない言葉かもしれません。改めて「レベル班」とは、普段どんなお仕事をしているチームなのか、教えてください。

高橋:日本では「レベル」と言うと、「レベルアップ」のように階級を表すイメージがあるかもしれませんね。海外で「レベル」と言うと、「ステージ」や「面」といった意味を表すことが多いんです。レベル班は後者の意味で、ステージや面を作るチームになります。

具体的には、ゲーム内のすべての背景の企画や監修、インスタンスダンジョン(以下、ID)やレイドダンジョン、ゴールドソーサーなど、様々なコンテンツのステージ設計に携わっています。例えば拡張のタイミングでは、フィールドやタウンなどの設計・監修をしたり、シーズナルイベントでF.A.T.E.を使用したものがあれば企画をしたりもしています。プレイヤーの皆さんが行けるところの背景にはすべて、何らかの形で関わっている......とも言えるかもしれませんね。

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みやみや:幅広い......!どんなプレイスタイルの方にも関わるお仕事、とも言えるかもしれませんね。 フィールドやタウンの制作については以前こちらなどでもお伺いしましたが、先ほど挙げていただいた中で、例えばバトルコンテンツであればレベル班としてはどのように制作に関わられているのでしょうか。

高橋:IDであれば、背景はもちろん、「敵やボスがどこから・どのように出てくるのか」「ダンジョン内でのストーリーの展開」などをふくめた、道中で起こることすべての設計に関わっています。『漆黒のヴィランズ』最初のIDである「殺戮郷村 ホルミンスター」は、私がレベル企画を担当しましたので、こちらを例に説明します。

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まず、ここに至るまでのストーリーを考えると、ID内でも"罪喰いによる悲惨な状況を、現在進行形の形で表現すること"が必要だと考えました。そのうえで、少しずつストーリー構成やコンセプトを具体化していきます。今回であれば、

・ 「村が襲われた」と聞いた冒険者が、
・ フェーズ1では、村に至る森の中で「罪喰いに襲われた獣が、罪喰いとして孵化する」シーンを目撃し、
・ フェーズ2では、森を抜け景色が広がってみえる村の惨状に憤りを覚え、
・ フェーズ3では、村人らが罪喰いから逃げるも、襲われて罪喰い化してしまい無念さを感じる。

......といった感じです。そして、このように構成が固まったら、「この場所では、道中に置かれた繭から罪喰いが孵化する」「この場所では、村の奥から逃げ来る人々とすれ違う」、といった細かいギミックや演出を加えて、企画を仕上げていきます。これらの構成やID内での出来事は、シナリオに詳細に書かれているわけではないので、レベル企画の担当者各自が物語を考えて作っています。

ただ、ここまでに説明したものすべてをレベル班だけで考えているわけではなく、ストーリーに関わるところであればイベント班やシナリオ班、バトルに関わるところであればモンスター班など、他のチームと協力しながら進めています。

みやみや:チームごとに明確に役割を分けるのではなく、その垣根を超え、様々なチームが連携して一つのコンテンツを作っているのですね。レベル班としてのバトルコンテンツへの関わり方が分かりました。  一方フィールドといえば、パッチ5.3では新生エリアのフライング対応がされ、新しい景色の見え方に感動しました......!こちらもレベル班が深く関わられた改修ですが、新さんとして、今回のフライング対応で新たに行けるようになった「おすすめスポット」や、対応の際こだわった点などがあれば教えてください。

高橋:新生エリアすべてがおすすめ......と言いたいところですが(笑)。特におすすめの場所は、「東ザナラーン:ハイブリッジ下の像の手のひら」と、「低地ラノシア:モラビー造船廠の船のマストやクレーンの上」です。

20201130_mm_06.png▲東ザナラーン:ハイブリッジ下の像の手のひら(X:21.3/Y:19.7/Z:0.1あたり)

20201130_mm_07.png▲低地ラノシア:モラビー造船廠の船のマストやクレーンの上(X:26.2/Y:34.3/Z:1.1あたり)。こちらの画像は夕焼けですが、晴れの日のエオルゼア時間5時50分頃、東の海上から昇る朝日がとても美しいとのこと!

こだわった点は、飛べるだけでなく「着地できる」ところを作ったことでしょうか。せっかく移動の自由度が上がるのだから、楽しめる要素をご用意したい!という思いで、時間とコストが許す限り直接担当と話しながら、そういったポイントを一つでも増やしていきました。すべてに対応できたわけではないので、痛し痒しではあるのですが......探して楽しんでいただけていると嬉しいです。

また、通ることができる場所が増えたことで、導線としても非常に便利になったと思っています。高地ラノシアの巨大な湖も、キキルン族の助けナシで渡れるようになりました(笑)。

みやみや:彼らにとっては死活問題かもしれませんが......(笑)。高低差があるところなども、移動が非常に楽になりました。 ではお話を過去にも広げ、今まで担当されたお仕事の中で、いちばん心に残ったものを教えていただけますか?

高橋:「特定のコンテンツ」という意味では、毎回新しいことに挑戦していて新鮮なので、"いちばん"を決めるのは難しいですね。

例えば、ゴールドソーサーのコンテンツの中には、「挑戦! ジャンピングアスレチック」や「一閃! 斬魔・デ・三昧」など、背景だけではなくシステムの設計もふくめてレベル班で作ったものが多数あります。特に「出撃! エアフォースパイロット」は、FFXIVの中に同じ仕組みが存在しないので、レベル班の担当者が苦労しながら、イチから仕組みを作りました。

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その他のコンテンツにも、レベル班で新たに作った仕組みをいろいろと入れ込んでいます。これらそれぞれに、何らかの思い出......苦労と楽しみがありますので、すべてが心に残っていますね。

みやみや:一風変わったゴールドソーサーのコンテンツは、レベル班の方々によって作られていたのですね......!FFXIVの中には様々な遊びが用意されていますが、普段どのようなことを意識して開発されていますか?

高橋:IDやフィールドF.A.T.E.といったバトルコンテンツ以外の、新規コンテンツや季節イベントのF.A.T.E.を担当するときには、なるべくバトルコンテンツの枠組みから外れた遊びを届けられるように意識しています。

バトルコンテンツは、バトルシステム班やモンスター班がしっかり作り込んでくれています。ただ楽しみ方は人によって様々ですから、中にはバトルが苦手な方もいらっしゃるかと思うのです。そのためレベル班では、なるべく多くのプレイヤーに楽しんでもらえるよう、「バトルコンテンツとは方向性の違うものを作ろう」という方針で、別の遊びを生み出すために日々頭をひねっています。

シーズナルイベントもそのうちの一つで、2020年の紅蓮祭では、フレイムダンスでボンバードを鼓舞し、巨大な人喰いサメを倒す、という内容にしました。あのイベントも、「普通のバトルではない遊び方を作ろう」という考えのもと、出来上がったものです。

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みやみや:なるほど......!プレイ歴やストーリー進度の異なるフレンドと遊ぶとき、誰とでも遊びやすいゴールドソーサーやシーズナルイベントは大活躍しています。 では続いて、本企画の恒例コーナー「私の仕事道具紹介」~~~!新さんが仕事をするにあたり、欠かせないもの、お供にしているもの、便利なものなどを1つご紹介ください。

高橋:モノではなくツールなのですが、「Google Earth」が便利でよく使用しています。

基本的には自分自身のイメージ収集やロケハン用として使用しているのですが、複数人でGoogle Earthの画面を見ながら、イメージのすり合わせを行うこともあります。非常に画期的なツールですよね~。

▲Google Earthで見てみたスクウェア・エニックスの外観。その場に行かずともイメージが伝わります!

もちろん「ファイナルファンタジー」の世界なので、現実のものをそのまま使うわけにはいかないのですが、Google Earthで確認しあったイメージをベースにして、各担当者が「ファイナルファンタジー」らしくそのイメージを膨らませる、といった感じです。

みやみや:現地に行くのが難しい場所も、これがあればいつでも見ることができますね! さて、ここまでのお話で、レベル班のお仕事は本当に多岐にわたり、大勢の方と関わっているチームだということが伝わってきました。いろいろなチームの"ハブ"のようなポジションとも言える中で、そういう立場だからこそ大変なことはありますか?

高橋:スタッフ全員がそれぞれ面白い考え方や個性、こだわりをもっているので、その分意見を一つに集約することが難しいですね。そこで間に立って、いろいろなチームの意見を聞いて、現実的にどうしていくか?という良い塩梅を見つけるのも、レベル班の仕事と言えるかもしれません。

20201130_mm_11.png▲『漆黒のヴィランズ』制作秘話を語る動画コンテンツ「THE CREATION OF FINAL FANTASY XIV: SHADOWBRINGERS」、「Episode 2: Forging The First」 より

「パッチの目玉となるボス戦を作る!」「メインストーリーを作る!」などといった華やかな仕事内容ではないですが、チーム全体の橋渡しをする、という点では重要な役割だと思っています。

みやみや:組織というものの中で、欠けてはならない大切な存在ですね......! さて、そろそろお時間ですので、最後に開発ブログをご覧のプレイヤーの皆さんに向けてひとことお願いします!

高橋:引き続き、プレイヤーの皆さんに喜んでもらえる改修や、より多くの方が楽しめる新しいコンテンツの制作に励んでいきますので、今後もFFXIVを遊び続けていただけると嬉しいです!

みやみや:本日はありがとうございました!


******

いかがでしたでしょうか?
少しでも私の大好きな「FFXIVチーム」の雰囲気が伝わりますように!

またお会いしましょう!!

みやみや(宣伝チーム)

 

★FF14バックステージ調査隊バックナンバー★
第1回:世界設定/イベント班:織田万里さん

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