FF14バックステージ調査隊⑨ ローカライズチーム<後編>

バックステージ調査隊

こんにちは、宣伝のはまです。
FFXIVの開発/運営スタッフに裏話を聞いていく企画、「FF14バックステージ調査隊」。

前編に引き続き、英語・ドイツ語・フランス語のローカライズ担当者のインタビューをお伝えしていきます!

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はま:

自分の関わった範囲でお気に入りのセリフやシーンはありますか?

ポール:

リムサにあるちょっとしたサイドクエストから印象深いメインクエストまで、自分の関わったものは幅広いです。が、一番記憶に残っているコンテンツはたぶん、ロンカの水蛇のクエストシリーズです。(べ、別に水蛇様に取り入ろうと思って言っているわけではないですからね!)
あとはFFXIとのコラボレーションイベント「星唄異聞」のクエストですね。FFXIに関連するものが好きですから。

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パメラ:

『漆黒のヴィランズ』の開発が始まったばかりの時期にスクウェア・エニックスに入社した私にとって、最初に担当したコンテンツであるフリスリックの漁師のクエストは、特別な思い入れがあります。長年FFXIVをプレイしてきた身でもあるので、自分自身がクリエイティブな仕事に携われることに大きな興奮を覚えました。

※以下、回答にネタバレが含まれます。ご了承のうえクリックして回答をご覧ください


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『暁月のフィナーレ』では、サベネア島が終末の厄災に見舞われたパートも担当しました。特に、プルシャ寺院でマトシャが怯える人々に祈りを促すシーンが印象に残っています。祈りをドイツ人にもなじみのある形にしながら、サベネア島に根付く信仰の原理と織り交ぜることは面白い挑戦でした。複数のキャラクターの声で読み上げられるためシンプルな言葉である必要があり、同時に感情に訴えかける表現である必要がありました。しかし、絶望の中に希望を見出せる適切な言葉を見つけるのは本当に大変で、このシーンは自分自身にも胸に刺さりました。


オディロン:

一つだけを選ぶのは難しいですが、パッチ5.3のメインストーリーの後半はとても印象に残りました。

※以下、回答にネタバレが含まれます。ご了承のうえクリックして回答をご覧ください


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遠いところへ出発する前に、また会えるのかどうかもわからずに第一世界の仲間と別れを告げる話は、母国を出て日本に住んでいる自分にとって妙に響きました。
クエストを1つ選ぶとしたら、「冒険は続いていく」というクエストでセトとアルバートのシーンを訳すことに尽力した記憶があります。感動的なシーンでは絶妙なバランスを保ち、慎重に言葉を選ばないとインパクトが伝わらないのです。自画自賛に聞こえてしまうかもしれませんが、とても満足できる結果になったと思います。さらに、フランス語版の声優さんたちが気持ちを込めて、素晴らしいパフォーマンスをしてくださったので、翻訳した言葉以上に素敵なシーンになりました。


メインストーリーの翻訳にはとにかく気合が入ります。翻訳という作業はほとんど書く仕事ですが、才能あふれるフランス語版のキャストに自分が用意したセリフを演じてもらうときは感動しますね。収録時はフランスのスタジオで立ち合い、ボイスディレクターや声優さんたちとセリフの内容と意図を確認しながら、吹替の収録をしています。そして、フランス語のセリフがゲームに入ってカットシーンが完成していくのは、本当に魔法のようです。

はま:

お仕事のやりがいを感じるのはどんな時ですか?

ポール:

新情報を発表した時やゲームをプレイした時のプレイヤーの反響はもちろん、ローカライズの最初から最後まで全工程にやりがいを感じます。他の開発メンバーや各言語の翻訳者と協力して、FFXIVの世界に生命を吹き込む体験は何にも代えがたいです。この仕事は難しく、自分にまっとうできているのかと不安になることもありますが、素晴らしい才能を持つチームに恵まれて、お互いに切磋琢磨しています。ほかの会社で働いていたら、自分の腕は今の半分にも満たないのではないかと思います。
もし、私たちと一緒にローカライズの飽くなき研究をしたいと思う方がいらっしゃいましたら、ぜひ採用ページから応募をお願いします!

パメラ:

自分にとってFFXIVは、βテストフェーズ2に始まって以来、長い年月に渡って私の人生の一部です。前の仕事をしていて大変だったときもFFXIVは原動力となり、ストレスの多い日であっても避難できるお気に入りの場所でしたし、それは今も変わりません。また、長年の友情の絆を築いた場所でもあります。そのため、このゲームは私も含めた多くの人にとって、単なるMMORPGではないと思っています。執筆の仕事への愛情とFFXIVへの情熱を両立できることについて、3年半経った今でも「夢を見てるのではないだろうか」と思ってしまうほどです。

そして何より、私たちの最も大事なモチベーションの源はプレイヤーの皆さんです。私自身、素晴らしいレイドグループに参加できて幸運だと思っています。皆さんがストーリーを応援したり、感想を述べたり、パッチや追加機能への期待をするたびに、生の声を聞くことができるんです。そのような喜びと情熱に自分の仕事が貢献できていると思うと、心が温かくなります。

▼2018年にラスベガスで開催されたファンフェスティバル
 プレイヤーの皆さんには開発・運営スタッフ一同、いつもパワーをいただいています!

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ちなみに、私たちは新しい日独翻訳者を探しています。興味が持てましたら、遠慮なく採用ページから応募してみてください!


オディロン:

スクウェア・エニックスに就職する前は主に法律や技術に関する翻訳をしていたため、翻訳した内容が適切かどうかの反響を得る機会がありませんでした。しかしゲームの場合、特に動画配信が普及したおかげもあって、プレイヤーから生のフィードバックを目にすることができて、大変やりがいを感じます。プレイヤーの皆さんがプレイしながら笑ったり、感動したりしてくれるのを見ると、私たちが選んだ言葉が日本語のテキストに込められた意図をちゃんと伝えられたことがわかります。この達成感はすごいです。言葉の壁を突破し、さまざまの国の方がFFXIVを同じように体験できているのであれば、私たちが無事に任務を果たしているという気持ちになれます。

また、FFXIVの仕事の特徴はチームワークだと思います。トランスレーターという仕事は大体一人で家にこもって文章を訳す小説家と似たようなイメージがあるかもしれませんが、FFXIVのお仕事ではコミュニケーションが欠かせません。これまで説明したように、同じフランス語チームのメンバーでお互いの作業を校正し、翻訳の内容を常に話し合っています。そして、英語版とドイツ語版の仲間ともよくコミュニケーションをとり、QAチーム、プロジェクトマネージャーたちや他の開発メンバーとも頻繁に話し合います。FFXIVのローカライズでは驚くべきほどの量のディスカッションが行われていると思います。

そういえば、FFXIVの世界が広がっているように、私たちもチームを広げ、今ちょうど新たな仲間となる光の戦士を探しています!日仏翻訳のできる方を募集していますので、ご興味のある方はぜひ採用ページから応募してみてください !

はま:

3言語とも募集中ということですね!ブログをご覧の方で、我こそは!という方は是非応募をご検討ください。
それでは最後に、今後に向けての意気込みなど、プレイヤーの皆さんに向けてひとことお願いします!

ポール:

若葉プレイヤーの皆さんもベテランプレイヤーの皆さんも、FFXIVという冒険を一緒に楽しんでくださり誠にありがとうございます。今までの応援に感謝しています。10年間、この仕事ができたことを光栄に思っていますし、これからの10年間もご一緒できることを楽しみにしています!

パメラ:

プレイヤーの皆さんの情熱と創造性がなければ、今日のFFXIVはありませんでした。皆さんは毎日刺激を与えてくれ、やる気を起こさせてくれ、このゲームを本当に特別なものにしてくださっています。仕事の立場としても、私個人としても、皆さんに心から感謝しています。他言語でゲームをプレイしている方は、ドイツ語版もぜひお試しください。私たちの翻訳がよい驚きをご提供できるかもしれません!

オディロン:

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。皆さんのエオルゼアでの冒険は楽しいものになっていますでしょうか? 皆さんの熱意は私たちのモチベーションになっていて、最高品質のフランス語版を提供すべく、毎日楽しく取り組んでいます。他言語でプレイしている方でご興味のある方は、ぜひフランス語に切り替えてプレイしてみてください。声優の皆さんはとても熱心で才能溢れる方々で、一度聴いたらきっと病みつきになると思います!

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FFXIVを活き活きとした世界にするため、血のかよった表現を生み出す努力と熱意を感じました!

そして、世界中でそれぞれの言語を通じてFFXIVを楽しんでいる光の戦士がいることに思いを馳せるだけでも、ワクワクしますね。

以上、FFXIVの日英独仏のローカライズチームのご紹介でした!

宣伝 はま


FF14バックステージ調査隊バックナンバー

第1回:世界設定/メインシナリオライター:織田万里さん

第2回:リードレベルデザイナー:高橋新さん

第3回:WEBディレクター:高地浩之さん

第4回:UIアーティスト:関洋一さん

・第5回:コンセプトアーティスト:長嶺裕幸さん

・第6回:コミュニティチーム:加藤岳志さん

・第7回:リードテクニカルアーティスト:岡久達哉さん

・第8回:VFXアーティスト:石井隆康さん

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