FF14バックステージ調査隊⑩キャラクターコンセプトアーティスト:塚本哲さん
バックステージ調査隊
こんにちは。宣伝チームのみやみやです!
FFXIVの開発/運営スタッフに裏話を聞いていく企画、「FF14バックステージ調査隊」。
今回はキャラクターコンセプトアーティストの「塚本哲」さんにお話を伺いました!
インタビューに入る前に、塚本さんがこれまでに担当された数々のデザインの中から、一部をご紹介しましょう......!
※本ブログ記事の一部画像はクリックすることで拡大できます
どれも記憶に深く刻まれているものばかり......!!
印象的なデザインはどのように生み出されているのか、その背景に迫ります。
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みやみや:塚本さんはこれまで『FFXIV』以外にどのような作品に関わられ、いつ頃から『FFXIV』の開発チームに合流されましたか?
塚本: 1996年4月頃に入社し、『FFVII』『FFVIII』『FFIX』『FFX』『FFX-2』『FFXIII』『FFXIII-2』などFFシリーズ作品、『パラサイト・イヴ』や『キングダムハーツ』などでの経験を経て、『FFXIV』チームへは『新生エオルゼア』発売の少し前頃に合流しました。『FFXIV』で初めてデザインを担当したのは、ザンデ、アモン、暗闇の雲など「クリスタルタワー」関連でしたね。
みやみや:そんな経験豊富な塚本さんが『FFXIV』で手がけたデザインのなかで、特に印象に残っているものを教えてください。
塚本: 「フレースヴェルグ」と「ニーズヘッグ」です。オーダーをいただいた時はまだ『蒼天のイシュガルド』の開発初期だったため、発注資料ベースで簡単な設定などは分かるものの、ほとんど「ホワイトドラゴン」「ブラックドラゴン」という情報のみをヒントにデザインを検討しました。"ちょっと強いボス"といったイメージだったので、「ベヒーモス」と同じような立ち位置をイメージして描いたのです。
しかし、実際は想像していたよりもはるかに重要なキャラクターであったことを後から知って、驚きましたね(笑)。
みやみや:役割ごとに手分けをしながら短期間で制作していく、怒涛の開発スケジュールが垣間見えますね。結果として、七大天竜としての威厳とダークファンタジーらしさが溢れていて、初めて見たときからイメージにぴったりでした......! 『暁月のフィナーレ』の初報となる「新情報発表会」で公開された「アニマ」も、塚本さんがデザインされています。光の戦士の皆さんから大きな反響をいただいていましたが、プレイヤーの方々からの反響は、塚本さんも普段ご覧になられていますか?
塚本:もちろんです、自分が関わるタイトルの情報発表の場にはなるべく行くようにしています。自分がデザインしたものが発表されたときに、皆さんが「ワ~!」と盛り上がっている場所で、自分も一緒になって「ワ~!」っとなる瞬間が本当に嬉しいですね。
▲『暁月のフィナーレ』で登場する「アニマ」。実はオリジナルである『FFX』の「アニマ」をデザインされたのも塚本さんなのです!
みやみや:塚本さんはご自分もプレイヤーの一人として、がっつり『FFXIV』をプレイされていますよね。やはりプレイヤーとしての視点を大切にされているのでしょうか?
塚本:そうですね。実際に自分でもプレイして、ゲームのおもしろさや魅力をきちんと理解することは、デザインを考えるうえで欠かせません。
アートは最初のベースになるものであって、そこにモーション・モデル・テクスチャなどいろいろな要素や制約が加わり、最終デザインが完成しています。つまり、自分が描いたアートで"直接"おもしろさや魅力をお届けする、というわけにはいかないのです。自分がおもしろいと思うものをなるべくそのまま他のスタッフやプレイヤーの皆さんにお伝えできるように、可能な限り具体的なイメージや雰囲気をアートに詰め込むようにしています。そこで"いかに詰め込めるか"が大切で、そのためにはやはり自分でプレイしながら「こうなったら楽しいな」「こう見えたらびっくりするな」などと考えることが必要です。
余談ですが、自分でデザインしたモンスターに倒されまくると、反抗期をむかえた息子を見ているような気持ちになりますね(笑)。最近だと「極ゾディアーク討滅戦」でしょうか......。ギミックとの相性かもしれませんが、個人的にはレイドの零式よりも反抗期を感じました。
みやみや:それは......生みの親ならではの視点ですね(笑)! 『暁月のフィナーレ』でもたくさんのアートを生み出されてきたかと思いますが、お気に入りの作品を教えてください。
塚本:「ドグ」「ラグ」「マグ」です。実は最初は顔を出そうとしていたのですが、織田さん(織田万里/リードストーリーデザイナー)の方から「オリジナルのものとは別の世界線なので、顔は隠した方が良いのではないか」という意見をもらい、仮面を被せることにしました。衣装ももう少し凝ったものを考えていたのですが、オリジナルデザインへの配慮やゲームに実装するうえでの制約などによって今のシンプルな形になりました。結果的にラザハンらしさが色濃いデザインにすることができたかと思います。納得するデザインに固まるまでに二転三転しながら作り上げたので印象に残っています。
▲こちらのイメージアートも塚本さんが描かれたもの。9月13日(火)発売のアートブック「FINAL FANTASY XIV: ENDWALKER | The Art of Resurrection - Among the Stars -」には設定画も収録されていますので、ぜひご覧ください!
みやみや:私も『FFIV』が大好きなので、『FFXIV』の世界観にぴったりな「メーガス三姉妹」に会えて嬉しかったです! アートブックに掲載されている塚本さんのデザインの中で個人的に推しなのが、「創造環境 ヒュペルボレア造物院」の報酬武器である「キティセオス・コーデックス」です。装飾がおしゃれなのはもちろん、外側から見ると中身が抜けているように見えるんですよね。
塚本:こちらも相当苦労しながら作り上げました。「バグに見えてしまうのではないか」「ポリゴン数を規定内に収めるのが難しい」など様々な懸念があり、最初は反対の声もあったのですが......何とかモデラーの方々に頑張っていただいて、綺麗な形で実装してもらうことができました。
▲内側から見ると黒地に金文字の中身が見えますが、なんと外側から見ると抜け感のあるデザインに!バラや王冠のモチーフもかわいいっ!
みやみや:今までにない新しい武器で、学者がメインジョブの私にとってお気に入りの一つになりました。また「ミソロジー・オブ・エオルゼア」の第1弾「輝ける神域 アグライア」では、塚本さんがデザインされた「工神ビエルゴ」や「商神ナルザル」などが登場しました。キャラクター性も相まってコミュニティの間でも非常に人気のキャラクターですが、デザインを考えるにあたって苦労されたことはありましたか?
塚本:「商神ナルザル」の発注を受けた際、「ナルとザルを一つの身体にしたいため、何とかして一体化できないか」と相談がありました。ただ単純に前後などで一体化させた場合、例えば裏側を隠したいシーンでも、自分が裏側に回ったら見えてしまうのですよね。ですので、単純に前後で合わせることはせず、縦回転の要素を入れて今の形になりました。
この「上半身が回転する」というアイデアは、締め切りギリギリで思いつきました(笑)。大変でしたが、フォーラムやSNSでも「ヒトの子のこと、大好きだな!」などと親しまれているのを見て、非常に嬉しかったです。
みやみや:神々に会うために「輝ける神域 アグライア」に通い詰めた方も多いのではないかと思います......! これまでにご紹介してきたメカやモンスターたちはどれも非常に印象的ですが、普段どのような発想で描かれているのでしょうか?
塚本: "関係のない要素を1つ混ぜる"ことを意識しています。例えば、「クァール」を描くためにバイクの資料を見てみたりとか、家具デザインやファッション系の資料を見て、モンスターをデザインしてみたりとか......違うものを混ぜて"異質感"を出すようにしています。ストレートに考えてしまうと、どうしても代わり映えしないものになってしまいますからね。
これは『FFVII』『FFVIII』の開発でお世話になった方から学んだことで、デザインを考えるにあたって「引き出しをたくさん持っておいて、ニュアンスだけをもらってくる......ということを身に付けておいた方がよい」と教えられたのです。この考え方が今すごく役に立っています。
みやみや:独創的なデザインはそういった考え方から生まれているのですね! では最後に、プレイヤーの皆さんに向けてメッセージをお願いします。
塚本:日々フォーラムやSNSなどでゲームの感想を発信していただき、ありがとうございます。いただいたご意見にはしっかりと目を通しておりますので、ぜひ引き続きご要望や感想などを投稿していただけると嬉しいです。これからも一緒に『FFXIV』を楽しんでいきましょう!
***************
最後に、本記事で初公開となる「商神ナルザル」の設定画を、ご紹介させていただきます!
ああ......神々しい......。
今後塚本さんが生み出す新たなモンスターとの出会いや、次なるアライアンスレイドダンジョンも楽しみですね!!
9月13日(火)に発売となる、『暁月のフィナーレ』に関するアートがたっぷり収録された公式アートブック「FINAL FANTASY XIV: ENDWALKER | The Art of Resurrection - Among the Stars -」も、ぜひお手に取って美麗なアートをご堪能ください!
みやみや(宣伝チーム)
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