こんにちは。宣伝チームのみやみやです！

『FFXIV』の開発／運営スタッフに裏話を聞いていく企画、「FF14バックステージ調査隊」。

今回はリードアイテムデザイナーの「林洋介」さんにお話を伺いました！

装備・マウント・ミニオン・エモート・髪型などなど、『FFXIV』の中には様々なアイテムや報酬が存在しています。それら一つ一つがどのようにして作られ、ゲームの中に産み落とされているのか？といったところから、今後追加される注目アイテムについても切り込みます！

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みやみや：林さんはどのような経緯で入社され、『FFXIV』チームに参加されることになったのでしょうか。

林：当時のスクウェアの品質管理部に、QAアルバイトとして参加したのが入社のきっかけでした。QAとして何タイトルか経験し『FFXI』のデバッグをしていたところ、現在『FFXI』のプロデューサーである松井聡彦さんに声をかけてもらい、プランナーとして『FFXI』チームに合流することになりました。元々ゲームは好きでしたが、特に開発に関する専門的な勉強はしていなかったため、配属当時は知識ゼロからのスタートでしたね。

その後、旧『FFXIV』発売の1年ほど前に『FFXIV』チームに合流し、以降プランナーとして関わっています。

みやみや：所属としては「ライブ班」、肩書としては「リードアイテムデザイナー」となっていますよね。実際にどのようなお仕事をされているのでしょうか？

林：リードアイテムデザイナーとして、ゲーム内コンテンツそれぞれにどのような報酬を付けていくかを考えたり、アイテムをゲームに落とし込むために必要なデータを取りまとめたりしています。データは分かりやすいところで言うと、名称やその読み仮名、アイテムレベルや機能的な数値などですね。

また、楽器演奏やファッションアクセサリーなど生活系の新しい仕組みを作っていくときには、プログラマー・アーティスト・サウンドなどたくさんの人たちを巻き込んで企画を進めていく"まとめ役"のようなことを担当しています。『妖怪ウォッチ』や『牙狼＜GARO＞』など、他タイトルとゲーム内コラボ・クロスオーバーを行う際には、"まとめ役"だけでなく企画からすべて担当する、ということもありますね。

みやみや：ベテランの林さんがまとめ役として立つことで、各所とのやり取りがスムーズに進められているのですね。　アイテム制作について、企画からゲーム内に実装されるまでの流れを教えていただけますでしょうか。

林： 装備品を例にとってお話しますね。まず制作全体の流れとしては、このようになっています。

▲「ファイナルファンタジーXIV ファンフェスティバル 2019 in SHANGHAI」で開発パネルに登壇された林さん。その時に使用した資料を使ってご説明いただきました！

『FFXIV』では拡張パッケージの発売前に、"1つの拡張パッケージを通して、どれだけのコンテンツが追加されて、それぞれにどれくらいの報酬が必要か"といったところについて大枠の予定を決めています。これが最初に行う「全体計画」です。

みやみや：定期的なアップデートを繰り返す『FFXIV』では、パッチによって報酬のボリュームや開発の作業量に大きな偏りが出ないよう、あらかじめ長期的に見積もっておくことが重要なのですね。

林：全体的な計画が決まったところで、どんな見た目のものを作るか、といった実際の装備品の企画に入っていきます。コンテンツの特性に合わせてコンセプトを決めたら、開発的な制限や世界設定などの情報と一緒に企画書にまとめて、それをもとにアート班にデザインを描き起こしてもらいます。

▲「希望の園エデン：覚醒編」の報酬装備は、このようなコンセプトで作られていました。

アート班やキャラ班が装備のグラフィックスを作っているのと並行して、プランナー側はアイテムに対して仕様や値付けなどの設定を行っていきます。これが冒頭でお話しした"アイテムをゲームに落とし込むために必要なデータの取りまとめ"ですね。

1つのアイテムに対して多数のデータを設定しているのですが、これを1パッチに700～900個ほど、拡張パッケージでは2500個ほどのアイテムに対して行っています。もちろん全部自分でやっているわけではなく、バトルパラメータについてはバトルシステム班にお願いするなど、手分けして作業しています。

その後、UI班にアイテムアイコンを作成してもらったり、シナリオ班にアイテム名称を付けてもらったり、ローカライズ班に翻訳してもらったりして、ようやく1つのアイテムが完成します。

みやみや：1つのアイテムに対して、本当に多くのセクションが関わっているのですね......！　パッチ6.2では、ファッションアクセサリー使用中にエモートができるようになりました。パッチ6.3でもさらに拡張されることが発表されていますが、もし今後の展望があればお伺いしたいです。

林：まずパッチ6.3に向けては、プロデューサーレターLIVEなどでも言及があった"雨が降ると自動で傘を差す"機能の追加、そして長期的には"ファッションアクセサリーを使ったままできること"をもっと増やしていくことが目標です。

ファッションアクセサリーはマウントと仕様を共有しているので、基本的にはマウントに乗っているときにできないことは、ファッションアクセサリー使用中にもできません。そのため最初に傘を追加したときは、とにかく"傘を差しながら移動できる"ことを実現するので精一杯だったのですが、やはりそれだと使いづらいというご意見が多くて......。現在はもう少し自由度を持たせられるよう、マウントとファッションアクセサリーとで可能な限り仕様を分離させるなどの調整を進めています。

みやみや：よりロールプレイの幅が広がりそうですね......！　第8回14時間生放送の「LIVE Q&A」では、「でぶチョコボヘッドの染色対応」や「カッパの着ぐるみの追加」などの要望が飛び出しました。これらについて意気込みや進捗をお伺いできますでしょうか。

林： まずでぶチョコボヘッドの方ですが、こちらの染色対応は近い将来お届けできる予定です。

▲当日サブ放送に出ずっぱりだった林さんも、後日「LIVE Q&A」を見られたとのこと。かわいいおねだりにやられたそうです（笑）。

カッパの着ぐるみの方も、放送の翌日にはチームスタッフ全員が前のめりになって、「カッパどうしようか」とディスカッションしていました（笑）。すでに作ることが決まっている装備との兼ね合いもあるためすぐにとはいきませんが、やる気満々で制作を進めていますので、そんなに遅くないタイミングでカッパを紹介できる日がくるのではないかな......と。ただハードルも上がっていると思うので、ご期待に沿えるよう引き続きじっくり作り上げていきたいと思います。

みやみや：どんなカッパになるのか、楽しみにお待ちしています！　先のお話も出てきたところで、まもなく公開となるパッチ6.3で追加されるアイテムの中からも、"注目の一品"があれば教えていただけないでしょうか......！

林：いつも目玉揃いではあるのですが、パッチ6.3も本当に関係各所が頑張ってくれて、どれか1つに絞るのが難しいほど豪華なラインナップになったと思っています。

そんな中でコッソリ1つだけお伝えするとしたら......「タタルの大繁盛商店」の舞台が東方になりますので、報酬としては久々に"和風の装備"が入ります。

▲渋い！カッコイイ！女性キャラクターが着用するとどうなるのでしょう......想像が広がりますっ！！

その他にもたくさんのアイテムが追加されますので、きっと皆さんに喜んでもらえるのではないかと思います。

みやみや：こちらも非常に楽しみです！　では最後に、プレイヤーの皆さんに向けてメッセージをお願いします。

林：自分はありがたいことに、これまでもイベントや放送でお話しさせていただく機会をいただいてきましたが、アイテム制作ひとつをとっても、すべて自分一人でやっているわけではありません。ライブ班には頼もしいスタッフがたくさんいて、彼らがいるおかげで「無人島開拓」など新しいコンテンツや数多くのアイテムを作ることができています。

それから、QA・テスターの方々も『FFXIV』には欠かせない大切な存在です。特に楽器演奏やファッションアクセサリーなどの新しい機能は、最初はとんでもない量のバグを発生させます。それをQA・テスターの方々に見つけてもらい、我々の方で一つずつ原因を潰していく......という作業をパッチ公開までひたすら繰り返しています。今の『FFXIV』があるのは、このような頼もしい開発／運営スタッフが大勢いるおかげだと思っています。

そんな仲間たちと作り上げた装備品、マウント、ミニオン、などなど、ゲーム内にはたくさんのアイテムを用意していますので、ぜひ自分のキャラクターを楽しく着飾ってもらえたら嬉しいです。フォーラムやSNSなどもチェックしていますので、「これが好き」「あれが欲しい」などがあれば発信いただければと思います。もちろん優先度や仕様との兼ね合いもあるので、すべてにお応えするのは難しく心苦しいのですが......、それでもいただいたご意見はいつも参考にさせていただいています。これからも感想や要望など、たくさんお寄せいただけると嬉しいです。

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いかがでしたでしょうか？
人と人とをつなぐ"まとめ役"になることが多いという林さん。
そんな林さんのおおらかな人柄やチームを大切に思う気持ちが、ダイレクトに伝わったインタビューでした。

今後のお話もたくさん伺えて、楽しみが尽きませんね！
ではまたお会いしましょう！

みやみや（宣伝チーム）

　　

★FF14バックステージ調査隊バックナンバー★

・第1回：世界設定/メインシナリオライター：織田万里さん

・第2回：リードレベルデザイナー：高橋新さん

・第3回：WEBディレクター：高地浩之さん

・第4回：UIアーティスト：関洋一さん

・第5回：コンセプトアーティスト：長嶺裕幸さん

・第6回：コミュニティチーム：加藤岳志さん

・第7回：リードテクニカルアーティスト：岡久達哉さん

・第8回：VFXアーティスト：石井隆康さん

・第9回：ローカライズチーム　前編 ／後編

・第10回：キャラクターコンセプトアーティスト：塚本哲さん